歌集『Lilith』で現代歌人協会賞を受賞した、今もっとも注目を集める歌人・川野芽生による初の小説集『無垢なる花たちのためのユートピア』が刊行!
書下ろし2編を含む、珠玉の幻想小説6編
第一歌集『Lilith』で現代歌人協会賞を受賞した、注目の新鋭による初の作品集
「Lilith」30首で第29回歌壇賞を受賞し、第一歌集『Lilith』で第65回現代歌人協会賞を受賞するなど、今もっとも注目を集める歌人・川野芽生による初の小説集『無垢なる花たちのためのユートピア』が東京創元社より刊行されました。
書下ろし2編を含む6編の小説が収録された今作は、歌人でもある著者が紡ぐ言葉により創り出された物語の強さ、読者を引き込む世界構築の美しさが大きな魅力になっています。
楽園へ向かう船での親友の死に秘められた謎を描いた表題作のほか、ひとが人形に変化する奇病が蔓延した村、機械の身体を持つと男と植物に身を覆われた少女との出会いなど、今作には川野芽生だからこそ描ける幻想文学の世界が広がっています。
刊行にあたり、作家の皆川博子氏が帯に推薦文を寄せてくださったほか、解説を担当された書評家の石井千湖氏も本作を絶賛しています。
鋭い知性を芯とした幻視の葩(はな)は豊潤な表現力によって可視の存在となる。
―――皆川博子(作家) ※帯掲載コメントより
生と性の苦しみを経て透明度を極めた水晶のような文章は、読む歓びに満ちている。その水晶で、川野芽生は、現実に圧しつぶされている人々のための楽園の扉を開く鍵を創ったのだ。
―――石井千湖(書評家) ※解説より抜粋
また、刊行前の原稿を読んだ書店員さんからも、早くも絶賛の声が多数届いています。
小説が想像力のままに飛翔する、そんな作品を久しぶりに目の当たりにした気がする。この数篇の小説がはかなく、美しいだけのものではないと気付いたとき—あなたの喉元にはそっと彼女の短剣が突き立てられているに違いない。
紀伊國屋書店 浦和パルコ店 竹田勇生さん
冬の日のピンと張った氷が割れてしまうような危うさと降ってきた雪の結晶が手のひらでそっと消えてしまうような儚さが物語のなかにつまっています。
くまざわ書店 名古屋セントラル・パーク店 大洞良子さん
類いまれな美しさに溜め息を禁じ得ない、言葉が綾なす幻想文学短編集。
丸善丸広百貨店 東松山店 本郷綾子さん
その他にも寄せられた感想は、近日WEB上で紹介していく予定です。
第一歌集『Lilith』の刊行時は、栞文に水原紫苑氏、石川美南氏、佐藤弓生氏、帯文には山尾悠子氏という錚々たる書き手から言葉を寄せられており、著者への期待の高さが窺われます。そして初の小説集となる今作でも、高い注目を集めることは間違いありません。川野芽生『無垢なる花たちのためのユートピア』にぜひご期待ください!
【著者から読者に向けて一言】(『紙魚の手帖』Vol.05内インタビューより)
作者の言葉なんかより、作品そのものの言葉の方がずっと遠くまで届くと思っているので、あらためて何を言ったらいいかわからなくなってしまうのですが……。
あなたにとってこれらの作品がかけがえのないものになるとしたら、その出会いは作品にとってもかけがえのない、世界でただひとつのもので、世界でたったひとりのあなたに出会えることを作品は待ち望んでいます。と、作品が言っています。あ、手を振ってますね。見えますか?
■書誌情報
『無垢なる花たちのためのユートピア』
著者:川野芽生
判型:四六判上製
ページ数:336ページ
価格:1,870円(税込)
ISBN:978-4-488-02858-9
Cコード:C0093
装画:山田緑
装幀:柳川貴代
内容紹介:
地上からはるか遠く離れたところにあるという楽園を目指し、天空を旅する一隻の船。
そこでは花の名前をつけられた少年たちが、導師と呼ばれる大人たちのもとで寮生活を送っていた。最も大切なのは心の純潔さであると教えられた少年たちの暮らしは慎ましく清らかで、船の中はこの世界のどこよりも楽園に近い場所と思われた。
ある日、白菫という少年が舷から墜落する。皆が不慮の事故としてその死を悼んだが、親友の矢車菊は白菫が落ちる直前の様子を知り、彼がみずから身を投げたのではないかと疑問を持つ。だが、希望に満ち溢れたこの美しい船に、いったいどんな不幸があるというのか――親友の死のほんとうの理由を探して、矢車菊は船内の暗い場所へと足を踏み入れる。幻想文学の新鋭による初の小説集。
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488028589
■著者プロフィール
川野芽生(かわのめぐみ)
1991年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科在学中。2017年、「海神虜囚抄」(〈間際眠子〉名義)で第3回創元ファンタジイ新人賞の最終候補に選出される。18年、「Lilith」30首で第29回歌壇賞を受賞し、20年に第一歌集『Lilith』を上梓。同書は21年、第65回現代歌人協会賞を受賞した。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像