令和5年度秋の「黄綬褒章」を受章
卓越した板金溶接組立技能と品質・生産性を両立する組立手順の確立、後進の育成に貢献
緒方 寛一
黄綬褒章は、農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する個人に対して与えられる褒章です。
緒方は、系統変電システム機器の一部である開閉機器や、鉄道車両用電機品である推進制御装置の製造に関わる卓越した板金・溶接組立技能と、板金部品の組立精度品質と生産性の両立を実現する手順の確立、長年にわたる業務精励、後進への技能伝承などの功績が高く評価されました。
■受章者
黄綬褒章
三菱電機株式会社 伊丹製作所
工作部 制御機器工作課部品係 主任技員 緒方 寛一(61歳)
■受章の経緯
系統変電システム機器の一部である開閉機器や鉄道車両用電機品の推進制御装置では、高い信頼性、耐久性が必要であり、その板金・溶接組立には高い効率性と安定した作業が求められます。
当社の緒方 寛一は、長年にわたり開閉機器の板金・溶接組立作業や部品加工に従事し、技能の研鑽に精励することで、当社製品の生産性と品質の向上に努めてきました。また、鉄道車両用電機品である推進装置の気密容器ユニット製作では、自らの幅広い板金・溶接組立技能と知見を作業方法策定や加工条件設定に活用することで、多くの考案と改善を行い、品質と生産性を両立する組立手法・手順の確立を実現しました。この他、技能五輪全国大会(※)構造物鉄工職種での1983年度の優勝経験を活かして社内の技能競技会で指導者を努めるなど、長年にわたって後継技能者への指導・育成にも尽力し、熱意溢れる行動力と卓越した指導力で大きな成果を挙げました。
これらの功績が顕著で人々の模範たりうると評価され、令和5年度秋の黄綬褒章を受章する運びとなりました。
■受章者の略歴
1962年生まれ 熊本県出身
1978年 三菱電機株式会社 伊丹製作所に入社、部品製造部板金課に配属
2000年 系統変電システム製作所において開閉機器の板金・溶接組立作業に従事
2011年 伊丹製作所 指導作業者兼テクノリーダー
2020年 伊丹製作所 工作部制御機器工作課 主任技員
鉄道車両用推進制御装置における検査業務、後継技能者への検査方法と溶接技
能の指導に従事
現在に至る(兵庫県伊丹市在住)
※ 中央職業能力開発協会が、国内の青年技能者(原則23歳以下)を対象に、技能競技を通じ、青年技能者に努力目標を与えるとともに、技能に身近に触れる機会を提供するなど、広く国民一般に対して技能の重要性や必要性をアピールし、技能尊重機運の醸成に資することを目的として実施する大会
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