まちの新規就農支援を利用し移住5年目、今年のかぼちゃ収穫量は約100トン【矢部農園】

農業も、仕事も、子育ても。自分たちらしい暮らしを白糠でつくる

北海道白糠町

北海道白糠町は、ふるさと納税を通して全国からいただく応援を農業・酪農・漁業などの一次産業のためにも活用しています。いま白糠町では、若い世代を中心に農業への様々なチャレンジが始まっており、2021年4月に白糠町へ移住した矢部 公輝(やべ こうき)さんもその一人です。2021年4月に白糠町へ移住、2026年現在、この地での農業も5年目に突入し、かぼちゃと長芋を中心に農業を営んでいます。9月中旬より収穫期を迎えたかぼちゃは、今年約100トンの収穫を見込んでいます。

このかぼちゃは、白糠町ふるさと納税返礼品として、数量限定にて受付を開始いたしました。

▶ふるさと納税ページ 「白糠町産かぼちゃ」

農業、仕事、子育てを通して輝く、矢部さんとご家族との白糠町ライフを、白糠町公式noteでご紹介しています。あわせてご覧ください

自分たちらしい暮らしを白糠でつくる

矢部さんは、北海道幕別町出身。音更町の母親の実家が農家で幼いころから農作業を手伝っていたそう。帯広畜産大学畜産学部卒業後、十勝の農業協同組合に就職。その後、2社の民間企業で働き、2021年4月、地域活性化支援員として白糠町へ移住。翌年の2022年には、現在の上庶路(かみしょろ)に自分の農地を持ちました。2026年現在、この地での農業も5年目に突入。現在は、かぼちゃと長芋を中心に農業を営んでいます。

「この畑なら、何をつくるか」

上庶路に広がる矢部農園。十勝平野の東側に隣接する地域で、海側に比べ気温が高い。(写真提供:矢部さん)

矢部さんはこう語ります。


白糠は冷涼な気候と思われていますが、海側と山側では大きく違います。海側では気温25度の時に、この農園がある山側では30~35度にもなることがあります。現在、主に栽培しているかぼちゃと長芋は、暑さを比較的好むので、この作物を選定しました。それでも、露地でつくる作物は、雨や天気の影響を受ける。暑すぎると作物がへばってしまうこともある。毎年同じように作ればいいというわけではありません。

畑を歩き、土を見て、天気を読み、その年、その場所に合った作物を考えます。水がたまりやすいところだったら、まずは排水対策。それでもダメなら、そこには作付けしない。去年病気が出た場所も避ける。その代わり、違うものを植える。

矢部さんの農業は、土地と相談しながら組み立てていく農業です。

土の状態を知ることから、農業が始まる

かぼちゃ畑の雑草は多すぎてもダメだし、刈り過ぎるとかぼちゃが日焼けしてしまいそれもダメ。(写真提供:矢部さん)

その判断を支えているのが「土の見極め」です。もともと十勝の農協で働いていた経験がある矢部さん。毎年、土壌診断を行っています。診断結果から、土に何が不足しているのかを判断。必要なものを必要な分だけ補います。


肥料は多ければ良いものではなく、過剰に入れると、流れ出して川や海など環境に影響することもある。だからしっかり計算することが大切です。

また、同じ農地内でも場所によっては石が多かったり、粘土質の土が出てきたりするそう。特に長芋は地中深くまで伸びていく作物なので、石に当たれば形が変わり、粘土質の土では生育に影響が出ます。場所によって異なる条件を把握して、その土に合わせた作物作りが必要なのです。

土を見て、天候を読み、自然と向き合いながら答えを探していく。そんな真摯な姿勢が、矢部さんの農業にはあります。

柵にツルを絡ませた長芋畑。70メートルの柵が15本並び、その地中深く長芋が育っています。

「どこにどう売るのか」を考える、矢部さん流農業

ヘタから水分が滴る、収穫したての鮮度抜群のかぼちゃ。

農業をするうえで、もう一つ大切にしているのが「売り先」です。矢部さんは現在、複数の販売先にかぼちゃを出荷するほか、長芋は道の駅や釧路の市場、ふるさと納税の返礼品としても出荷しています。

僕は出口から決めます。


「どこに、どう売るのか」を考え、その販売先が求めるものに応じて作付面積を決めるそう。例えば、今年作付しているかぼちゃの品種の一つは、糖度が一定以上になると買い取り価格に上乗せをする、という条件が決まっています。品種の特性だけでなく、天候や水分量などによっても糖度は変わります。

市場に出荷する場合、たくさん取れても単価が安かったら、あまりお金にならないこともある。販売先と単価を先に決め、そこが求めるものに応えてベースとなる収益を確保していきたい。

「つくること」だけではなく、「どこにどう届けるか」まで含めて考えているのです。

農業をやる仲間がもっと増えてほしい。

かぼちゃの花の下に、赤ちゃんかぼちゃが実を結んでいました。

規模を広げるほど大きな課題になるのが「人手」です。現在、矢部さんのかぼちゃ畑は約6ヘクタール。秋には約100トンの収穫があります。そしてなんと、そのかぼちゃは1個1個、はさみでヘタを切り人の手で収穫していくのだそう。

一つずつ収穫し、運び、コンテナに入れる。20トントラックで5台分にもなる物量です。そこで収穫期にはまとまった人数を雇い、1週間ほどの短期間で一気に作業を進める必要があります。

多い時は15~20人に来てもらい、もう人海戦術みたいなものです。


白糠の農業の未来について矢部さんはこう語ります。

農業をやる仲間がもっと増えてほしい。人が増えれば、できることも増える。


一人では難しいことも、農家同士で機械を共有したり、作業を助け合ったりすれば可能になります。また、知識や経験を共有できれば、さらに白糠町の農業を発展させられます。これまで、白糠町の農業は酪農がメインだったため、畑作に関してはこれからだと言います。


白糠で農業に挑戦したい、という人がいたら、応援したい。知識も実践も、自分が教えられることは全部、教えてあげられるから。


自分が先に経験したからこそ、これから白糠で農業を始める人の力になりたい。そんな思いが伝わってきました。

尊重しあい、助けあう夫婦像

自宅の近所を散歩する、あゆ美さんと二人のお子さん。(写真提供:矢部さん)

いま矢部さんは、妻・あゆ美さんと二人のお子さん、愛犬のドンくんと暮らしています。そして、夫婦で同じ仕事をしているわけではありません。

奥さまのあゆ美さんは静岡県出身。北海道の農業系大学に進学し、卒業後も北海道で就職。札幌や旭川などで販売職として働いてきました。矢部さんとは社会人になってから共通の友人を通して出会い、結婚後も変わらず仕事を続けています。

私は外で働きたいタイプなんです。

とあゆ美さんは言います。夫が農業をしているから、妻も農業を手伝うのが当たり前。そんな決まりは、矢部さんご夫妻にはありません。

あゆ美さんが初めて、矢部さんと共に白糠町を訪れたとき、まだ家も建っていない広い土地を見て、「ここでやるんだ」とまだ見ぬ将来への期待を感じたそうです。そして何より、景色や空気を気に入りました。

当時、牧草地だった、まだ何もない土地。ここから矢部農園がスタートしました。(写真提供:矢部さん)

「ここに住んでもいいの?」そう聞かれて、「いいよ」と迷わず答えたというあゆ美さん。もともと転勤の多い生活をしていたため、「身軽に生きていきたい」という思いもあったといいますが、白糠に来て「ここ、好きだな」と感じて、家を持つことを選びました。


私には私の生き方があって、彼には彼の生き方がある。家族として助け合いながら、お互いの生き方を尊重しています。


結婚したんだから農業を手伝って、と言われたことは一度もない、とあゆ美さんは言います。夫婦がお互いの仕事や生き方を大切にしながら、家族として支え合う。矢部さんご夫妻は白糠町での「暮らし」を、そんなふうに形づくっています。

仕事を続けながら、育休中や休日は畑作業を手伝っています。
矢部さんファミリーの一員、甲斐犬と柴犬のミックス犬、ドンくん。

子どもができてさらに増した、町の魅力

夕方5時過ぎ、こども園のお迎えの時間。この日はあゆ美さんがお迎え担当でした。

矢部さんご夫妻は、現在二人のお子さんを育てています。その中で、町からの支援のありがたさを実感していると言います。白糠町は、「子育て応援日本一」を掲げるまち。出産御祝い金から始まり、保育料・副食給食費無料、小・中・高給食費無料、18歳まで医療費全額無料など、子どもの成長に合わせて手厚いサポートが続きます。

その中で、特にあゆ美さんが挙げたのが、「こども園」の存在です。矢部さんご夫妻の両親はどちらも遠方に住んでいるため、日常的に頼ることはできません。だからこそ、地域の中で子どもを見てもらえることのありがたさを強く感じています。こども園については、あゆ美さんからはこんな言葉も飛び出しました。

私たち子育て世代への支援は、もう十分すぎるほど頂いています。なので、次はこども園の保育士さんたちをサポートして欲しい。こども園はなくてはならない存在なので、働く人がいなくなったら困るんです。

それほどまでに、あゆ美さんが頼りにし、大切に思っている場所だということです。

地域みんなで子どもの成長を支える「こども園」

学校法人二葉学園 庶路こども園 園長 尾崎ひとみ先生

白糠町に2つある「認定こども園」は、両親が働いているかどうかにかかわらず、家庭の状況に寄り添いながら子どもを受け入れています。生後6か月から預けることができ、育休中でも利用できます。家庭だけで子育てを抱え込まず、先生たちや地域と一緒に子どもの成長を見守ること。その考え方は、日々の保育や地域との交流、そして小学校との連携にも表れています。今回は、矢部さんファミリーを支える「庶路こども園」を訪ね、園長の尾崎先生に、白糠で育つ子どもたちへの思いを伺いました。


「働いているかどうか」にかかわらず、子どもを受け入れる

職員紹介のボードは親しみやすいデザインと笑顔の写真で。保護者が見やすいよう入口近くに掲示されています。

2018年、白糠町に小中一貫教育の義務教育学校「庶路学園」が開校しました。庶路こども園は、その敷地内に併設する形でスタートし、2020年には学校法人二葉学園の公私連携幼保連携型認定こども園となりました。現在は、給食員や用務員などを含めて26人の職員が働き、0歳から5歳まで約50人の子どもたちが園で過ごしています。

庶路こども園の大きな特徴の一つが、保護者が働いているかどうかにかかわらず、子どもを受け入れる取り組みです。2026年度に「こども誰でも通園制度」が全国に施行されましたが、それに先駆けて、白糠町ではこの取り組みを進めてきました。

「働いている、働いていないにかかわらず、すべてのお子さんを預かる。」そのために、まずは幼稚園の預かり時間を延ばすことから始め、少しずつ対象を広げていったそうです。その背景には、どの家庭の子どもにも、集団生活の経験や教育の機会を届けたいという思いがあります。

家庭だけではできない経験を、園で

年齢の異なるお友達と交流できるのもこども園の良いところ。

園では、同じ年齢の友達と遊ぶだけでなく、年齢の異なる子どもたちとも関わります。大きい子が小さい子を気にかけたり、一緒に遊んだり。さまざまな関わりの中で、子どもたちは少しずつ、人との接し方や集団の中で過ごす感覚を身につけていくんです。

園長先生は、家庭ではできない経験をすることが、園で過ごす大きな意味の一つだと話します。子どもにとって、遊びながら学び、人と関わりながら成長していく場所なのです。

「みんなで子育てする」という考え方

思う存分駆け回ることができる、広々とした園庭は、緑の山に囲まれ、海も見え、小さな家庭菜園もありました。

「子育てを家庭だけで抱えなくてもいい。」庶路こども園が大切にしていることの一つです。祖父母と離れて暮らしている家庭も多い今、血縁のある家族だけではなく、地域の中にいる専門家にも子育てを支えてもらう。そんな考え方が、少しずつ広がっています。

子育て支援というと、「仕事と子育ての両立」をイメージする人も多いかもしれません。でも、庶路こども園の役割は、それだけではありません。「リフレッシュのためにも利用できます。」と園長先生は教えてくれました。

子どもとずっと一緒に過ごしていると、どれだけ子どもが大切でも、心身ともに疲れてしまうことがあります。だからこそ、保護者自身が少し自分の時間を持つことも大切。それも子育てを支えることの一部だと考えています。

子育てを家庭だけで抱え込まず、必要なときには周りを頼る。そんな選択肢があること自体が、子育ての安心につながっています。園では、保護者とのコミュニケーションも大切にしています。子どもの、園での様子を伝え、家庭での様子を聞く。必要に応じて、家庭での様子や園での様子を共有しながら、その子に合った育て方を一緒に考えていきます。

白糠の自然が、そのまま子どもたちの教材に

庶路こども園では、身近な自然も大切な学びの場になっています。園の近くには小さな沼があり、そこではカエルの卵を見つけて、オタマジャクシになってカエルになる過程を観察しています。葉っぱを拾って制作に使ったり、夏は園庭の芝生の築山に上り、水遊びもします。自然の中で遊び、生き物に触れ、子どもたちは身近な環境そのものから学びを得ます。

また、白糠ならではの海とのつながりもあります。園では海岸清掃にも取り組み、海に流れたごみが生き物に与える影響について学びます。実際に海岸へ行き、ごみや流木、貝殻などを拾い、持ち帰ったものを制作に使うことも。「自然を大切にする」と教えるだけではなく、自分たちで見て、触れて、体験する。その経験が、子どもたちの記憶になっていきます。

その他にも、年に一回、アイヌ文化について学び、歌や踊りなどを体験したり、ふるさと納税をテーマに、子ども達が船や返礼品を作って遊んだり。自分たちが暮らす町を身近に感じられる機会を作っています。町の取り組みと、子どもたちの日常が、自然につながっていく。そんな「地域の中で育つ」という感覚が、庶路こども園にはあります。

大きな「きょうだい」として育つ

園内で作り、出来立てが提供される給食。子どもたちが育てた家庭菜園の野菜が使われることもある。

庶路こども園ならではの大きな特徴が、隣接する9年制の義務教育学校「庶路学園」とのつながりです。ふだんから連携をしていて、園児が学校の見学に行ったり、学校の児童が園に来て絵本を読んだりするなど、交流も盛んです。保護者にとっても、連携して子どもの成長を見守ってくれる教育環境は安心が大きく、庶路こども園を卒園したほとんどの子どもが、庶路学園へ進学するそうです。

まるで大きな「きょうだい」のように地域の中で育っていく子どもたちを、見守り、その成長を支える大人たちが、地域のなかにいます。

いつまでも「ふるさと」と思ってもらえるように

楽しい思い出をたくさん作ってあげたい、と園長先生は言います。


ここの子どもたちは、いつか巣立っていきます。いつか白糠を思い出したときに、「ここが自分のふるさとだ」と感じてもらえたら。町を離れても、白糠で過ごした時間が心に残っていてほしい。だからこそ、今、できるだけたくさんの楽しい思い出をつくってあげたい。そんな思いで、子どもたちの日々を見守っています。


「白糠で暮らす」ということは、家族だけで完結するものではありません。子どもを見守る保育士がいて、相談に乗ってくれる先生がいる。一緒に遊んでくれるお兄さん、お姉さんがいて、自然や海、地域の文化に触れる機会がある。そして、「大きくなったね」と、成長を見守ってくれる町の人がいます。そんな人とのつながりに囲まれて子どもが育つこと。それは、制度の数字だけでは見えない「地域で子育てする」ということの豊かさです。

矢部さんファミリーのある一日

〇北海道白糠町への移住定住/新規就農支援/子育て支援

https://shiranuka-iju.jp/

〇矢部農園Instagram

https://www.instagram.com/yavege_nukka

〇白糠町認定こども園

https://shiranuka-iju.jp/learn/childrens-center/

〇北海道白糠町ふるさと納税サイト

https://shiranuka-furusato.jp/

北海道白糠町のご紹介

白糠町は北海道の東部に位置する人口約7,000人のまちです。アイヌの言葉で「岩磯のほとり=シラリカ」が町名の由来です。豊かな自然に恵まれ漁業、林業、酪農などが盛んです。太平洋沖の暖流と寒流が交わる絶好の漁場にあり、1年を通じて様々な海産物が獲れます。茶路川、庶路川、音別川と鮭が産卵に帰ってくる川が3本もある恵まれた立地から「秋鮭」「いくら」の漁獲量が高く、ふるさと納税の返礼品としても高い人気を誇っています。近年は「ブリ」の漁獲量が増え、「極寒ぶり®」として新たな名産品の一つになっています。

白糠町ホームページ:https://www.town.shiranuka.lg.jp/

白糠町公式note:https://note.com/_shiranukacho/

公式Instagram:https://www.instagram.com/shiranukacho_hokkaido/

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本社所在地
西一条南1丁目1番地1号
電話番号
0154-72-2171
代表者名
棚野孝夫
上場
未上場
資本金
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設立
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