Autodesk Fusion を活用した日本大学の超小型人工衛星「PRELUDE」が軌道上実証フェーズへ
学生主体の衛星開発プロジェクトが、デジタルものづくり教育の成果を宇宙で実証
オートデスク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中西智行、以下、オートデスク)は、日本大学理工学部 航空宇宙工学科 山﨑政彦准教授の研究グループが Autodesk Fusion®(以下、Fusion)を活用して設計・開発した超小型人工衛星「PRELUDE」が、打上げおよび軌道投入を経て、軌道上実証に向けた初期運用段階に進んだことをお知らせします。
現在は、衛星との通信確立を試みており、通信確立後の観測および軌道上実証の実施を目指しています。PRELUDE は、地震に先行して発生する可能性のある電離圏変動を観測し、その物理メカニズムの解明や将来的な確率的地震発生予測への応用可能性を探る 6U サイズの CubeSat(100 mm × 226.3 mm × 366.0 mm)です。
JAXA(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)の「革新的衛星技術実証 4 号機」の実証テーマとして選定され、2026 年 4 月 23 日に Rocket Lab 社の Electron で打ち上げられ、JAXA は搭載された全 8 機すべての CubeSat について、軌道投入が完了したことを発表しています。
日本大学理工学部では、本プロジェクトを学生主体の実践教育の場と位置付け、構想立案から設計、解析、試験、システム統合、運用準備まで、実際の宇宙機開発プロセスを学生自身が経験できる教育・研究活動として推進してきました。
本プロジェクトでは、Fusion を設計・開発の中核プラットフォームとして活用しています。設計、解析、クラウドでの設計データ共有などを一つの環境で実現し、学生、教員、共同研究機関がリアルタイムに連携しながら衛星開発を進めました。また、衛星搭載部品の設計ではジェネレーティブ デザインを活用し、複数の設計条件を満たす新たな部品形状の検討にも取り組みました。

さらに、日本大学理工学部では、Fusion を衛星開発だけでなく他学科にも展開しています。機械工学科では 1 年次から 3D CAD 教育を実施し、精密機械工学科では設計・解析・製造までを一貫して学ぶデジタルものづくり教育を実践しています。航空宇宙工学科では、小型衛星教育キット「HEPTA-SAT」の開発にも Fusion を活用し、国内外の教育機関や宇宙機関で活用される実践的な教育プログラムへと発展させています。
今回の成果は、Fusion が単なる設計ツールではなく、教育、研究、共同開発、さらには社会実装までを支えるデジタルプラットフォームとして活用されていることを示しています。教室で培ったアイデアを Fusion で形にし、その成果が実際に宇宙へ送り出され、軌道上での実証に挑んでいることは、オートデスクが掲げる「デザインと創造(Design & Make)」の理念を体現するとともに、デジタルものづくり教育が社会課題の解決や最先端の研究開発へとつながることを示す象徴的な成果となりました。

今回の成果について、日本大学とオートデスクは次のように述べています。
日本大学理工学部 航空宇宙工学科 准教授 山﨑 政彦 氏
「PRELUDE は、一つの人工衛星を開発するプロジェクトであると同時に、学生が本物の宇宙システム開発を経験する教育プロジェクトでもあります。
Fusion は、構想から設計、解析、試験、システム統合まで、開発全体を支える重要な基盤として活用してきました。学生たちは Fusion を使って設計を繰り返し、チームで議論しながら改善を重ねることで、実践的なエンジニアリングを学んでいます。
今回、学生たちが設計・開発に携わった PRELUDE が実際に宇宙へ送り出され、軌道上実証に向けて、衛星との通信確立を試みる初期運用段階に進んだことを大変うれしく思います。この成果は、学生、教職員、そして JAXA をはじめ多くの企業・研究機関との連携によって実現したものです。
一方で、今回の成果を到達点とするのではなく、これを新たな出発点として、学生が継続的に衛星開発に挑戦できる教育・研究環境をさらに発展させていきたいと考えています。 実際の宇宙機開発を継続的に行うことで、学生が設計、製造、試験、運用までを一貫して経験し、次の宇宙システムを自ら創り出す力を育てていくことが重要だと考えています。
今後も Fusion を活用しながら、宇宙開発を通じた教育と研究をさらに発展させ、新たな宇宙システムの創出と次世代人材の育成に取り組んでまいります。」
オートデスク株式会社 代表取締役社長 中西 智行
「日本大学理工学部の皆様、そして PRELUDE プロジェクトに携わられたすべての学生、教職員、関係者の皆様に、心よりお祝い申し上げます。学生の皆様が Fusion を活用して生み出した成果が実際の宇宙ミッションとして運用されていることを、大変うれしく思います。
Fusion は、設計、解析、製造、そしてチームによるコラボレーションを一つの環境で実現するクラウドベースのプラットフォームです。教室で生まれたアイデアが学生の手によって設計され、実際に宇宙で価値を生み出している今回の成果は、デジタルものづくり教育が社会実装へとつながることを示す象徴的な事例であると考えています。
オートデスクは今後も、日本大学をはじめとする教育・研究機関との連携を通じて、未来のエンジニアが挑戦し続けられる環境づくりを支援するとともに、次世代のイノベーション創出に貢献してまいります。」
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