中国におけるリチウムイオン電池用電解質リチウム塩製造会社への出資について
株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:野田和宏、以下「日本触媒」)は、リチウムイオン電池(以下、LIB)の最大市場である中国において、当社が世界で初めて商品化した高性能電解質としてのリチウム塩;LiFSI (リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、商品名:イオネル®)の事業拡大に向け、今般LiFSI事業へ進出すべく製造設備立ち上げを進めている深圳新宙邦科技股份有限公司(英名:Shenzhen CAPCHEM Technology Co. Ltd. 本社:深圳市坪山区、董事長:覃九三、以下「Capchem」)の子会社である湖南福邦新材料有限公司(以下「湖南福邦」)へ資本参画することに合意しましたので、下記の通りお知らせいたします。
1. 本協業の経緯
近年、環境問題への意識の高まりから、省エネ・低公害の次世代自動車の代表的存在である電気自動車(EV)に対する需要は高く、EV向けLIB市場は急激に拡大しています。LiFSI をEV 向けLIBの電解質に使用することで、低温から高温まで広い温度範囲で、電池のサイクル特性、レート特性、保存安定性の向上に著しい効果を発揮することから、電解質として添加剤用に限らず主剤として採用され、LiFSIの需要がアジア・欧州を中心に急拡大しており、世界最大の車載用LIB市場である中国における早期の展開が当社イオネル事業飛躍の鍵となっていました。
2. 本協業の目的
上記状況の中、当社は、LIB最大需要地である中国において、大口顧客の獲得とコスト競争力を持つ製販体制を早期に確立するため、大手電解液メーカーであるCapchem並びにトヨタグループの総合商社である豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区、社長:貸谷伊知郎、以下「豊田通商」、出資は豊田通商(上海)有限公司「以下:豊通上海」より実施)と協業を行うことに致しました。これにより、当社の最先端のLiFSI 生産技術・品質管理能力・知的財産権とコスト競争力ある湖南福邦の立地・原料調達力・生産体制・既存技術、Capchemのトップレベルの電解液供給能力に基づくLiFSI購買力、および豊田通商の中国を含むワールドワイド販売網とを組み合わせ、電解質市場におけるイオネル事業成長の急加速を図ります。
LiFSIは高純度化が困難な物質であり、その生産や品質管理には高度なノウハウが必要とされますが、日本触媒はこれまで培ってきた独自の生産技術力を活かし、2013年に世界で初めて高純度で残存溶媒や副生物が少なく、安定した電気化学特性を示すLiFSIの工業的生産プロセスの開発に成功しました。これまでに国内外で多くのリチウムイオン電池電解質として採用・認証実績があり、その用途は車載を中心に民生、定置など多岐に及びます。
(LiFSIの詳細は日本触媒 ホームページ:
https://www.shokubai.co.jp/ja/products/detail/lifsi.htmlを参照)
Capchemは中国5拠点でLIB用電解液を製造しており、LIBトップメーカー各社への製品供給実績を有している世界第2位のリチウムイオン電池用電解液メーカーです。また、同社は、電解液製造だけでなく、原料である溶媒、電解質、添加剤の自製化により、価格競争力のある高品質な電解液事業を展開しています。
豊田通商は、急増する電解液並びに電解質市場に応えるため、中国だけでなく、日本、アジア、欧州の電解液メーカーへグローバルにLiFSIの販売を進めていく予定です。
湖南福邦は、2022年下期に入り1号機(生産能力1,200t/年)の生産を開始しました。今後、急拡大する市場の需要増に応えるため段階的に増強を図り、2025年に1万2千t/年の生産能力保有を目指す計画です。
3. 資本参画の概要
日本触媒、および豊通上海は下記会社に資本参画を行います。
(1)社名
湖南福邦新材料有限公司 “Hunan Fluopont New Materials Co., Ltd.”
(2)所在地
中華人民共和国湖南省衡陽市(石鼓区)
(3)出資金(第三者割当増資)
日本触媒:201,769,912人民元(40.4億円)
豊通上海:29,203,539人民元(5.8億円)
<20円/人民元前提>
(4)株主
Capchem;51.19%、
日本触媒;38.0%、
豊通上海;5.5%
長沙鑫聯華源新能源合伙企業(湖南福邦幹部社員による持株会);5.31%
(5)代表者
周艾平
(6)事業内容
リチウムイオン電池用電解質LiFSIの製造・販売
(7)生産能力
現状 2022年下期 :1,200t/年、
将来 2025年 :1万2千t/年
関連情報
豊通上海 概要
以上
日本触媒について:
1941年の創業以来、自社開発の触媒技術を核に事業を拡大。酸化エチレンやアクリル酸などを世の中に送り出し、紙おむつに使われる高吸水性樹脂では世界1位の生産能力を有しております(当社調べ)。現在は、ソリューションビジネスに注力しており、本アナウンスのイオネル(LiFSI)はその中核を担うべく、事業拡大を加速させています。日本触媒は「テクノロジー(技術)」を通じて「アメニティ(豊かさ)」を提供する、という企業理念「TechnoAmenity」のもと、グローバルに活動する化学会社です。
https://www.shokubai.co.jp
近年、環境問題への意識の高まりから、省エネ・低公害の次世代自動車の代表的存在である電気自動車(EV)に対する需要は高く、EV向けLIB市場は急激に拡大しています。LiFSI をEV 向けLIBの電解質に使用することで、低温から高温まで広い温度範囲で、電池のサイクル特性、レート特性、保存安定性の向上に著しい効果を発揮することから、電解質として添加剤用に限らず主剤として採用され、LiFSIの需要がアジア・欧州を中心に急拡大しており、世界最大の車載用LIB市場である中国における早期の展開が当社イオネル事業飛躍の鍵となっていました。
2. 本協業の目的
上記状況の中、当社は、LIB最大需要地である中国において、大口顧客の獲得とコスト競争力を持つ製販体制を早期に確立するため、大手電解液メーカーであるCapchem並びにトヨタグループの総合商社である豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区、社長:貸谷伊知郎、以下「豊田通商」、出資は豊田通商(上海)有限公司「以下:豊通上海」より実施)と協業を行うことに致しました。これにより、当社の最先端のLiFSI 生産技術・品質管理能力・知的財産権とコスト競争力ある湖南福邦の立地・原料調達力・生産体制・既存技術、Capchemのトップレベルの電解液供給能力に基づくLiFSI購買力、および豊田通商の中国を含むワールドワイド販売網とを組み合わせ、電解質市場におけるイオネル事業成長の急加速を図ります。
LiFSIは高純度化が困難な物質であり、その生産や品質管理には高度なノウハウが必要とされますが、日本触媒はこれまで培ってきた独自の生産技術力を活かし、2013年に世界で初めて高純度で残存溶媒や副生物が少なく、安定した電気化学特性を示すLiFSIの工業的生産プロセスの開発に成功しました。これまでに国内外で多くのリチウムイオン電池電解質として採用・認証実績があり、その用途は車載を中心に民生、定置など多岐に及びます。
(LiFSIの詳細は日本触媒 ホームページ:
https://www.shokubai.co.jp/ja/products/detail/lifsi.htmlを参照)
Capchemは中国5拠点でLIB用電解液を製造しており、LIBトップメーカー各社への製品供給実績を有している世界第2位のリチウムイオン電池用電解液メーカーです。また、同社は、電解液製造だけでなく、原料である溶媒、電解質、添加剤の自製化により、価格競争力のある高品質な電解液事業を展開しています。
豊田通商は、急増する電解液並びに電解質市場に応えるため、中国だけでなく、日本、アジア、欧州の電解液メーカーへグローバルにLiFSIの販売を進めていく予定です。
湖南福邦は、2022年下期に入り1号機(生産能力1,200t/年)の生産を開始しました。今後、急拡大する市場の需要増に応えるため段階的に増強を図り、2025年に1万2千t/年の生産能力保有を目指す計画です。
3. 資本参画の概要
日本触媒、および豊通上海は下記会社に資本参画を行います。
(1)社名
湖南福邦新材料有限公司 “Hunan Fluopont New Materials Co., Ltd.”
(2)所在地
中華人民共和国湖南省衡陽市(石鼓区)
(3)出資金(第三者割当増資)
日本触媒:201,769,912人民元(40.4億円)
豊通上海:29,203,539人民元(5.8億円)
<20円/人民元前提>
(4)株主
Capchem;51.19%、
日本触媒;38.0%、
豊通上海;5.5%
長沙鑫聯華源新能源合伙企業(湖南福邦幹部社員による持株会);5.31%
(5)代表者
周艾平
(6)事業内容
リチウムイオン電池用電解質LiFSIの製造・販売
(7)生産能力
現状 2022年下期 :1,200t/年、
将来 2025年 :1万2千t/年
関連情報
Capchem 概要
会社名 | 深圳新宙邦科技股份有限公司 (Shenzhen CAPCHEM Technology Co. Ltd.) |
所在地 |
中華人民共和国広東省深圳市坪山区 |
設立 | 1996年 |
資本金 | 4.1億元(82億円)(2021年末) |
総資産 |
2,233億円(2021年末) |
売上 | 1,390億円(2021年度) |
営業利益 | 308億円(2021年度) |
事業概要 | リチウムイオン電池化学品、有機フッ素化学品、キャパシタ用化学品及び半導体用化学品(その中リチウムイオン電池電解液に関して中国に5工場で量産中、他に中国およびポーランドで複数工場を建設中) |
ホームページ | https://en.capchem.com/ |
会社名 | 豊田通商株式会社 (Toyota Tsusho Corporation) |
所在地 | 愛知県名古屋市中村区名駅四丁目9番8号 |
設立 | 1948年 |
資本金 | 649億円(2022年3月末) |
総資産 | 6兆1,431億円(2022年3月末) |
売上 | 8兆280億円(2021年度) |
営業利益 | 2,941億円(2021年度) |
事業概要 | トヨタグループの総合商社として、完成車輸出や自動車生産支援を軸に事業を拡大。7つの営業本部(金属、グローバル部品・ロジスティクス、自動車、機械・エネルギー・プラントプロジェクト、化学品・エレクトロニクス、食料・生活産業、アフリカ)を有し、未来における利便性の高い社会(Mobility事業)、持続可能な社会(Resources & Environment事業)、快適ですこやかな社会(Life & Community事業)の3つの事業領域において豊かな社会づくりに貢献すべく世界約130カ国で、グループ社員約65,000名が事業に従事。 |
ホームページ | https://www.toyota-tsusho.com/ |
豊通上海 概要
会社名 | 豊田通商(上海)有限公司 (TOYOTA TSUSHO (SHANGHAI) CO.,LTD.) |
所在地 | 中華人民共和国上海市静安区南京西路1717号 |
設立 | 1995年 |
資本金 | 3,318万元(6.6億円)(2022年3月末) |
事業概要 | 金属部門、グローバル部門・ロジスティクス部門、化学品・エレクトロニクス部門、機械・エネルギープラントプロジェクト部門、食料・生活産業部門、東アジアネクストモビリティ推進プロジェクト部門などがあり、幅広い事業領域にて主に貿易業務に従事。 |
以上
日本触媒について:
1941年の創業以来、自社開発の触媒技術を核に事業を拡大。酸化エチレンやアクリル酸などを世の中に送り出し、紙おむつに使われる高吸水性樹脂では世界1位の生産能力を有しております(当社調べ)。現在は、ソリューションビジネスに注力しており、本アナウンスのイオネル(LiFSI)はその中核を担うべく、事業拡大を加速させています。日本触媒は「テクノロジー(技術)」を通じて「アメニティ(豊かさ)」を提供する、という企業理念「TechnoAmenity」のもと、グローバルに活動する化学会社です。
https://www.shokubai.co.jp
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