AIで価値を創出する企業は約半数に~BCG調査
企業は2030年までに人員10~15%減を見込む、影響は中間層に集中

経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、企業のAI導入とその効果について1,330人の経営層およびシニアリーダーを対象に調査したグローバルレポート「Applied AI Index 2026」(以下、レポート)を発表しました。今回のレポートでは、企業のAI活用が実験段階から価値創出の段階へと移行しつつあることが明らかになりました。
AIで価値を創出する企業は約半数に、AI活用の成熟度が向上
レポートでは、人材やオペレーティングモデル、テクノロジー・データ基盤といった、AIに関する基礎能力を示す41の指標から、企業のAI活用成熟度を「停滞」「発展途上」「拡大」「先進」の4段階に分類しています。昨年と比較すると、AIの取り組みをほとんど行えていない「停滞」段階の企業が14%から4.5%へと大幅に減少しました。一方、AI活用を価値につなげつつある「拡大」段階の企業が35%から41%へ、継続的に大きな財務的価値を創出する「先進」段階は5%から7.5%へと増加しており、AI活用の成熟度は全体的に向上しました。「拡大」と「先進」を合わせた約半数の企業(以下、リーダー企業)が、すでにAIから価値を生み出しています(図表)。
「先進」企業は、「後進(停滞および発展途上)」企業と比較して、売上高成長率は2.4倍、3年間のTSR1は2.3倍、EBITDA2成長率は2.8倍と、持続的な価値と競争優位性を創出しています。

AIエージェントへの意思決定権限の付与が進む一方、必要な統制を整備できている企業は5%
調査では、42%の企業が、2030年までにAIエージェントに対し、人間の承認なしでの意思決定を含む実質的な自律性を持たせると回答しています。一方、AIエージェントに必要な統制をすべて整備している企業は、わずか5%にとどまりました。レポートでは、AIエージェントの安全な活用に向けて、①AIが蓄積・活用する情報と文脈情報の管理、②権限範囲の設定と人による監督、③評価とロールバックの仕組みの構築、④ツールとAPI連携の標準化、⑤部門横断での責任の所在の明確化、⑥セキュリティ・監査・コストに関するガードレールの導入という6つの統制が必要だと指摘しています。また、AIが創出する価値全体に占めるAIエージェントの割合は、2026年の22%から2030年には39%へ拡大すると予想されています。
AIは仕事を再形成、中間管理職への影響が顕著に
企業は、AIの活用によって2030年までに全体で約10~15%の人員減少を見込んでいます。その影響は主に中間管理職や現場のリーダー層に集中し、約半数の企業がこれらの層の10%以上の人員減少を予想しています。一方、シニア層や事業部門・機能部門のリーダーについて、10%以上の縮小を予想する企業は約4分の1にとどまりました。
また、89%の企業がAIによって新たな仕事が生まれると予想しており、AIは主に既存の仕事を代替すると予想する企業は11%でした。
AI活用で先行するリーダー企業は、単純に人員を削減するのではなく、役割自体を再形成しており、すでに7割が社員のリスキリングを行っています。調査対象企業全体で、AI専任職に就く従業員の割合は2026年の7%から2030年には22%へと約3倍に増加する見込みです。
レポートの共著者で、BCGのグローバルAIリーダーであるニコラ・デ・ベルフォンズは、次のようにコメントしています。「AIは成果を生み出していないという見方がありますが、実態はより複雑です。すでに約半数の企業がAIから実際に価値を創出している一方、多くの企業は依然として投資を成果につなげることに苦戦しています。いま取り組むべき課題は、AIによる価値を事業全体に広げること、そして導入するAIのガバナンスを確立することです」
[注1] 株主総利回り
[注2] 利払い・税引き・償却前利益
■ 調査レポート
■ 日本における担当者
中川 正洋 マネージング・ディレクター & パートナー
日本における生成AIトピックのリーダー。BCG X、BCGパブリックセクターグループ、およびテクノロジー&デジタルアドバンテッジグループのコアメンバー。
早稲田大学理工学部卒業。早稲田大学大学院理工学研究科修了。グローバルコンサルティングファームなどを経て現在に至る。
■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について
BCGは、世界をリードする企業や組織と協働し、その高い志を確かな成果につないでいます。かつてないほど変化が激しい時代において、60年以上培ってきた専門知識に基づく明確な戦略と、実務に精通したプロフェッショナルによるAI活用の知見を組み合わせ、クライアントを支援します。BCGは、さまざまな業界・地域の経営トップとともに組織全体にわたるインパクトの実現に取り組み、より大きな価値の創出と組織能力の向上を支え、変革を後押しします。
日本においては、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。
https://www.bcg.com/ja-jp/
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 谷口・中林・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
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