PHRサービス活用で特定健診受診率向上に挑む
古河薬剤師会(茨城県)とharmoが協定締結 アンケート結果・ホワイトペーパー公開
1. harmoと古河薬剤師会の取り組みの背景
近年、疾病予防と健康づくりの重要性が増している中、2019年に厚生労働省が策定した「健康寿命延伸プラン」は、2040年までに健康寿命を3年以上延ばし、75歳以上にすることを目指しています。この計画の一環として、特定健診受診率を60%にする目標が設定されました(※1)。しかし、令和4年度の古河市エリアの特定健診受診率は32.9%にとどまり、大きな乖離が見られました(※2)。
この課題に対処するため、古河薬剤師会は令和5年度の茨城県事業に参画し、特定健診未受診者への受診勧奨事業の一部を実施しましたが、データを効率的に取得・分析する仕組みを、薬剤師が業務の中で構築していくのは、ハードルが高いことが分かりました。そこで、特定健診の受診に関する住民の課題を把握するため、地域単位でPHRの普及実績があるharmo株式会社と古河薬剤師会が協業してアンケート調査を行いました。
※1:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000188316.pdf
※2:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/material/files/group/19/2ji_hokenjigyousougoukeikaku.pdf
2.アンケート調査の概要
本調査は、電子版お薬手帳を基盤としたPHRサービス「harmo(ハルモ)」のスマホアプリユーザーのうち、全国の40歳以上~75歳未満の方1,857人に協力いただき2024年1月25日~2月22日の期間に「特定健診の受診や勧奨に関するWebアンケート」の調査を行いました。以下、調査結果を一部公開します。
2-1.特定健診未受診者の3人に1人が案内で受診の可能性あり
過去3年連続で特定健診を受診してない方238人のうち、「案内や声をかけられたら受診すると思う」と回答した方が33.6%(80人)と、3人に1人は何らかの勧奨が受診行動につながる可能性があることが示唆されました。
2-2.薬局職員は特定健診勧奨の認知度が低いことが判明
次に、「特定健診の対象者へ受診を勧めるのに適当と思う者」の質問では、「家族」の回答が89.6%(1,664人)と最も高く、「所属会社」54.3%(1,009人)、「友人」52.0%(966人)と続き、「薬局職員」は9.4%(175人)と最も低く、一般的には薬局は特定健診の勧奨を受ける場として想起されにくいことが分かりました(図1)。
2-3.受診後のアフターフォローを期待
特定健診に関して薬局(薬剤師)に期待するサポートをみると、「特定健診の検査結果に基づいた薬の説明やアドバイス」が46.8%(869人)と最も高く、次いで「特定健診の検査結果に応じた生活習慣の改善提案」31.5%(585人)というように、受診後のアフターフォローへの期待感がうかがえました(図2)。
3.アンケート調査の総括
今回のアンケート調査を通して、「特定健診の受診」において、3人に1人は何らかの勧奨が受診行動につながる可能性があるにも関わらず、薬局職員から受診を勧められることを住民は想起しにくい現状がある一方で、受診後の薬学的知見を活かした特定健診の結果の説明や、アフターフォローを薬剤師に期待している様子が確認されました。
4.今後の展望
今後、古河薬剤師会では地域住民と薬局との接点の機会としてharmoを活用していく予定です。具体的には、harmoのスマホアプリを通して住民に特定健診を啓発したり受診勧奨をおこなったり、また特定健診データを統計データとして地域単位で分析して住民の特定健診受診率の向上に向けた施策の強化などに活用していく予定です。
さらに、PHRサービスを地域に展開することにより、地域の病院と薬局における入退院時の情報連携などにも活用を広げていくことを目指しています。harmoと古河薬剤師会は2024年7月1日に協定を締結し、これらの取り組みを加速させていきます。
5. ホワイトペーパーダウンロード
本プレスリリースでは、結果の一部を抜粋しております。全文は下記URLからダウンロードしてご確認ください。
6.代表者コメント
・古河薬剤師会 会長 田村 美帆
医療DX化の恩恵を地域の住民全体が受けられる環境を整える必要があると考えています。例えば、継続的な特定健診や保健指導の実施が健康に寄与することはエビデンスとなっていますが、地域の実態とは乖離があります。地域課題を対象に、地域薬剤師会と協業の実績があるharmo社と連携し、特定健診をはじめとする地域課題解決に向けて取り組み、地域住民の健康向上や医療の質の向上に貢献したいと思います。
・harmo株式会社 代表取締役 Co-CEO 石島 知
私たちharmoは、古河市・境町・五霞町の地域医療の質向上と住民の健康促進を目指し、古河薬剤師会と協力できることを大変光栄に思います。本協定を通じて、特定健診受診率の向上を図り、生活習慣病予防に寄与することは、地域の皆様の健康維持にとって重要な一歩です。PHRサービスの普及を通して、住民の皆さまの健康管理をより身近なものにしていただけるよう、全力で取り組んでまいります。
7.取り組み団体、企業について
・古河薬剤師会
古河薬剤師会は古河市・境町・五霞町の地域薬剤師会です。
代表者:会長 田村 美帆
所在地: 〒306-0202茨城県古河市稲宮1011-3 共創未来総和薬局内
窓口 :地域連携事業委員会委員長 副会長 宇田和夫
・harmo株式会社
harmo株式会社は、個々人の医療・健康情報を個人やご家族が活用可能なサービスを開発・提供しています。電子版お薬手帳を基盤としたPHRサービス「harmo(ハルモ)」はスマホアプリケーションおよび専用ICカードを合わせ約44万人の利用者を擁し(2024年1月現在)、全国2万軒以上の薬局で利用実績があります。また、川崎市・神戸市・豊中市・さいたま市・滋賀県などでは、地域の薬剤師会と協業し、地域住民の健康増進に資する活動を展開しています。
・harmo株式会社の所属するシミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器などの海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC("Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。
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