日本音楽著作権協会(JASRAC)、YouTube動画の楽曲特定についてフィンガープリント事業者2社と契約を締結
膨大な楽曲が利用される配信サービスの中でも、幅広い二次利用、二次創作によるコンテンツが公開される動画投稿サービスにおいて、利用楽曲を正確に特定することは、音楽クリエイター等の権利者への分配の質を高める上で、重要な課題となっています。
音源データから作成した波形データをもとに楽曲特定を行うFP技術は、楽曲特定の有力な方法で、配信事業者や放送事業者からの利用楽曲報告において活用が進んでいます。
JASRACでは、一般社団法人日本音楽出版社協会(MPA)等とともにFP技術の実証プロジェクトを実施(2017年)、店舗での利用楽曲を自動特定するデバイスのトライアルを実施(2021年)するなど、FP技術の検証、活用を進めています。
YouTubeでは、配信サービスの中でもとりわけ多くの楽曲が利用されており、JASRACは、YouTubeの「Content ID」の活用を進める(既報:2月10日プレスリリース)とともに、Content IDで検知されなかった利用楽曲の特定について、国内外のFP事業者と検証を進めてきました。
この結果、世界の著作権管理団体や音楽企業での採用実績があるBMAT(バルセロナ)およびORFIUM(ロサンゼルス)の2社との契約締結に至りました。両社の優れたFP技術を活用することで、より幅広い楽曲をより高い精度で特定できるようになることが期待されます。
JASRACは今後も、テクノロジーの積極活用と国内外のパートナーシップを通じて、音楽著作権管理の水準を高めてまいります。
◆BMATおよびORFIUM のコメント(敬称略)
イニゴ・ウガルテブル(BMAT CEO)
この度JASRACとのコラボレーションを発表できることを大変嬉しく思っております。私たちのパートナーシップは単なるビジネスの取り組みにとどまるものではありません。公平性、透明性、音楽クリエイターへの揺るぎない支援という原則を深く重視するふたつの事業体の固い連合です。弊社の先進的なテクノロジーによって、JASRACは複雑なデジタル環境に対処し、YouTubeにおいて自らの音楽レパートリーを追跡・管理する包括的なソリューションを提供することができます。さらにこのパートナーシップによって、世界中の集中管理団体の力になるという私たちの取り組みを一層強化いたします。
ロブ・ウェルズ(ORFIUM CEO)
ORFIUMとJASRACのパートナーシップは、アジアの音楽市場がUGCプラットフォームにおける音楽収益化のメリットを実感し始めている中で、アジアの音楽市場にサービスを提供するという当社の使命における重要なマイルストーンです。私たちは、AIと機械学習によって可能になった最先端のテクノロジーを駆使して、日本のソングライターや出版社、そしてより広い業界の利益還元に努めます。今回の契約は、日本の音楽とJASRACの豊富な作品カタログが世界中でかつてないほどの露出と評価を受けている時期に行われ、そのグローバルなサクセスストーリーを生かすためのパートナーとして選ばれたことを嬉しく思います。
■一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)について
JASRACは作詞家、作曲家、音楽出版社等の権利者から音楽の著作権の管理委託を受け、音楽を利用する方々に利用を許諾し、その対価としてお支払いいただいた著作物使用料を著作権者に分配しています。1939年に国内初の著作権管理団体として設立され、80年以上にわたり、著作権管理のプロフェッショナルとして音楽文化の発展に向けた努力を続けています。
団体名 :一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)
代表者 :理事長 伊澤 一雅
本部所在地:東京都渋谷区上原3-6-12
設立 :1939年11月18日
URL :https://www.jasrac.or.jp
事業内容 :音楽の著作物の著作権に関する管理事業、音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡及び著作権の相互保護、私的録音録画補償金に関する事業、著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究、音楽文化の振興に資する事業
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