IWIとPKSHA、カード発行会社間で不正データシェアリングを初実現する「FARIS 共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」を共同開発、カード業界全体へ展開
~巧妙化する不正手口に対し、不正検知システムのIWIとアルゴリズムのPKSHAがカード発行会社間での不正データシェアによる対策を実現し、業界全体の対策強化へ~
株式会社インテリジェント ウェイブ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:佐藤 邦光、以下:IWI)、株式会社PKSHA Technology(本社:東京都文京区、代表取締役:上野山 勝也、以下:PKSHA)は、カード不正データシェアリングにより不正を防止できる「FARIS 共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」を共同開発し、2023年6月の本番稼働に向け、順次カード業界全体へ展開していきます。
【FARIS 共同スコアリングサービス開発の背景】
クレジットカード不正利用による被害は年々増え続けており、日本クレジット協会によれば、不正利用額は2022年1〜6月の半年間で約206億円、過去最悪であった2021年の年間不正利用額は330億円と増加が続いています。(※1)昨今、そうしたカード不正に対して、各取引に点数を付与し、不審な取引を検知するスコアリングといった方式を採用するカード会社が増えています。
※1 参考:2022年3月、『クレジットカード不正利用被害の発生状況』:
https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/download/toukei_03_f_220331.pdf
従来、「不正である確率の高さ」のスコアリングをはじめとするカード不正利用対策はカード会社ごとに行われています。そのため、個社で検知した不正手口しか学習することができません。巧妙化する不正手口に対し、そうした各社の対策では限界があります。カードの不正利用という犯罪には、カード業界が一体となって対策をすることが不可欠です。
そうした背景から、IWIとPKSHAは、カード不正手口に関する企業様間でのデータシェアリングを実現し、不正を防止できる不正検知サービス「FARIS 共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」を共同で開発し、キャッシュレス社会におけるカード不正利用への対策をより一層強化していくことを決定しました。
【IWIとPKSHAのパートナーシップについて】
今回のサービス開発にあたって、豊富な不正検知システム導入実績とスコアモデルの共同化を可能にするサービス基盤(※2)を持つIWIと、クレジットカード発行業者(イシュア)向け不正検知スコアリングにおける国内トップシェアの実績を持つPKSHAが協業することで今回のパートナーシップが実現しました。
※2 SaaS型の不正検知システム「IFINDS」
【FARIS 共同スコアリングサービスの特長】各社の不正データシェアリングにより被害を30%削減
・各社間での不正データシェアリングによる被害の防止
これまで個社ごとに対応していた新しい不正手口のデータが導入企業様間で共有されることで、導入企業全体でより多くのカード不正利用の被害を防ぐことができます。
実際に複数のカード会社様で当サービスのPoCを行ったところ、既存の運用方式と比べ不正利用被害が平均30%程度削減されています。
・導入社数が増えていくことで、カード不正の検知精度が上がる
先述のとおり、共同スコアリングによって、他社で起こった不正も自社の対策強化のための情報として学習できるので、導入企業様が増えていくことで不正利用の検知精度が向上していきます。
・スコアリングシステムの分析担当者の負荷軽減
AIモデルを利用するスコアリングでは、精度や品質を保つためにAIの分析が必要です。当サービスでは、スコアリングの分析業務はIWIが行いますので、それらの分析にかかっていたご担当者の負荷を軽減することができます。
なお、本技術は、株式会社ジェーシービーとIWIが先日発表した「JCBとIWI、業界初となる横断的なクレジットカード不正利用対策に向けた協業へ」における、カード不正対策の共通基盤を支える技術として活用予定です。
こうした取組みから、IWIとPKSHAは国内の不正対策強化を促進していきます。
【共同開発にあたってのコメント】
今回の共同開発にあたり、両社は以下のようにコメントしています。
株式会社インテリジェント ウェイブ 代表取締役社長 佐藤 邦光
カードの不正利用を止めることは、単にビジネス活動のみならず、犯罪を止めるという社会に必要不可欠な活動でもあります。IWIでは、この重要な活動において、開発スタッフ一人ひとりが、生活者がより安全、より安心にキャッシュレス決済を行える社会を目指し、取組んでいます。
今回の取組みでは、不正検知システムにおける多くの導入実績を持つIWIと、リスク検知AIの領域における高度な技術を持つPKSHAが、協業を行い、不正被害への対策を加速させていきます。日本国内の企業同士が組む強みを生かした高い柔軟性、迅速性を持ったソリューションを開発予定です。
そして、今回開発するソリューションは日本国内だけでなく、世界の不正被害の防止に貢献できると期待しています。
株式会社PKSHA Technology 代表取締役 上野山 勝也
PKSHAは2012年の創業以来、自然言語処理、機械学習/深層学習技術に関わるアルゴリズムの研究開発を行い、現在ソフトウェアは2,345社で稼働をしています。その中でも重要な取り組みとして、2017年よりクレジットカードや保険金請求等、様々な領域の不正を検知する不正検知アルゴリズムソリューション「PKSHA Security」の研究開発を行って参りました。今回、不正検知システムにおいて多数の実績を持つIWIとの協業を通じ、より多くのカード事業者様へ高度な不正利用検知を提供できることは、PKSHAが不正被害撲滅に貢献できる大きな一歩であり、身が引き締まる思いです。
「人と共進化するソフトウェア」というビジョンの通り、利用企業間で情報を共有・活かし、不正検知レベルをより進化をさせ、安全な取引の実現へ尽力していきます。
【インテリジェント ウェイブ(IWI)について】
IWIは、24時間365日止まらない決済システムの提供者として、カード決済におけるネットワーク接続、認証システムや不正利用検知システムを開発し、お客様の信頼を得てきました。
「次代の情報化社会の安全性と利便性を創出する」を経営理念に、高速、安全、高品質で利便性の高いIT基盤を提供することにより、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。
https://www.iwi.co.jp/
会社名:株式会社インテリジェント ウェイブ
所在地:東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー
代表者:代表取締役社長 佐藤 邦光
【PKSHA Technology(PKSHA)について】
「未来のソフトウェアを形にする」をミッションに、企業と顧客の未来の関係性を創るべく自社開発した機械学習 /深層学習領域のアルゴリズムを用いたAIソリューションの開発・AI SaaSの提供を行っています。自然言語処理技術を用いた自動応答や、画像/動画認識、予測モデルなど多岐に渡る技術をベースにお客様の課題にあわせた解決策を提供するほか、共通課題を解決するAI SaaSの展開により、日本のDX推進を多面的に支援し、人とソフトウェアが共に進化する豊かな社会を目指します。
https://www.pkshatech.com/
会社名:株式会社PKSHA Technology
所在地:東京都文京区本郷 2-35-10 本郷瀬川ビル 4F
代表者:代表取締役 上野山 勝也
(記載の商品名、会社名は各社の商標または登録商標です。)
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