IACレース車両の適合性強化に向け、dSPACEがAWSとともにラスベガスのレースを仮想的に再現
パーダーボルン/ラスベガス:CES 2025で行われるIndy Autonomous Challenge(IAC)は、これまで以上に激しく難しい戦いになる見込みです。ラスベガスモータースピードウェイでは、2025年1月9日に、世界最速の自動運転レーシングカーが3台以上で競い合う形式であるマルチカーレースを初めて開催します。このレースに参加する10の大学チームは、レーシングカーの現実的な安全性や信頼性を保証するため、dSPACEのSIL(Software-in-the-Loop)環境をベースとした仮想環境を用いてレース用のAIドライバーの予選をおこないます。
シミュレーションおよび妥当性確認向けソリューションで世界をリードするプロバイダの1つであるdSPACEは、IACをSILテクノロジスポンサーとしてサポートしており、すべての参加チームに対して強力なシミュレーションソリューションであるSIMPHERAを提供しています。これは、シミュレーションモデル、テストオートメーション、テスト解析、およびHILシミュレータなど、さまざまなコンポーネントを組み込むことができる強力なフレームワークです。また、各大学チームはIACのエンジニアリングチームとの緊密な協力のもとで開発された仮想テスト環境であるdSPACE Cloud Racing Servicesを通じて、アクセスしたフレームワークを自由に設定することが可能です。このAWSクラウドベースのソリューションは、特に自動車アプリケーション向けに設計されており、柔軟なリソース配分とテストシナリオの同時実行が可能なため、各種のテストプロセスを大幅に迅速化できます。IACでは、各チームが開発やディプロイメントを協調して行うために、GitHubベースの公開プロジェクトを、継続的インテグレーション/継続的ディプロイメント(CI/CD)ワークフローの一部として使用しています。
これまで、IACのイベントでは2台の車両のみが対戦するレースが米国や欧州の有名なレーストラックで開催されてきましたが、車両を増やしたマルチカーレースでは、はるかに複雑かつ要求の厳しい環境への対応がAIドライバーソフトウェアに求められます。dSPACEの自動運転およびソフトウェアソリューション担当シニアマネージャであるRaimund Sprickは、「私たちの目標は、シミュレーション環境から現実世界に至るまでのさまざまな状況に最大限に対応できる妥当性確認手法を実現し、ますます複雑化する多様なシナリオでも適切にAIドライバーソフトウェアをテストできるようにすることです。このようなタスクには、自動運転機能のシミュレーションや検証に対応した高度にスケーラブルなウェブベースソリューションであるSIMPHERAが最適です」と述べています。
IACの理事長兼代表であるPaul Mitchell氏は、「各チームがマルチカーレース向けにAIドライバーの潜在能力を大幅に高めるトレーニングを行ううえで重要なのは、シミュレーションと現実とのギャップを埋めることです」とし、「dSPACEと共同開発したクラウドサービスは新しい強力なツールです。そこで仮想レースを行うことにより、AIで得られたソリューションをシミュレーション環境から現実のレーストラックへとすばやく移行することができます」と述べています。dSPACEは2022年から車載コンピュータテクノロジスポンサーとしてIACをサポートしており、すべての車両にAUTERA AutoBoxを提供しています。この堅牢かつ強力なセントラルコンピュータは、LiDARおよびレーダーセンサ、カメラ、車両ネットワークから得られるデータの処理を行います。dSPACEは2024年初頭にパートナーシップを拡大し、IACの公式なSILテクノロジスポンサーになりました。
バージニア大学のCavalier自動運転レーシングチームの代表であるMadhur Behl教授は、「ラスベガスで開催されるCES 2025のIACレースに向け、私たちはdSPACEと協力して準備を行っています。その際、dSPACE SIMPHERAを大いに活用することで、クラウドベースの大規模マルチエージェントシミュレーションを実行し、高速での追い越し運転に必要なモーションプランニングや制御アルゴリズムをリファインさせています。また、SIMPHERAの利用により、以前のシミュレータセットアップと比べて、スタックを効率的にテストおよび調整する能力が飛躍的に高まっています。そのため、ラスベガスでの実走のはるか以前にセーフティクリティカルなバグを特定して解決し、より速い速度やより多くの追い越し回数で限界に挑めるようになっています。シミュレータの精度はここ数か月で向上し続けており、現実世界に近づいています。これにより、プラクティスの時間を最大限に確保して実車に自動運転レーシングスタックを効率的に実装し、当日の参戦時には完全に準備が整った車両を持ち込むことができます」と述べています。
1月9日にラスベガスモータースピードウェイで開催されるAutonomous Challenge @ CES 2025では、10の大学チームが世界最速の完全自動運転レーシングカーで競い合います。CESの来場者はラスベガスモータースピードウェイでレースを生で体験することができます。また、ラスベガスコンベンションセンターのWest Hallの入口エリアでは、IACレーシングカーも展示されます。さらに、CES 2025のAWSシアターでは、1月8日(水)午後5時30分からdSPACEの自動運転およびソフトウェアソリューション担当シニアマネージャであるRaimund Sprickが「Indy Autonomous Challenge:クラウド上でのレース」の講演を行います。
dSPACE Japan株式会社
dSPACEは、コネクテッドカー、自動運転車両および電気自動車を開発するうえで必要なシミュレーションおよび妥当性確認ソリューションを提供する国際的企業です。自動車メーカーやサプライヤのお客様は、当社のエンドトゥエンドのソリューションを利用し、実車での試験前にソフトウェアやハードウェアの各種コンポーネントをテストしています。また、自動車産業だけでなく、航空宇宙や産業オートメーション、およびその他の産業分野でもdSPACEは開発パートナーとして選ばれ、当社の知識と経験はさまざまな現場に活かされています。当社の製品ポートフォリオは、シミュレーションや妥当性確認向けのエンドトゥエンドのソリューションからエンジニアリング、コンサルティングサービス、トレーニングやサポートまで幅広くカバーしています。dSPACEは、ドイツのパーダーボルンにある本社と、ドイツ国内の3つのプロジェクトセンター、米国、イギリス、フランス、クロアチア、日本、中国、韓国、インドおよびスウェーデンにある子会社を含め、世界中で2,700名を超える従業員が製品・サービスを提供しています。
詳細についてはwww.dspace.comを参照してください。
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