SWCCとFaraday Factory Japan 超電導ケーブル事業の社会実装に向けた基本合意書を締結
~ データセンター向け超電導ケーブルシステムの実用化を加速 ~
SWCC株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役 CEO 社長執行役員:小又哲夫、以下「SWCC」)とFaraday Factory Japan合同会社(本社:東京都八王子市、代表:セルゲイ・リー、以下「FFJ」)は、データセンター(以下「DC」)などに使用される超電導ケーブルシステムの開発および社会実装に向けた基本合意書を締結しました。両社の技術やノウハウを組み合わせ、細径・省スペース型の超電導ケーブルシステムの共同開発やDC内配電への導入を推進することで超電導ケーブルシステムの開発から導入、運用までの一貫したサービス提供を可能とし、2030年度までの社会実装を目指します。

■社会的背景
昨今、生成AIの普及やクラウドサービスの高度化を背景にDCではサーバーの高性能化・高密度化が進み、施設当たりの電力需要が拡大しています。また、DCの新設・増設においては、電源確保に加えて、限られた敷地・建屋内で大電力を安全かつ効率的に届ける電力インフラの構築が必要不可欠となっています。しかし、従来の電力ケーブルでは、送電容量の拡大に伴うケーブルの大径化、布設本数や占有スペースの増加、施工負荷、送電損失に伴う発熱などが課題となっています。
このような課題に対し、大電流をコンパクトなケーブルで送ることができる超電導ケーブルシステムは、DCの電力供給制約を緩和する次世代ソリューションとして期待されています。
■基本合意書の狙い
SWCCは1988年から超電導技術の研究開発に取り組み、中国・天津における35kV超電導ケーブル送電システム、プラント内向け三相同軸超電導ケーブル、航空機向け超電導推進システムなど、複数の研究開発・実証プロジェクトを通じて超電導技術を蓄積してきました。超電導線材をケーブル化する技術に加え、端末、冷却、布設、評価を含むシステム全体を設計・構築できる現在、国内で唯一の企業であることを強みとしています。
FFJは、核融合・エネルギー・航空宇宙・医療・科学分野における世界最先端のプロジェクトに対し、これまでに10,000kmを超える高温超電導線材を供給してきた実績があります。
今回の基本合意に基づき、SWCCは超電導ケーブルの設計・製造・布設、端末・冷却を含むシステム設計、顧客環境への実装支援を、FFJは高温超電導線材の製造・供給や関連技術の提供を担います。さらに両社は、材料調達、DC事業者をはじめとする顧客の開拓・共同提案、情報発信から実証・社会実装まで、幅広い協力を行います。
両社の技術と実績を組み合わせることで、線材の選定・供給からシステム設計、評価・実証、顧客提案までを一体的に推進します。顧客ごとの電力条件や設置環境、運用・保守要件を踏まえ、トータルソリューションを提供し、開発の迅速化と早期の社会実装を目指します。
■目指す提供価値
超電導ケーブルは、特定の材料を極低温まで冷却することで電気抵抗が極めて小さくなる「超電導現象」を利用した電力ケーブルです。本取り組みでは、冷却設備を含むシステムとして構成し、DC向けに低電圧・大電流による大容量の電力供給の実現を目指します。
従来の電力(CV)ケーブルと比べ、一定の設計条件でケーブル断面積を約1/5、重量を約1/35に低減することが可能となります。これにより、配線スペースの削減、設備配置の自由度向上、ケーブル本数や施工負荷の低減が期待でき、建設・増設・更新工事の効率化に貢献します。
さらに、送電時の発熱を約1/10に抑えることで、設備の安全性と運用性の向上を図ります。電力需要の増大と設置スペースの制約を同時に解決し、既存設備の制約下でも大電力供給を可能にすることで、DCの増設やサーバーの高密度化を支えます。
■今後の取り組み
両社は今後、DC向けの省スペースでの大電力供給を対象に、設置環境、運用・保守要件を考慮し、DC内の配電に適した超電導ケーブルシステムの実証機会の創出を進め、2030年度までの社会実装を目指します。第1段階として、実用規模のデモラインを作製し、SWCC相模原事業所において実証試験を行います。電力需要の拡大と設置スペースの制約という社会課題の解決に取り組み、DCをはじめとする成長産業の持続的な発展を電力インフラの側面から支えてまいります。また、将来的には、鉄鋼・大規模化学プラントなどにおける工場内配電や次世代モビリティ、核融合をはじめとする先端分野への展開を図ります。
■両社コメント
SWCC株式会社 CTO 執行役員 森下 裕一
「生成AIの普及をはじめとする社会のデジタル化により、電力インフラにはこれまで以上の大電力供給と柔軟性が求められています。SWCCが長年培ってきたケーブルシステム技術と、FFJの高温超電導線材技術を融合し、顧客の課題に即した新たな電力供給ソリューションの社会実装を目指します。本取り組みを通じて、中期経営計画で掲げる電力インフラ事業の成長と、エネルギーとデジタルの未来を創るソリューションカンパニーへの変革を加速してまいります。」
Faraday Factory Japan合同会社 戦略担当ディレクター セルゲイ・サモイレンコフ
「FFJは、超電導分野における新たなエネルギー関連プロジェクトの開発を強くサポートしています。世界の最先端プロジェクトへの高温超電導線材(HTSテープ)供給における確かな実績をもとに、SWCCグループとの協業は新たな事業機会をもたらすものと確信しています。超電導技術には、省エネルギーや銅・レアアースといった重要資源の節約という観点で、まだ十分に活かしきれていない可能性があり、本プロジェクトの成果を社会実装することは、社会全体の利益につながるものと考えます。」
◆SWCC株式会社について
1936年の設立以来、電気や通信が安心して使える社会を支えてきました。現在は、エネルギー・インフラと通信・コンポーネンツの2つのセグメントをコア事業としています。新しい事業創造に挑戦し続けることで総合電線メーカーの枠を越えてきたSWCCは、モノづくりを起点にして社会課題に向き合うソリューション提案型の価値創造企業へと進化しています。SWCCは2026年に創立90周年を迎え、今後もグローバルに挑戦を続ける100年企業に向けて「変革」と「成長」を続けてまいります。
「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」
詳細については、SWCCのウェブサイトをご参照ください。
◆Faraday Factory Japan合同会社について
FFJは2011年の設立以来、高温超電導(HTS)線材の製造・供給と、材料・プロセス技術に関する知見の蓄積を進めてまいりました。これまでに製造・供給した線材の総延長は10,000kmを超え、業界記録となる実績を有し、世界4大陸・約30か国、250社を超える企業・研究機関・大学にご採用いただいております。現在、世界で開発が進むコンパクト核融合炉プロトタイプの4種類の異なるタイプに当社線材が採用されているほか、電力・宇宙・医療など幅広い分野への展開を進めています。創立15周年を迎える今、超電導技術の普及を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
【本件に関するお問合わせ先】
SWCC株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ
inq-sonota@swcc-g.com
Faraday Factory Japan合同会社 広報
info@faradaygroup.com
すべての画像
