香川県東かがわ市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた実証実験を実施<環境省「運輸部門の脱炭素化に向けた次世代型物流促進事業」>
~ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けて~
株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路圭輔、以下NEXT DELIVERY)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:足立正親、以下キヤノンマーケティングジャパン)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社電通西日本(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 川口 真義、以下 電通西日本)は、環境省委託事業「運輸部門の脱炭素化に向けた次世代型物流促進事業(脱炭素化を加速させる新スマート物流に関する実証)」において、物流専用ドローンを活用した「物流の効率化、および買い物困難者問題」解決に向けた共同配送実証実験を、2025年2月6日に香川県東かがわ市で行い、報道関係者へ公開しました。
本実証は、セイノーHDとNEXT DELIVERYの親会社である株式会社エアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流*1”SkyHub®*2 “の技術を活用し、社会実装に向けた課題発見のために実施したもので、ドローン配送サービス事業を主体とするNEXT DELIVERYが行いました。
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今回の実証実験は、東かがわ市福栄コミュニティセンターに集約した荷物を、ドローンにて同市五名コミュニティセンターまで運び、社会実装に向けた効率性の検証を行うとともに、フェーズフリーの考え方に基づき、平時と災害時の垣根なく運用するためのデータを収集することを目的として実施しました。
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【実証実験概要】
1.背景と目的
東かがわ市の人口は昭和40年以降減少を続けており、「東かがわ市人口ビジョン」によると令和27(2045)年には、市の人口は1万6千人程度まで減少すると予想されています。人口減少の要因は、若者世代を中心とする社会減少と、それに伴う自然減少・少子化だと分析されています。今後、少子高齢化がますます進行していく見通しの中、高齢者の住み良いまちを構築するためには、日常の買い物など生活利便性の維持が求められています。また、今回の実証エリアである五名地区は、平成16年の台風災害によって孤立するなど、災害時の物流網維持が課題となってきました。
一方で、運送業界においては、人手不足や採算性から特に過疎地域における配送維持が課題として顕在化しています。また、過疎地での積載率は低位にとどまっており、従来の配送手段は環境面からも大きな問題を抱えています。
そこで、東かがわ市において、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの構築により、物流の最適化を目指します。具体的には、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みづくりにむけて、民間企業と行政が協働して取り組みます。
2.実施内容
本実証では、物流事業者などの事業環境が大きく変わる中で、物を運ぶだけでなく、買い物難民の解消や公共交通の維持など地域課題解決を図ることができるように、物流網の再構築を目指します。今回は「共同配送」をテーマとして、福栄地区で荷物の集約拠点が機能しているという想定で、栄コミュニティセンターに設置した仮設ドローンデポ*3へ陸送で物資を集約し、五名コミュニティセンターまでドローンを利用して配送を実施いたしました。今回のドローン配送の実証はエアロネクストが開発をした物流専用ドローンAirTruck*4を用いています。
2月6日(木)の報道関係者への公開では、福栄コミュニティセンターから五名コミュニティセンターまで片道約7kmをドローンで配送。約17分で飛行し、五名地区の住民に荷物と医薬品(ダミー)をお届けしました。ドローンが空から降りて来て、届けられた荷物を受け取った住民の方は、「災害などが起こった際はドローンを利活用していただきたい。将来的にはもっと大きく重いものも運んでほしい」とコメントしています。
今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めてまいります。
*1 新スマート物流
人手不足、環境・エネルギー問題、DX 化対応、等の物流業界が共通に抱える課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解決する官民の取り組みです。物流の持続性を保つことで、買い物弱者、医療弱者、災害対応といった地域社会が抱えるさまざまな課題の解消にもつながります。具体的には、荷物の共同配送や、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術等の活用により地域社会の荷物の動きを最適化し、省人化や脱炭素化を実現します。
*2 SkyHub®
エアロネクストとセイノーHDが共同で進める既存物流とドローン物流をつなぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流の仕組みで、宅配事業者等を取り巻く事業環境が大きく変わる中で、物を運ぶだけでなく、買い物難民の解消や公共交通の維持など地域課題解決を図ることができるように、物流網を再構築するソリューションのことです。
ドローン配送が組み込まれること、共同配送を実現する、オープンプラットフォームかつ標準化した仕組みであることが特徴。
SkyHub®の導入は、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進する上でも有意義なものです。
*3 ドローンデポ®
新スマート物流において、既存の陸上物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の集積・配送の拠点であり倉庫で、荷物をドローン配送できる仕組みを持つ場所をいう。
*4 物流専用ドローンAirTruck
次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*5により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実証地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績をもつ(2023年11月)。最大飛行距離20km、ペイロード(最大可搬重量)5kg.
*5 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
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