<Press Alert>IoT メッセージングイノベーションがコネクテッドカーにもたらす 4 つの革新的な変化とは

自動車メーカーはコネクテッドカーメッセージングのスピード、量、帯域幅で課題を抱えています。より高品質で安全なドライビング体験を提供するために、MQTT メッセージングプロトコルとエッジコンピューティングにおけるイノベーションを活用できます。
※本リリースは2019年5月23日(現地時間)にIoT For Allに公開されたMark Ingermanによる寄稿の翻訳版です。

コネクテッドカーには、これまで以上に大量のデータを伝送する能力があります。エンジンパフォーマンスからナビゲーションに至るまで、今や自動車データは新たな方法で収集、分析され、それに基づいた対応に使われることで、メーカーと車のオーナーの関係強化に役立っています。例えば、エンターテインメントシステムのアップデートをする際、オーナーはサービスステーションへ行く必要はなく、アップデートが必要なモデル一台一台に、メーカー側から Over-the-air(無線配信、OTA)で自動的にアップデートをプッシュ配信することができます。

しかし、来年までに 2 億 5,000 万台以上もの自動車が路上を走行すると予想される中、自動車メーカーはすでに、現在取り扱っているデータ量の送信・処理だけでなく、アップデート配信や車両通信などのアプローチにも重圧を感じ始めています。そうした中、MQTT をはじめとする軽量な IoT メッセージングプロトコルは、データ量を制限したり、必要な時だけ接続・切断したいというようなセルラーネットワーク経由のコネクテッドカーに最適です。本稿では、モノのインターネット/IoTを介したメッセージングが、コネクテッドカーを変え得る 4 つの手段を探ります。

自動車のメンテナンスとモニタリング
メッセージングは自動車からメーカーに診断結果や故障に関する情報を送信する時に便利な仕組みです。メッセージングは、メンテナンスの警告灯とは異なり、メッセージがメーカーに直接送信されるので、メーカー側から所有者に必要な修理内容や整備予約の空き状況について連絡することができます。整備にかかる時間を効率的に短縮できる(例:オーナーが問題に気付いてから、車を整備工場に修理に出すまでの時間を短縮する)だけでなく、そのドライバー自身と他のドライバーが安全に運転できるようにサポートすることもできます。IoT メッセージングには、走行中の安全性を脅かす欠陥に発展する前に自動車の問題点を洗い出す能力があります。

大きな修理を回避できる予測分析
修理が必要なときにメーカーへの通知を自動車にさせることと、いつ修理が必要になるかをメーカーが予測できるかどうかということは別次元の話です。
下のグラフを見てください。モニタリング対象車の油圧は、常に適正範囲内にあります。しかし簡単な傾向分析を行えば、現在は適正範囲内にありながらも、もうすぐ最低基準値を下回りそうなことがわかります。診断情報を分析することで、オーナーは問題が迫っていることを知り、オイルポンプの故障やそれよりはるかに高額なエンジン修理のリスクが発生する前に自動車を整備してもらうことができます。

画像の著作権:Mark Ingerman

分析によって可能になるのは、故障を予測することと、高額な修理費を低減することだけではありません。関連付けられたデータは故障の根本原因を突き止めるのにも役立ちます。先の例では、あるベンダーの特定の生産工程で製造されたオイルポンプに問題がありました。こうした分析は賠償請求で証拠として使うことができるだけでなく、深刻な故障が発生する前にリコール規模を把握するのにも役立ちます。

リコールの最適化
リコールが確定し、問題範囲が把握されたら、今度は同じ予測分析を修理の優先順位付けに使うことができます。この例では、油圧の低下が致命的欠陥を招くまでに数週間の猶予があります。そのため、メーカーは問題が認められる車両への通知と優先順位付けを行いながら、交換パーツを効率的に入手してリコールのプロセスを進めるのに必要な時間を確保できます。

OTA およびセルラーネットワークの輻輳モニタリングと緩和
OTA ダウンロードは、車のソフトウェアをアップデートする効率的な方法ですが、かなり粗い「閉じた」システムでもあります。ここにメッセージングを追加することで、アップデートのリクエストを対象車にプッシュできるだけでなく、ダウンロード中にステータスメッセージを送信することもできるようになります。したがって、メーカーは個々の車両、個々のダウンロードに至るまでアップデートの状況をモニタリングすることができます。
メッセージングテクノロジーは、単にダウンロード状況をモニタリングするだけでなく、きめ細やかなダウンロード管理に使用することもできます。たとえば都市部での朝の通勤通学を想像してください。自動車の数が増えるにつれて、ダウンロード通信が少数の携帯電話基地局に集中します。以前から、こういった携帯電話基地局の過負荷を抑制するためにダウンロードキャンペーンは数カ月にわたって行われてきました。一方メッセージングテクノロジーでは、各基地局のキャパシティニーズを把握するために自動車から送信されたデータは一旦集約されます。コントロールメッセージを送り、高度なダウンロードマネージャーを使ってダウンロードを調整することができます。このようにして、携帯電話基地局のキャパシティ目標を上回った場合はダウンロードを遅くしたり、中断したりすることができます。

メーカーは携帯電話事業者と提携して輻輳フィードを処理し、混雑している携帯電話基地局のキャパシティを下げる一方で、空いている基地局のキャパシティを上げることができます。それだけではなく、重要なダウンロードには、そうでないダウンロードよりも優先順位を高く設定することができます。下の図は、混雑している基地局はダウンロードキャパシティを下げたり、重要なダウンロードにはキャパシティを上げたりすることができることを示しています。

画像の著作権:Mark Ingerman

ここまで紹介したことを実現するためには、自動車メーカーはグローバルネットワークにアクセスできることが必要です。そうすれば、車両がどこにいても安全に接続し、安全にエッジでリアルタイムのデータ送信が可能となります。往々にして、生成されたデータ量を送信するのに必要なスケールが考慮されていないために現在のネットワークインフラストラクチャは負荷に耐えることができません。
IoT は自動車の保有・運用のあり方を大きく変えようとしています。故障のトラッキングと予測、リコールや修理の手配、ダウンロードのモニタリングとコントロールを通じて、IoT メッセージングはコネクテッドカーのサービスのあり方も変えつつあるのです。

筆者紹介
Mark M Ingerman: Akamai Technologiesで、 Web Performance Division の Senior Product Architect を務め、 IoT 製品ラインの製品アーキテクチャを統括している。

 

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代表者名
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上場
未上場
資本金
2億1920万円
設立
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