生演奏で体感する『キングダム』 シネマコンサート初開催!

作曲家・やまだ豊インタビュー「多くの試行錯誤を重ねた作品。純粋に楽しみ」

日本テレビ放送網株式会社

 2019 年、2022 年、2024 年の邦画実写No.1 に輝き、国内の数々の映画賞を受賞するなど“伝説”ともいえる快進撃を続けてきた映画『キングダム』シリーズ。その新章となる最新作『キングダム 魂の決戦』の7月17日公開を記念して、シリーズ初のシネマコンサートが全国4都市で開催される。

 その初演となる7月5日の東京公演を前に『キングダム』の作曲家であるやまだ豊氏のインタビュー取材が実現した。

作曲家・やまだ豊

◆『キングダム』ならではの難しさ

 やまだは、第1作『キングダム』からシリーズ全作の音楽を担当してきた作曲家。第1作と第4作『キングダム 大将軍の帰還』では日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。2017年から活動の拠点をアメリカのロサンゼルスに置き、海外作品にも力を入れている。グローバルに活躍するやまだにとって、『キングダム』シリーズはどんな存在なのだろうか。

「『キングダム』シリーズは、多くの試行錯誤を重ねた作品です。特に苦労したのは、長い伝統を持つオーケストラという表現形式を用いながら、『キングダム』ならではの勢いや疾走感をどう表現するか。クラシックの文法に沿うだけでは、作品の持つ熱量を音楽として十分に表現できないと感じる場面もありました。そのため、既存の様式や作法にとらわれず、『キングダム』の世界にとって最も強く響く音を選ぶことを意識していました」「自分の音楽がこのような形でコンサートとして演奏されるのは初めてです。純粋に嬉しいですし、特別な思いがあります。リハーサルも拝見しましたが、生演奏ならではの迫力があり、映像と重なることで、より一層感情が立ち上がるように感じました」

 『キングダム』の音楽は、チェロやバイオリン、ホルンなどクラッシックを思わせる音色が印象的だが、フルオーケストラによるコンサートとして表現するには新たに楽譜を作成しなければならない。また、演奏中に映像や時間の進行を直接見ているのは基本的には指揮者だけ。オーケストラの演奏者たちは映像ではなく指揮者を見てタイミングを合わせる。シネマコンサートは非常に高度な技術によって表現されているのだ。

「『キングダム』は音楽の量が多く、映像とのタイミングも非常にシビアな作品です。井田勝大さんの指揮のもと、オーケストラ全体が映像と緻密に呼吸を合わせていくことになると思います」「純粋なオーケストラだけではないというところが『キングダム』の音楽設計の特徴的なところです。『キングダム』には少年漫画ならではのスピード感や躍動感があり、それをオーケストラだけで表現するのは難しい。

第1作では、主人公の信が心の準備も整わないまま村を飛び出し、突如として激しい運命の渦中へと投げ込まれます。そんな彼の情熱や強い思い、前へ進み続ける力を音楽で表現するために、オーケストラを軸としながら、ロックやシンセサイザーの要素を融合させました。こうしたハイブリッドなアプローチが、『キングダム』の音楽を形づくる基本的なスタイルとなっています」

◆映画音楽家としての、ストイックな仕事ぶり

 

 やまだは子供の頃から音楽が好きで、邦楽や洋楽を問わず、さまざまなジャンルの音楽を聴いてきた。一番好きな楽器は、自分の感情やアイデアを最も自然に表現できるという、ピアノ。高校生の頃、好奇心からコンピューターを使って初めて作曲をしてみたところ、何もないところから音楽を形にしていくことの面白さに気づいた。「0から1」を生み出す作業に、創作ならではの限りない自由を感じたことが作曲家を志す大きなきっかけに。そのうえで、ハリウッドの映画音楽が持つスケールの大きさや表現の幅広さに強く惹かれて映画音楽家を目指すようになった。ストーリーや映像に寄り添いながら、物語の感情や世界観を音楽によって形にしていく仕事そのものにも大きな魅力を感じたという。

「基本的には、日々ほとんどの時間を作曲に使っていて、その合間に筋トレをしています。断片的に思いついたメロディーや音のアイデアは、その都度残しておき、後になって作品の中で形になることもあります。思うような答えにたどり着けないときには、何日か集中的に作業を続け、納得できるものができるまで睡眠時間を削って取り組むこともあります」「(劇伴作家の)作業としてはまず台本を読んで、ある程度の目星は付けておくんですね。つまりそのキャラクターがどういうバックグラウンドで、そのシーンで何を意味しないといけないのか。例えば回想とかそういった枠はある程度決めて、実際には役者さんの演技を見て決めます。役者さんもそういったところをすごく表現されているからです。例えば、作戦会議をして、さあ行こうぜ!みたいなシーンでも、目の奥には漂を失った悲しみとか背負っているもの、そういうものをオーラで表現していたりもするので、その一段奥を音楽で表現するように気を付けています」

「創作している時間のほとんどは、むしろ苦しい時間かもしれません。ただ、それは自分が納得できるところまで、徹底的に突き詰めたいと思っているからです。最もやりがいを感じるのは、映像のために作った音楽が、作品を離れて聴かれたときにも一つの楽曲として自立し、聴く人の中に何かを残せたと感じられる瞬間です。物語を支えるという役割を果たしながら、音楽そのものとしても長く心に残るものを生み出したいと、いつも考えています。そして、そうした音楽が、結果として映像の魅力をより深く引き出すことにもつながるのではないかと思っています」

 最後に、リハーサルを見て特に印象に残った“おすすめシーン”を聞いた。

 

「生演奏によって、さまざまなシーンがより強く心に迫ってくると感じました。中でも特に印象に残ったのは、信と漂の別れのシーンです。シリーズ全体を貫く信の“天下の大将軍になる”という夢が、初めて現実へと動き出す瞬間でもあります。生のオーケストラならではの抑揚とともに、より深く胸に残るシーンになっています」「一度録音された音楽は、ひとつの完成形として定着します。一方で、オーケストラによる生演奏には、クラシック音楽が培ってきた響きの深さがあります。その日の客席の空気や演奏者の感情も音に反映されるので、同じ作品であっても、毎回異なる表情を味わえるのではないかと思います」

<プロフィール> やまだ 豊

1989年生まれ。2011年、ドラマ「マルモのおきて」で劇伴作曲家としてデビュー。その後、CMや映画にも活躍の場を広げるアニメ「東京喰種 トーキョーグール」のOriginal Soundtrackは、YouTubeでの再生回数が1億回を超え、中でも代表作「Glassy Sky」はEminem「Good Guy」(Album「Kamikaze」収録曲)にサンプリングされるなど世界的に注目されている。2017年以降拠点をLAに移し、中国映画『Cry Me a Sad River』、Waner Bros.Home『Catwoman:Hunted』(22)など海外作品にも力を入れている。映画『キングダム』で、第43回、第48回日本アカデミー賞優秀音楽賞、2023年TVアニメ「ヴィンランド・サガ」でJerry Goldsmith Awards – Best Score for a TV showを受賞。そのほかの担当作品に、Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』、『幽☆遊☆白書』などがある。

公演名: 最新作公開記念『キングダム』シネマコンサート

【東京公演】 2026年7月5日(日) 東京国際フォーラム ホールA

        16:00開場 17:00開演

【大阪公演】 2026年7月7日(火) フェスティバルホール

        17:30開場 18:30開演

【福岡公演】 2026年7月16日(木) 福岡市民ホール 大ホール

        17:30開場 18:30開演

【横浜公演】 2026年7月24日(金) パシフィコ横浜 国立大ホール

        13:00開場 14:00開演 ※昼公演 / 18:00開場 19:00開演 ※夜公演

出演:    指揮:  井田勝大

       演奏:  東京フィルハーモニー交響楽団 (東京/横浜) 

            大阪フィルハーモニー交響楽団 (大阪)

            九州交響楽団 (福岡)

       チェロ: 奥泉貴圭 (東京)

            稲本有彩 (大阪/福岡/横浜)

上映作品:  『キングダム』(2019/上映時間134分)

        原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)

        監督:佐藤信介  脚本:黒岩勉、佐藤信介、原泰久  音楽:やまだ豊 

企画・制作・主催:  日本テレビ/プロマックス/【福岡公演】FBS福岡放送

            Ⓒ原泰久/集英社 Ⓒ2019映画「キングダム」製作委員会

チケットの最新情報は公式サイトやチケットぴあなど各プレイガイドでご確認ください。

   公式サイト: https://www.promax.co.jp/kingdom-cinemaconcert/

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区東新橋一丁目6-1
電話番号
0570-040-040
代表者名
杉山 美邦
上場
東証1部
資本金
-
設立
1952年10月