Classiq、量子アプリケーションと誤り耐性量子ハードウェアをつなぐ「Fault Tolerance Engine(フォールトトレランスエンジン)」を発表

新機能により、Classiqのモデルファースト型開発プラットフォームを、論理量子プログラムの設計から、誤り耐性量子コンピューターでの実行に必要な物理リソース、信頼性、実行計画まで拡張

Classiq Technologies Ltd.

イスラエル・テルアビブ、2026年9月30日(GLOBE NEWSWIRE) —  Classiqは、最適化された論理量子プログラムをFault-Tolerant(以下、誤り耐性)量子コンピュータのための量子計算の実行計画へと変換し、実機上でアプリケーションを実行するために必要となる物理的リソースと信頼性を算出する新機能「Fault Tolerance Engine(以下、フォールトトレランスエンジン)」を発表しました。

誤り耐性量子コンピューティングでは、ソフトウェアにこれまでとは根本的に異なる課題が生じます。論理量子演算をそのままハードウェアに渡して実行することはできません。多数の物理量子ビットにまたがって論理量子ビットを実装し、量子誤り訂正を繰り返し行いながら演算を保護するとともに、レイアウト、ルーティング、実行スケジュール、古典系からのフィードバック、専用リソースなどを連携させる必要がある場合があります。

Classiqのフォールトトレランスエンジンは、論理量子プログラムを誤り耐性量子コンピューターに向けた具体的な実装へと変換する役割を担います。Classiqの高水準モデリングおよびSynthesis環境で構築された論理量子プログラムをもとに、誤り訂正によって保護された量子ビットの配置、それらの相互作用のルーティング、さらに実行スケジュールまでを具体化します。

フォールトトレランスエンジンは、対象アーキテクチャを考慮した実行計画を生成するとともに、必要な物理量子ビット数、誤り訂正サイクル、符号距離、実行時間、ルーティング、実行スケジュール、累積エラーなどを含むリソース要件を見積もることができます。また、Tゲートや、その実装に一般的に必要となる魔法状態のためのリソースなど、特にコストの高い演算も考慮します。これらの数値は、数式による推定ではなく、エンジンが実際に生成した実行計画に基づいて算出されるため、実機上で実行される具体的な実装内容を反映しています。

これによりユーザーは、アルゴリズムが論理的に正しいか、量子回路を最適化できるかという検討にとどまらず、対象となるアプリケーションが特定の量子コンピューター上で物理的に実装可能かどうかまで評価できるようになります。具体的には、対象の量子コンピューターで実測されたノイズ特性に基づき、どのリソースがコストの主な要因となるのか、またアプリケーションを実用的なものにするために何を改善する必要があるのか等を検証できます。

Classiqの共同創業者兼CEOであるNir Minerbiは、次のように述べています。

「誤り耐性の導入によって、量子ソフトウェアが答えるべき問いそのものが変わります。効率的な論理量子回路を作るだけでは、もはや十分ではありません。すべての論理演算を保護し、ルーティングし、実行スケジュールを組み、物理ハードウェア上で実装したときに、そのプログラムがどのような形になるのかを理解する必要があります。フォールトトレランスエンジンは、Classiqのアプローチをこうした物理実装の領域まで拡張するものです。これによりユーザーは、構築したいアプリケーションを起点に、それを高い信頼性で実装するために何が必要なのかを把握するところまで、一貫して取り組むことができます。」

物理実装コストが増大する前に最適化

Classiqのモデルファースト型アプローチは、誤り耐性量子コンピューティングにおいて特に重要です。最も効率的な論理回路が、必ずしも誤り耐性実装において最も効率的とは限らないためです。

物理実装に必要なコストは、Tゲートの要件、ルーティング、並列性、符号距離、さらに計算を支えるために必要な誤り耐性インフラの規模など、さまざまな要素によって左右されます。そのため、論理レベルではほぼ同じように見える選択肢であっても、誤り訂正で保護された物理アーキテクチャにマッピングすると、必要なリソースが大きく異なる可能性があります。

Classiqでは、より上流の開発段階からこの課題に取り組みます。ユーザーは、Classiqの高水準モデリング言語「Qmod」を使用してアルゴリズムの意図を記述し、Synthesisエンジンが関連する制約条件に基づいて、最適化された論理実装を決定します。フォールトトレランスエンジンは、このワークフローをさらに拡張し、論理プログラムを誤り耐性量子計算の実行要件へと変換します。

フォールトトレランスエンジンのルーティング機能では、保護された量子ビットをどのように配置し、それらの相互作用をどのような経路で実行するかを最適化することで、実装に必要な物理量子ビット数を可能な限り抑えます。物理量子ビットは通常、誤り耐性量子計算における最大のコスト要因となります。

このアーキテクチャにより、大規模な物理量子ビットや誤り訂正サイクルへの展開によってコストが膨れ上がる前に、最適な実装方法を評価できるようになります。

これにより、Classiqユーザーの開発ワークフローは、量子アルゴリズムの設計・最適化に加え、その物理的な実装可能性を検討するところまで広がります。ワークロードに必要なリソースを抑え、その要件を現実的に見積もることで、有用な誤り耐性量子計算を初めて実行できる時期を、ロードマップ上で前倒しすることにつながります。

リソース見積もりから実装可能性の評価へ

フォールトトレランスエンジンのメリットは、単なるリソース見積もりにとどまりません。誤り耐性量子計算に必要な要件を分析すると同時に、対象となる量子ハードウェアのアーキテクチャを考慮した、具体的な実行計画を生成します。

誤り耐性量子計算では、空間と時間の両面を考慮する必要があります。誤り訂正で保護された論理量子ビットを適切に配置し、それらの相互作用をルーティングするとともに、誤り訂正処理を継続的に実行する必要があります。また、コストの高い補助リソースを必要なタイミングで利用できるようにし、計算全体として目標とする信頼性水準を満たす必要があります。

これらの要素を統合的に扱うことで、フォールトトレランスエンジンは、ユーザーが以下のような問いを検証することを可能にします。

  • アプリケーションには、どの程度の物理量子ビットが必要となるのか。

  • どの程度の誤り訂正サイクルが必要となるのか。

  • 誤り耐性量子計算を実行するために、どの程度の時間が必要となるのか。

  • 主なボトルネックとなる演算やリソースは何か。

  • レイアウト、ルーティング、実行スケジュールは、パフォーマンスにどのような影響を与えるのか。

  • 目標とする失敗確率を達成するために、どの程度の保護が必要となるのか。

  • ワークロードを実用的なものにするためには、ハードウェアまたはソフトウェアのどの要素を改善する必要があるのか。

これらの機能は、将来の量子ワークロードを評価するアプリケーション開発者、量子活用計画を策定する企業、アルゴリズムやアーキテクチャを比較する研究機関にとって有用です。また、ハードウェア開発チームにとっても同様に重要です。特定の量子コンピューターに対応した完全な誤り耐性量子計算の実行計画があれば、ソフトウェアベンダーとハードウェア開発企業は、共同ロードマップを策定する際に、共通の具体的な基準として活用できます。

Minerbiは次のように述べています。

「誤り耐性量子コンピューティングでは、ソフトウェアスタックの重要性は低下するどころか、むしろ高まります。量子誤り訂正が導入されると、アルゴリズムとその物理実装との間の隔たりは、さらに大きくなります。私たちの目標は、意味のあるアプリケーションを実際に設計できる高い抽象度で開発を続けながら、ユーザーがその隔たりを一貫して検討できる手段を提供することです。」

フォールトトレランスエンジンは、誤り耐性量子コンピューティング向けに別の開発環境を構築するのではなく、Classiqの既存アーキテクチャを拡張するものです。Classiqプラットフォームはすでに、アプリケーションの意図と実装の詳細を分離する設計を採用しており、Synthesis技術によって複数の実装方法を探索しながら、ハードウェアやリソースの制約条件に基づいて量子プログラムを最適化することができます。

このアプローチを誤り耐性量子計算のコンパイルと実行計画にまで拡張することで、Classiqは量子ハードウェア上で実行可能な量子回路の設計から、誤り耐性の実装、さらにそれに必要となるリソースと信頼性の把握まで、プラットフォームの対応範囲を拡大しています。

詳細については、以下をご覧ください。

*本件は、2026年9月30日にイスラエル・テルアビブにて発表されたプレスリリースの抄訳です。英語原文はこちらをご覧ください。


Classiqについて

Classiqは、企業や研究者による量子コンピューティングの活用を支援する、業界をリードする量子コンピューティングソフトウェア企業です。Classiqプラットフォームは、高レベルの機能モデルから、ハードウェア上で実行可能な最適化された量子回路を自動生成します。これにより、量子ハードウェアに関する高度な専門知識がなくても、アルゴリズムを迅速に開発し、コストとパフォーマンスを最適化しながら、量子アプリケーションの開発を進めることができます。

大手ハイパースケーラーやハードウェアプロバイダーをはじめとする、量子クラウドコンピューティング分野の世界的リーダーとのパートナーシップを通じて、Classiqは「一度設計すれば、さまざまな環境にデプロイできる」開発環境を提供しています。また、Classiqの合成技術とメモリ最適化ツールにより、スケーラブルで効率的な量子コードを生成し、研究開発の加速と実行コストの削減を支援します。

Fast Companyの「Next Big Thing in Tech 2025」を受賞したClassiqは、世界をリードする投資家から支援を受けています。量子ソフトウェア分野をリードする企業として、量子コンピューティングの実用化に向けたアプリケーション開発を推進しています。詳細については、LinkedIn、X、YouTubeでClassiqをフォローいただくほか、Slackコミュニティ、GitHubリポジトリ、または www.ja.classiq.io をご覧ください。

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業種
情報通信
本社所在地
Daniel Frisch St 3, Tel Aviv-Yafo, Israel
電話番号
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代表者名
NIR MINERBI
上場
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資本金
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設立
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