プライバシー基盤と法人向けウォレットを今春ローンチ、事前受付開始。ステーブルコイン送金に不可欠なプライバシーと規制対応を両立

株式会社Datachain(代表取締役:久田哲史、以下「Datachain」)は、ステーブルコインの法人利用におけるプライバシー課題の解決を目的として、プライバシー基盤「Datachain Privacy」および法人向けWeb3ウォレット「Datachain Wallet」を今春より提供開始いたします。その前段階として、本日より事前案内ページを公開し、導入や協業を検討する企業からの事前申し込みの受付を開始しました。
ステーブルコインの利用は、従来の個人ユーザーやWeb3関連企業にとどまらず、伝統的なエンタープライズ企業へと拡大しつつあります。一方で、ブロックチェーン上では取引情報や残高情報が原則公開される仕組みであることから、企業利用においてはプライバシー確保が重要な課題となります。
本事業では、これまでの研究開発の成果とエンタープライズ企業との取り組みで培った知見を活かし、企業が安心してステーブルコインを送金・決済に活用できる仕組みを整備するとともに、プライバシーと統制を両立した法人向けオンチェーン取引環境を提供します。
背景
ステーブルコインは、ここ数年で国内外において法整備も進行し、時価総額は3,000億ドル(約45兆円)を超えるまでに至っています。国内では、昨年末のJPYCの発行や、メガバンクによる共同ステーブルコイン発行検討など、本格的な活用への動きが加速しています。今後、国際送金や企業間決済などのユースケースが普及しエンタープライズ企業の利用が本格化することで、その市場規模はさらに拡大することが予想されています。
一方で、ブロックチェーンの高い透明性は、法人間取引においては取引金額や取引先、残高情報などの機微情報の可視化につながる可能性があり、実務上の課題となるリスクがあります。これは、ステーブルコインのエンタープライズ利用拡大において、解決すべき課題として認識されています。
実際に、海外においてもパブリックチェーンを前提とした企業活用が進む中で、プライバシー確保は重要な課題とされています。例えば、監査法人EYはEthereum上で企業間取引を秘匿可能とする「Nightfall」をブロックチェーン企業と共同で開発しています。また、USDCを発行する米Circleが新たに開発を進めるステーブルコイン金融に特化したブロックチェーン「Arc」においても、取引の秘匿化をオプトインで設定できる機能が実装される予定です。
Datachainは、2018年の創業以来、ブロックチェーンのプロトコルレベルの課題解決に取り組み、インターオペラビリティの研究開発や、それを活用した国内大手企業との実証実験を重ねてきました。その後、ステーブルコインやそれを用いたユースケースの商用化に向け、Progmatの共同設立、Swiftと連携した国際送金基盤構築プロジェクト「Project Pax」、証券トークンのセカンダリー市場におけるDvP決済プロジェクト「Project Trinity」などを国内大手金融機関とともに推進してきました。
こうした取り組みを通じて、ステーブルコインの法人利用の本格化におけるプライバシーの重要性を改めて認識し、創業以来培ってきた暗号技術やブロックチェーン技術の知見を活かし、2025年初めよりプライバシー領域のプロダクト開発を進めてまいりました。
本事業では、その成果として、プライバシー基盤「Datachain Privacy」をブロックチェーン基盤事業者やエンタープライズ向けソリューション提供企業に提供するとともに、同技術を活用したウォレット「Datachain Wallet」を展開します。
プライバシー基盤「Datachain Privacy」の特徴

企業がブロックチェーン上でステーブルコインや暗号資産を用いた取引を行う際、プライバシー保護は重要な課題となっています。

特に、「匿名性(送信者や受信者の秘匿)」や「機密性(残高や取引額の秘匿)」に加え、「非リンク性」、すなわち取引同士の関係性やパターンを第三者に推測されない設計が不可欠です。匿名性や機密性が担保されていても、取引パターンの分析から企業や個人が特定される可能性があるためです。
さらに法人利用においては、プライバシーの確保に加え、当局や監査法人等への規制対応に必要な選択的開示機能や、鍵紛失時の柔軟なリカバリー対応といった運用面での要件も求められます。
Datachainが提供するプライバシー基盤「Datachain Privacy」は、これらの要件を満たすため、以下の特徴を備えています。
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「匿名性」「機密性」「非リンク性」の3要素を全てに対応
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規制対応を可能にする選択的開示機能
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HSMやPasskey等のエンタープライズ品質の鍵管理
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鍵紛失時のリカバリー方法を柔軟に設定可能
これらの特徴により、企業はステーブルコイン等を活用した送金・決済を、ブロックチェーン上で安心して実行できるようになります。
詳細: http://privacy.datachain.jp/ja
法人向けPasskey対応プライバシーウォレット「Datachain Wallet」の特徴

Datachain Wallet は、「Datachain Privacy」を実装したWeb3ウォレットです。プライバシーを担保した取引とPasskeyによる鍵管理に対応した法人向けWeb3ウォレットとして業界初(*1)となります。
法人利用を前提に、以下の機能を備えています。

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機能 |
詳細 |
|---|---|
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データプライバシー |
ブロックチェーン上のデータプライバシーに対応。当局等への選択的開示が可能 |
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秘密鍵管理 |
Passkey, HSMに対応。秘密鍵の漏洩やフィッシング攻撃への耐性向上 |
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承認ワークフロー |
作業毎に承認ワークフローが設定可能 |
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ガスレス対応 |
ETH等の手数料用の暗号資産を調達せずにステーブルコインだけで送金が完結 |
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権限管理 |
申請者と承認者、管理者の分離が可能 |
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証憑ダウンロード |
会計処理や内部統制に必要となる各種証憑の出力に対応 |
これらの機能を実現することで、プライバシーの担保とエンタープライズ企業における業務実務への適合を両立した法人向けウォレットを提供いたします。
なお、ブロックチェーンについてはEVM系に順次対応し、対応通貨については、JPYC、USDC、USDT等の主要なステーブルコイン、ETH等のネイティブトークンをサポート予定です。
詳細: https://www.wallet.datachain.jp/ja
今後について
「Datachain Privacy」および「Datachain Wallet」は、2026年春の正式ローンチを予定しています。本日公開したランディングページにて、導入や協業を検討される企業様からのお問い合わせを広く受け付けております。
「Datachain Privacy」については、ブロックチェーン基盤事業者、エンタープライズ向けデジタルアセット関連サービス提供企業、ならびにプライバシー技術の活用を検討する金融機関・事業会社との連携を想定しています。
また、「Datachain Wallet」については、既存のWeb3ウォレット運用の高度化を検討する企業や、今後ステーブルコインや暗号資産の活用を見据えウォレット選定を進める企業との協議を想定しています。
【お問い合わせフォーム】
https://forms.gle/YKcb9urycHoy1VCq6
Datachainは今後も、制度動向や市場環境を踏まえながら、オンチェーン金融時代のインフラを提供する企業として、ステーブルコインやトークン化預金をはじめとするデジタルアセットの社会実装を推進してまいります。
*1: 2026年3月3日現在、当社調べ。
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