約9割が話し合い済みでも、86.7%が現経営者と認識差。後継者の7割超が承継意向も、過半数は「条件付き」― 円滑な事業承継には“話し合うこと”から“合意形成”が重要 ―

【日本のファミリービジネス事業承継実態調査 後編】

株式会社青山財産ネットワークス

個人資産家や企業オーナーへ財産コンサルティングを提供する株式会社青山財産ネットワークス(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見 正純、以下「当社」)は、これまで語られることの少なかったファミリービジネス後継者の本音を明らかにするため、全国の企業後継者候補412名を対象に、事業承継に対する意向、不安、現経営者との話し合いの実態について調査を実施しました。

■主な調査結果

①      話し合いは行われているが、86.7%が現経営者とのギャップを実感 

②      認識差の上位は「承継時期(44.4%)」「経営方針(43.9%)」「財産分配

   (39.8%)」

③      後継者の71.6%が承継意向も、過半数は「条件付き」

④      9割以上が何らかの不安や課題を抱え、資産・経営・心理面にまたがる不安が顕在化 

⑤      約7割が第三者による外部サポートを必要と回答

⑥      情報収集源に違い、親族から承継する後継者は「経営者との会話(36.9%)」、

   親族以外から承継する後継者は「X(30.8%)」が最多

2026年6月に発表した前編※では、承継する側である経営者の85.1%が事業承継について具体的な検討を進めている一方、課題の中心が財産・税務だけでなく、「後継者育成」や「経営能力・適性」など“人材面”にも広がっていることが明らかになりました。

※日本のファミリービジネス事業承継実態調査(前編):https://www.azn.co.jp/news/20260609-1280.html

本調査では、その後編として、全国のファミリービジネス後継者の視点から、承継意向や不安、現経営者との認識差を確認しました。

その結果、承継について約9割が現経営者と話し合った経験がある一方、86.7%が現経営者との間に何らかのギャップを感じていることが分かりました。ギャップの内容は、「承継時期」(44.4%)、「経営方針」(43.9%)、「財産分配」(39.8%)が上位となっています。

一方で、後継者の71.6%が承継意向を示した一方、「積極的に承継したい」は19.7%にとどまり、51.9%は「条件が整えば承継したい」と回答しました。

また、9割以上が何らかの不安や課題を抱えており、「個人資産の管理・運用・保全への不安」(51.2%)、「創業家間の財産分配・公平性への不安」(45.1%)、「経営者としての責任や精神的負担」(38.1%)、「自分の経営能力や適性への不安」(36.9%)など、資産・経営・心理面にまたがる幅広い不安が浮き彫りとなりました。

これらの結果から、事業承継では、話し合いの機会そのものは一定程度設けられているものの、後継者が抱える不安や承継条件、現経営者との認識差を十分に整理しきれていない実態がうかがえました。

実際に、専門家など第三者による外部サポートについては、69.9%が「必要だと思う」「やや必要だと思う」と回答しており、承継時期や経営方針、財産分配などを含め、関係者間で認識を整理しながら承継を進めていく重要性が高まっていると考えられます。 

▍調査結果 詳細

① 話し合いは行われているが、86.7%が現経営者とのギャップを実感

承継に関する事項については、全体の約9割が何らかの共有を行っていました。また、承継時期や条件などについても8割超が具体的な共有を行っていました。

一方で、現経営者との間に何らかのギャップを感じている後継者は全体で86.7%にのぼりました。

この結果から、事業承継に関する対話の機会は一定程度設けられているものの、話し合いが必ずしも認識の一致につながっているわけではないことがうかがえます。

② 認識差の上位は「承継時期(44.4%)」「経営方針(43.9%)」「財産分配(39.8%)」

現経営者との認識差の内容について尋ねたところ、「承継時期に関するギャップ」(44.4%)が最も多く、次いで「経営方針に関するギャップ」(43.9%)、「財産分配に関するギャップ」(39.8%)となりました。

承継そのものへの意思だけではなく、「いつ承継するのか」「どのような経営を目指すのか」「財産をどのように承継するのか」といった重要論点において認識差が見られることが分かりました。

③ 後継者の71.6%が承継に前向きも、過半数は「条件付き」

後継者の71.6%が「承継したい」と回答しました。内訳を見ると、「積極的に承継したい」は19.7%、「条件が整えば承継したい」は51.9%でした。

一方、「あまり承継したくない」「絶対に承継したくない」の合計は7.8%にとどまりました。

また、承継の方向性別に見ると、親族から承継する後継者の承継意向は72.8%だったのに対し、親族以外から承継する後継者では63.5%となりました。

この結果から、後継者の多くは事業承継そのものに否定的ではないものの、無条件で承継を引き受けるのではなく、承継条件や環境整備を重視していることがうかがえます。また、特に親族以外からの承継においては、承継に向けた環境整備や意思形成がより重要になる可能性が示されました。

④ 9割超が不安を抱え、資産・経営・心理面に課題が広がる

財産領域では94.9%、非財産領域では95.9%が何らかの不安や課題を抱えていました。

財産領域における具体的な不安や課題では、「個人資産の管理・運用・保全への不安」(51.2%)、「創業家間の財産分配・公平性への不安」(45.1%)、「納税資金の準備への不安」(42.7%)が上位となりました。

また、非財産領域では、「経営者としての責任や精神的負担」(38.1%)、「自分の経営能力や適性への不安」(36.9%)、「社内の承継準備不足」(34.5%)、「現経営者の想いや理念の理解不足」(34.2%)が上位となりました。

加えて、承継したくないと回答した32名に理由を尋ねたところ、「自分のライフプランと両立しにくいから」(37.5%)が最多となり、「創業家や関係者との人間関係に不安があるから」(31.3%)が続きました。一方、「会社や事業の将来性に不安があるから」「経営者としての能力・経験に自信がないから」はいずれも21.9%でした。

この結果から、後継者が抱える課題は財産承継にとどまらず、経営能力や責任、人間関係、ライフプランとの両立、承継準備など多岐にわたっており、資産・経営・心理面を含めた総合的な支援が求められていることがうかがえます。

⑤約7割が第三者による外部サポートを必要と回答

事業承継に関して、専門家などの第三者による外部サポートが「必要だと思う」「やや必要だと思う」と回答した割合は69.9%でした。内訳を見ると、親族承継では72.2%、親族以外からの承継では53.8%となりました。

これまでの調査結果からも、後継者は承継意向を持ちながらも、現経営者との認識差や資産・経営・心理面にまたがる不安を抱えていることが明らかとなっています。

こうした課題は家族内・社内の話し合いのみでは整理が難しい場合もあり、第三者が関与することで、承継時期や経営方針、財産分配、役割分担などの論点を整理しながら合意形成を進めることの重要性がうかがえます。

⑥   情報収集源に違い、親族から承継する後継者は「経営者との会話(36.9%)」、親族以外から承継する後継者は「X(30.8%)」が最多

事業承継に関する情報収集源を見ると、親族から承継する後継者では「経営者(創業家の親族)との会話」(36.9%)が最多となりました。

一方、親族以外から承継する後継者では「X(旧Twitter)」(30.8%)が最多となり、後継者の立場によって情報収集の方法に違いが見られました。

この結果から、親族承継では現経営者や家族との対話が情報収集の中心となる一方、親族以外からの承継ではSNSや外部機関、セミナー・研修など、社外の情報源を活用する傾向があることがうかがえます。

また、承継形態によって後継者が依拠する情報源が異なることから、事業承継支援においても、それぞれの立場に応じた情報提供や支援体制を整えることの重要性が示されました。

調査概要

 調査方法:インターネットリサーチ 調査期間:2025年12月19日(金)~12月23日(火) 対象:全国・マクロミルモニタ20歳以上の男女・従業員50名以上の企業後継者候補 回答者数:412サンプル 

▍調査背景

日本企業の多くを占めるファミリービジネスでは、経営者の高齢化や後継者不足を背景に、事業承継への関心が高まっています。近年は、株式や財産の承継だけでなく、後継者育成、家族間の意思決定、経営理念の引き継ぎといった、非財産領域の重要性も注目されています。

当社が前編として実施した経営者向け調査では、事業承継の検討は進んでいる一方、課題の中心が後継者育成や経営能力などの“ヒト”の領域に広がっていることが明らかになりました。

しかし、事業承継は承継する側だけで完結するものではありません。承継される側である後継者が、承継をどのように受け止め、どのような不安を抱え、現経営者との間にどのような認識差を感じているのかを把握することも、円滑な世代交代には不可欠です。

そこで本調査では、ファミリービジネスの後継者を対象に、承継意向、不安・課題、現経営者との話し合いの実態、外部サポートの必要性について調査しました。

▍青山財産ネットワークスのコメント

今回の調査では、多くの後継者が承継意向を持つ一方で、承継時期や経営方針、財産分配などに関して現経営者との認識差を感じている実態が明らかになりました。

また、後継者は資産管理や経営能力への不安に加え、責任の重さやライフプランとの両立といった課題も抱えており、事業承継は財産や株式の承継だけではなく、人や組織に関わる課題への対応も重要であることが示されました。

事業承継において重要なのは、話し合いの機会を持つことだけではなく、何を、どの順番で整理し、合意形成につなげていくかというプロセスそのものです。

当社は、約30年にわたり財産・事業承継コンサルティングを提供してきた上場企業として、財産・税務・経営の観点に加え、ファミリーガバナンスの視点から、現経営者と後継者双方が納得できる承継設計を支援しています。今後も、円滑な世代交代と持続的な企業成長の実現に向けた支援を行ってまいります。

【株式会社青山財産ネットワークス 概要】

株式会社青山財産ネットワークスは、個人資産家および企業オーナーに対し、財産承継・事業承継コンサルティング、財産運用・管理などの総合財産コンサルティングサービスを提供しています。

 近年は、株式・財産の承継だけでなく、後継者育成やファミリーガバナンス、家族間の合意形成など、非財産領域を含めた事業承継支援にも取り組んでいます。

 顧客の資産規模平均は10億円で、財産コンサルティング分野における数少ない上場企業として、約30年にわたりコンサルティングサービスを提供してきました。2025年11月に発表したチェスターグループとの業務提携および経営統合により、今後さらに多くのお客様にコンサルティングサービスを提供してまいります。

会社名:株式会社青山財産ネットワークス

代表者:蓮見 正純

設立:1991年9月17日

所在地:東京都港区赤坂8丁目4番14号 青山タワープレイス3階

資本金:12億7,683万円 ※2026年6月30日現在 

URL: https://www.azn.co.jp/

事業内容:財産コンサルティング,事業承継コンサルティング,不動産ソリューションコンサルティング

【株式会社青山ファミリーオフィスサービス 概要】

青山財産ネットワークスグループが提供する、ファミリーガバナンスの構築と運用の支援に特化したコンサルティングサービスです。青山財産ネットワークスの財産の承継・運用・管理に対するご支援と組み合わせ、お客様のファミリーオフィス立ち上げをサポートすることで、お客様ご一族とご一族事業の永続的繁栄を可能にする仕組み作りと運用に貢献しています。

会社名:株式会社青山ファミリーオフィスサービス

代表者:蓮見 正純

設立:2021年1月25日

所在地:東京都港区赤坂8丁目4番14号 青山タワープレイス3階

URL: https://afos.co.jp/

事業内容:企業経営コンサルティング,非財産コンサルティング

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂8丁目4番14号 青山タワープレイス3階
電話番号
03-6439-5800
代表者名
蓮見 正純
上場
東証スタンダード
資本金
12億6899万円
設立
1991年09月