日本が支える90万人の生活水 チュニジア・スファックス海水淡水化プラント完工

JICA

独立行政法人国際協力機構(JICA)が円借款により建設を支援したチュニジア共和国スファックス市の海水淡水化プラントが完成し、2026年6月19日、現地で完工式が開催されました。

このプラントは、1日約10万立方メートルの飲料水を供給し、約90万人の暮らしを支える重要なインフラです。慢性的な水不足に悩まされてきた地域に、安全で安定した水を届ける、日・チュニジア協力を象徴する事業となりました。

完工式には、JICAの三井祐子理事のほか、シェイク農業大臣、ハジュリ・スファックス県知事、ムナジャ水道公社総裁らが出席し、日本の支援への感謝と、今後の両国の協力への期待が述べられました。

プラントによって供給される水を試飲する様子。

世界平均の4分の1しか雨が降らない地域

チュニジアは国土の南半分が半乾燥地帯に位置し、水資源の確保が長年の課題となっています。

スファックス地域の年間降水量は約230mmで、世界平均(約970mm)の4分の1以下です。近年は夏季を中心に計画断水が実施され、水道が止まることが日常となるなど、市民生活や産業活動に大きな影響を及ぼしていました。

こうした状況を改善するため、JICAは円借款を通じて海水淡水化プラントの建設を支援。海水から塩分や不純物を取り除き、飲料水などに利用できる淡水を供給する施設です。

プラント内の制御システムは横河電機、海水を高圧で送り出すポンプは酉島製作所、電気システムには日立エナジーと、日本企業の技術が活用され、こうした技術が高効率かつ安定した運転を支えています。

JICAが円借款を通じて建設を支援した海水淡水化プラント。

「水圧が高くなった」――変わり始めた暮らし

プラントの稼働により、夏場の水不足がほぼ解消され、水質の向上や断水問題の緩和にも大きく寄与しています。効果はスファックス地域にとどまらず、他地域の水不足緩和にもつながっています。

スファックス市エル・アイン地区に住むクマールさん(14歳)は次のように話しています。

「断水が大幅に減ったし、水圧が高くなったのを感じます。一部まだ課題がある箇所もあるけど、日本が支援しているなんてとても心強いわ。」

スファックス市エル・アイン地区の学生たち。

国交樹立70周年、日・チュニジア関係の未来

JICAはスファックス市で漏水対策の技術協力もあわせて行ってきました。三井理事は完工式で、この成果を土台に、本年、上水インフラのさらなる改善を目指す無収水対策の技術協力を新たに開始すると表明。式典に合わせ、現地の漏水対策チームの活動現場も自ら視察しました。

2026年は日本とチュニジアの国交樹立70周年という節目の年です。サッカーワールドカップの日本対チュニジア戦(6月21日)を目前に控え、チュニジアの人々の日本への関心が高まる中で迎えた今回の完工式は、両国の絆を象徴する一日となりました。

気候変動により水資源問題が世界各地で深刻化する中、日本の水インフラ分野の技術・知見を活かした支援は、国際社会が直面する課題の解決にもつながります。JICAは今後も、水分野をはじめとする開発課題への取り組みを通じ、日・チュニジア協力を深めていきます。

除幕式の様子。

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会社概要

独立行政法人国際協力機構

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URL
https://www.jica.go.jp/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都千代田区二番町5-25 二番町センタービル
電話番号
03-5226-6663
代表者名
田中明彦
上場
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資本金
-
設立
2003年10月