CALL4、「袴田巌さん国家賠償請求訴訟 ―半世紀のえん罪、国の責任を問う」訴訟のサポート開始
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000172

日本初(※1)の公共訴訟支援に特化したウェブプラットフォームCALL4(コールフォー)(運営:認定特定非営利活動法人CALL4、共同代表理事:谷口太規、丸山央里絵)は、「袴田巌さん国家賠償請求訴訟 ―半世紀のえん罪、国の責任を問う」訴訟のサポートを2026年3月25日より開始いたします。。
2024年9月26日、袴田巖さんは逮捕から58年という長い闘いの末、再審無罪となりました。しかし、死刑の恐怖にさらされ、47年7か月に及んだ拘束は巖さんの心を蝕み、現在も重い拘禁反応は続いています。
今回、弁護団はえん罪、そして名誉棄損と2件の国家賠償請求訴訟を提訴しています。取り返しのつかない形で人生を奪うえん罪を二度と起こさないためにも、捜査や国家機関の在り方の見直しを求めます。
※1 日本国内における「公共訴訟支援に特化したウェブ支援プラットフォーム」として、2019年9月に弁護士による見解など自社調査した結果
裁判の争点
1. えん罪国家賠償請求訴訟
なぜ巖さんはえん罪に巻き込まれてしまったのでしょうか?
えん罪国家賠償請求訴訟では、大きく5つの違法を訴えています。
1)巖さんを起訴する前の警察による捜査の違法
警察は、事件発生後まもなく巖さんを犯人と決めつけ、巖さんを起訴するために複数の証拠を隠蔽、ねつ造していたことが再審を通してわかっています。
しかし、警察による証拠の隠蔽、ねつ造を明らかにすることは容易ではありません。現在でも、警察の捜査はその適法性をあとから客観的に検証することが困難であり、いわば「無法地帯」となっていますと言っても言い過ぎではありません。この無法地帯でのともいえる捜査がはえん罪の温床となっているのです。
2)巖さんに対する警察・検察の取調べの違法
巖さんは、逮捕後、19日間にわたり、夜中又は深夜にわたるまで、1日平均12時間にも及ぶ取調べを受けました。その取調べは、心理的に追い詰め、犯人と決めつけて執拗に自白を迫るものでした。そして、警察は、尿意を催した巖さんに対し、取調べ室内に便器を持ち込んで排尿を促すなどの屈辱的かつ非人道的対応も行いました。再審無罪判決は、確定第1審判決が採用した検察官作成の巖さんの自白調書1通をねつ造されたものと認定しています。
3)起訴の違法
巖さんに対する起訴は、当時の証拠資料を総合して考慮しても公訴事実記載の罪を犯したと認められるだけの嫌疑があったとはいえない違法、不当なものでした。また、起訴後に行われた巖さんに対する取調べや補充捜査、その後の訴訟追行にも違法が認められます。
4)証拠のねつ造の違法
巖さんの起訴から約1年2か月後、事件現場近くのみそタンクから血痕の付いた5点の衣類が発見されました。確定第1審判決は、この5点の衣類を犯行着衣と認定しました。そして、巖さんの荷物として実家から発見された端布が、5点の衣類の中の鉄紺色ズボンの裾を切った共布であると認定されたことなどから巖さんは犯人と認定されました。しかし、5点の衣類と端布は警察と検察が事件後に作出したねつ造証拠です。再審無罪判決も5点の衣類と端布をねつ造証拠と認定しています。
5)判断を誤った裁判所の違法
確定第1審は、5点の衣類がねつ造であることに気付くことができたのに見過ごして巖さんを有罪と認定し、確定控訴審及び上告審は、その誤った有罪認定を支持しました。また、第1次再審請求を担当した静岡地方裁判所も、同様に判断を誤り、再審請求を棄却し、即時抗告審及び特別抗告審は、その誤った判断を支持しました。さらに、第2次再審請求審のうち差戻し前の即時抗告審を担当した裁判所も、同様に判断を誤り、再審請求を棄却しています。これらの誤った判断をした裁判所の責任も問われなければなりません。
弁護団は、以上の違法行為等に基づく損害として、合計約6億0840万円の賠償を請求しています。
2. 名誉毀損国家賠償請求訴訟
2024年9月26日、静岡地方裁判所は巖さんに無罪判決を宣告しました。同年10月8日、畝本直美検事総長は、「検事総長談話」を公表し、控訴を断念する方針を示しました。翌9日、検察官は控訴権放棄書を提出し、巖さんの無罪判決は確定しました。
検事総長はこの談話の中で、上記無罪判決の事実認定に対して疑問を呈し、(無罪判決の)「推論過程には、論理則・経験則に反する部分が多々あり、本判決が「5点の衣類」を捜査機関のねつ造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません」などと述べました。これは「無罪判決は間違っている。犯人は巖さんだ」と述べているのと変わりません。この談話で控訴を断念する方針を示していますから、巖さんの無罪判決が確定することは決まっている状況です。無罪が確定する人を、検察という国家機関が、「犯人だ」と述べることは名誉毀損に他なりません。また、これは無罪判決を尊重すべき国家機関に課せられた義務にも違反する違法行為です。
社会的意義
巖さんのえん罪事件は過去のものではありません。
捜査機関による無法地帯ともいえる捜査、違法な取調べ、証拠のねつ造・隠蔽、そして、それらを見過ごす裁判所。巖さんのえん罪事件で行われた数々の違法行為の根底にあるものは現在の刑事司法にも存在しています。
巖さんの再審無罪判決後、警察及び検察はそれぞれ事件を検証した結果を公表しています。しかし、いずれも片面的で不十分です。裁判所は検証すらしていません。
私たちは、巖さん、ひで子さんと同様の悲劇を繰り返させないために、巖さんのえん罪事件から学ばなければなりません。そのために、この2つの国家賠償請求訴訟によって巖さんに行われた違法行為を明らかにすることが必要なのです。

資金の使途
・訴訟事務費用(印紙代、郵便費用、印刷費等)
・弁護団の活動費(交通費、通信費等)
・証拠資料の整理、データ化のための費用
・広報対応事務費
等訴訟追行のための必要経費。
原告の思い
巖さんは拘禁反応のため今は思いを伝えることができません。
そこで1983(昭和58)年2月(第1次再審請求中)の巖さんの日記を紹介します。巖さんは、息子さんへのメッセージの中で、不屈の闘う意志を書き記しています。私たち弁護団も不屈の精神で闘います。

息子よ、どうか直ぐ清く勇気ある人間に育つように。
すべて恐れることはない、そして、お前の友だちからお前のお父さんはどうしているのだと聞かれたら、こう答えるが良い。
僕の父は不当な鉄鎖と対決しているのだ。古く野蛮な思惑を押し通そうとする、この時代を象徴する古ぼけた鉄鎖と対決しながら、たくさんの悪魔が死んでいった、その場所で(正義の偉大さを具現しながら)不当の鉄鎖を打ち砕く時まで闘うのだ。
息子よ、お前が正しい事に力を注ぎ、苦労の多く冷たい社会を反面教師として生きていれば、遠くない将来にきっとチャンは、懐かしいお前の所に健康な姿で帰っていくであろう。
そして必ず証明してあげよう。お前のチャンは決して人を殺していないし、一番それをよく知っているのが警察であって、一番申し訳なく思っているのが裁判官であることを。
チャンはこの鉄鎖を断ち切ってお前のいる所に帰っていくよ。
担当弁護士のメッセージ
国家賠償請求訴訟の弁護団は、巖さんの再審事件の弁護人を担当していた弁護士の一部、9名の弁護士で構成されています。弁護団長は、巖さんの再審事件を昭和59年(第1次再審請求の地裁の審理段階)から再審無罪判決まで約40年間担当していた小川秀世弁護士です。
弁護団は、2度と巖さん、ひで子さんと同様の悲劇を繰り返させないという決意のもと、警察・検察・裁判所の責任、現在も続く刑事司法の闇を明らかにします。
担当弁護士の紹介
小川秀世(弁護団長、静岡県弁護士会)
村﨑修(第一東京弁護士会)
笹森学(札幌弁護士会)
間光洋(静岡県弁護士会)
伊藤修一(東京弁護士会)
戸舘圭之(第二東京弁護士会)
加藤英典(埼玉弁護士会)
白山聖浩(静岡県弁護士会)
西澤美和子(静岡県弁護士会)
運営団体「認定特定非営利活動法人CALL4」について
認定特定非営利活動法人CALL4は、公共訴訟を支援するウェブプラットフォーム「CALL4」の運営のために設立された営利を目的としない法人で、共同代表を務める弁護士の谷口太規、編集者の丸山央里絵の他、多様な専門性を有するプロボノメンバーによって活動が担われています。
詳細は以下よりご確認ください。
CALL4は今後も、クラウドファンディングをはじめとするケースサポートを通じて、司法をより身近に感じていただけるよう日々活動してまいります。
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