生活保護受給者の6割が"後ろめたさ"を感じ、食事を諦める人は67.2%誰にも頼れない93%の孤独な現実。不正受給者への怒りも!
~生活保護受給者552人に聞いた「生活保護に関する意識・実態調査」を発表~
「日本を下から支える」というミッションを掲げる株式会社アーラリンク(所在地:東京都豊島区東池袋、代表取締役:髙橋翼)は、通信困窮者と呼ばれる携帯電話未所持が原因で日常生活を送ることが困難になった方々を救うための携帯電話サービス「誰でもスマホ」を提供するほか、あまり知られていない通信困窮という社会課題に目を向けていただくため「誰でもスマホ リサーチセンター」としてその生活実態の情報発信を行っています。このたび「誰でもスマホ」を利用する生活保護受給者を対象に「生活保護に関する意識・実態調査」を実施いたしましたので発表いたします。
<調査背景>
なかなか止まらない物価高騰。電気・ガス料金は4月使用分(5月請求分)から値上げ、生活必需品の値上げや冷房の使用開始も重なり、政府の補助が発表されても生活困窮層にとって6月以降は一層厳しい状況となると予測されています。「誰でもスマホ」は、その利用者の約過半数が生活保護受給者です。生活保護制度は、困窮者の命と暮らしを支える最後のセーフティーネットですが、その運用や社会的認識には依然として課題が残されています。生活困窮者の“声”を社会に届けることで、制度の理解促進とより良い運用の一助となることを願います。
【今回の調査結果のポイント】
●「生活保護は仕方ないけど後ろめたい」が6割超。食事・通院・相談を諦めている人も
●約半数が生活保護制度を「良い」と評価。物価高、外国人受給などに不満の声
●友人・家族にも話せない人が過半数。 「本当に困っても頼れない」 93.5%
●「不正受給で肩身が狭い」当事者の本音。「働きたいのに、働けない」48.9%
「生活保護は仕方ないけど後ろめたい」6割超。食事・通院・相談を諦めている人も
Q. 生活保護を受給するあなたの気持ちをお答えください。(n=552、単数回答)

まずはじめに、生活保護を受給している全国の「誰でもスマホ」利用者552人に生活保護を受給する気持ちを聞いてみました。その結果、「少し後ろめたいが仕方ない」が60.7%で最も多く、「当然の権利だと思う」21.4%、「恥ずかしいと思う」12.1%となりました。
また、その生活状況を把握するために経済的なことが理由で諦めた経験を聞いたところ、一般生活ではあまりないことですが「誰かに相談することを諦めた」38.9%、「光熱費(電気・ガス・水道)を節約しすぎて健康に影響が出た」36.8%、「病院に行くことを諦めた」34.8%と、3人に1人が生活に困っている状況や孤立状態ということが判明。「十分な食事をとることを諦めた」においてはなんと67.2%にのぼります。そのほか、5人に1人となる25.2%が「働くことを諦めた」とも回答し、困窮の淵から抜け出しにくい状況がうかがえます。
Q. 経済的な理由で、次のようなことを諦めた経験はありますか?(n=552、複数回答)

約半数が生活保護制度を「良い」と評価。物価高、外国人受給などに不満の声
続いて、生活保護制度について聞いてみました。日本の生活保護制度への評価は、「非常に良いと思う」「まあ良いと思う」と合わせて48.0%が「良い」と回答。「全く良いと思わない」「あまり良いとは思わない」は合わせて27.0%が「良くない」と回答しました。
Q. 日本の生活保護制度について、どのように評価しますか?(n=552、単数回答)

その評価や改善が必要なことについて自由回答で聞いたところ以下の通りです。評価できる点について全体では「最低限の生活が保障されること」、病気で働けない人も多いことから「諦めていた病院に通えること」に関する評価が多くあげられました。また、改善して欲しい点は、「外国人の生活保護受給」、「物価高騰に伴う支給金の見直し」「不正受給対策」など制度課題として話題になっていることのほか、「自動車の所有」や「支給条件や手続き」など柔軟な制度運用など多岐にわたる意見があがっています。
<日本の生活保護制度について・評価できる点(自由回答)>
●病院代が無料になる、家から病院までの交通費が支給される、水道代が免除される、ごみ袋が支給される、住民票等の必要な書類が無料で取れる。(東京都、30代、女性)
●生活保護をいただく前は病院に通えず心身ともにボロボロ、持病も悪化し、週に一回ごはんが食べられたらいい方という生活だったので、それが改善したのがうれしいです。(京都府、30代、女性)
●定期訪問などで(結果的に)安否確認を公にしてもらえる。(三重県、30代、男性)
●就職して安定するまで家賃と水道代を援助してくれているから助かる。(東京都、50代、男性)
●家賃扶助や最低限にご飯が食べられて光熱費が払えるところ。(愛知県、50代、女性)
●住む所がなければ、ホームレスよりまともな最低限の生活が出来る施設がある事。体を壊してもお金の心配なく病院に行ける所。(埼玉県、50代、男性)
●家族と絶縁していても、制度を受けられること。(東京都、30代、女性)
●最後の砦というか…生活が困窮している時の…セイフティーネットだと思います。(神奈川県、50代、男性)
<日本の生活保護制度について・改善して欲しい点(自由回答)>
●外国人じゃなくて本当に困っている日本人に生活保護を受給して欲しい。(兵庫県、30代、男性)
●物価高騰が続き食材が買えないので経済状況に合わせ支給金や物資を提供してほしい。(東京都、30代、女性)
●冬の暖房費から夏の冷房費に変更してほしい。(愛知県、50代、男性)
●病気等で働けない人と個人的な理由で働かない人の保護費の金額を考えて欲しい。(東京都、50代、女性)
●担当者が何年に1回は代わる事と毎年管理会社に賃貸証明書を書いて貰うのが不便。(栃木県、50代、男性)
●車の使用また保持がダメなのは不便な所に住んでいる人は自分も含めて大変な思いをしている。特に冬は大変な思いをしているのも又事実です。(北海道、60代、男性)
●病院へ行きたくても、事前にケースワーカーに言って受診票をだしてもらわないとダメで、どの病院を受診するのか、全て自分でやらないといけないから、具合い悪くても直ぐには行けないのがつらい。(東京都、50代、女性)
●受給の金額を上げて欲しい。整骨院、接骨院を受診出来る様にして欲しい。(神奈川県、40代、男性)
●孤立させないようにすること。ハローワーク以外にも就活支援の制度の設計。(大阪府、60代、男性)
●脳梗塞で仕方なく受けたが車とバイクを処分され、退職金も生活保護に充てられ、再就職に難がでてしまい前職に復帰できなかった。全ての資産を処分というのは少し考えてもらいたい。(新潟県、50代、男性)
●生活保護費を貰えるのに味をしめて健康で働けるのに全く働く意欲の無い人には金額を減らして受給して欲しい。
周りに生涯受給生活する気満々の人が何人かいます。(京都府、50代、男性)
友人・家族にも話せない人が過半数。 「本当に困っても頼れない」 93.5%
生活保護は全ての国民に最低限度の生活保障と自立の助長を行う制度ですが、受給者へ世間からの風当たりが強いのも実情です。受給していることを周囲の人に伝えているかを聞いたところ、「友人には話している」「家族には話している」はともに41.5%となり、家族や友人といった身近な人でさえ過半数以上の人が「話せていない」ことがわかりました。「誰にも話せていない」も26.5%と、5人に1人は自分ひとりでその状況を抱えてしまっています。
Q.生活保護の受給を、周囲の人に伝えていますか?(n=552、複数回答)

Q.「本当に困っても、助けてくれる制度や人がいない」と感じたことはありますか?(n=552、単数回答)

「本当に困っても、助けてくれる制度や人がいない」と感じたことについては、「何度も感じたことがある」が60.3%と過半数以上を占め、「ときどき感じることがある」23.2%、「一度は感じたことがある」10.0%も合わせると93.5%と、ほとんどの生活保護受給者が社会的孤立を感じた経験があるようです。
「不正受給で肩身が狭い」当事者の本音。「働きたいのに、働けない」48.9%
最後に、「生活保護の不正受給」についてどう思っているかを聞いてみました。「不正受給をしている人のせいで肩身の狭い思いをしたり支援が必要な人に届かなかったり申請を躊躇ってしまうことが起きてしまいそう。」、「不正受給額返金だけでなく、重い刑事罰を与えるべき。」、「制度自体がしっかり確立されていないから不正受給が生じる。」など、さまざまな意見が上がりましたが、自身が生活保護を受給している立場としては複雑な心境のようです。
生活保護を受給する自身の気持ちに関する最初の質問で「少し後ろめたいが仕方ない」60.7%、「恥ずかしいと思う」12.1%と7割以上は「後ろめたさや恥ずかしさ」を感じていますが、「働く意欲」については、約半数の48.9%が「働きたい気持ちはあるが、体力や健康・環境に不安がある」と答えています。「生活のために、できるだけ安定して働きたい」28.6%、「働くことで自分に自信を持ちたい、生活にハリを持たせたい」9.6%と、前向きに努力をしている人も多いのも事実です。生活保護を受給せざるを得ない状況や貧困から自立しようと頑張る人にも目を向け、セーフティーネットとしてのより良い生活保護制度を考えていくことが重要といえそうです。
<Q.生活保護の不正受給者についてどう思いますか?(自由回答)>
●本当に必要として受けている人が不正受給をしている人のせいで肩身の狭い思いをしたり支援が必要な人に届かなかったり申請を躊躇ってしまうことが起きてしまいそうだから不正受給は止めていただきたい。(千葉県、30代、男性)
●受けたくっても受けられない人、働きたくても働けない人、様々な事情を抱えて生きています。不正受給額返金だけでなく、重い刑事罰を与えるべきだと思います。(埼玉県、50代、男性)
●良くは無い。制度が複雑すぎて意図せず不正な受給になる場合が稀にある。(東京都、50代、男性)
●どうしても、生活保護に頼らなければ、生きていけない人(身体的に働けない)にとって迷惑極まりないです。生活保護を受けているっていうだけで、不正受給しているのではという目で見てくる人もいます。(埼玉県、30代、女性)
●不正受給のニュースが出るたびに生活保護受給者への風当たりが余計に強まるような気がするからしんどいなと感じる。(北海道、30代、女性)
●働けるのに、不正をして楽な生活を送っている人やお酒やギャンブルに使ったり、おかしい生活をしている人が多い。ちゃんとしたほうがいいと思います。(鳥取県、50代、男性)
●不正受給などが発覚するから本来困っている人達が生活保護を受けられずにいるのも現状です。働きたくても働けず、最低限な生活費で生活を送っている身にもなってほしい。(群馬県、50代、女性)
●制度自体がしっかり確立されていないから不正受給が生じる。(北海道、60代、男性)
●バレなきゃいいという風潮が蔓延しているのでどうしよもないし、ケースワーカーの訪問確認頻度が極端に少ないので不正受給などやったもん勝ちだと思う。(愛知県、50代、男性)
●国の税金で助けて貰っている立場として…不正受給は良くないと思います。(神奈川県、50代、男性)
Q.あなたが「働きたい」と思う理由や気持ちに最も近いものを教えてください。(n=552、単数回答)

<調査概要>
1.調査方法:全国の「誰でもスマホ」利用者へWEBアンケートフォームを送付
2.調査対象:生活保護を受給している全国の「誰でもスマホ」利用者(有効回答数:552人)
3.調査実施日:2025年5月23日(金)~5月28日(水)
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
●引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「誰でもスマホ リサーチセンター」が実施した調査結果によると…」
「誰でもスマホ リサーチセンター」について
生活困窮者の自立支援を目的とした携帯電話・スマホサービス「誰でもスマホ」。携帯電話・スマホを持つことができない、まだあまり知られていない通信困窮者という社会課題を解決するには困っている方々の実情を情報発信することが重要と考え、「誰でもスマホ リサーチセンター」を開設いたしました。「困っている方の声なき声をお届けする」ための活動として、生活困窮者のアンケート結果や声を届けてまいります。 報道関係・メディアのみなさまへはリサーチや取材の受付も行っておりますので、お気軽にお問合せください。
「誰でもスマホ リサーチセンター」に関するお問い合わせ:https://www.a-sas.ne.jp/press
<運営会社> 株式会社アーラリンク https://www.ala-link.co.jp/
●代表取締役:代表取締役 髙橋 翼
●所在地:東京都豊島区東池袋3-21-14 NTT新池袋ビル9階
●事業内容:「通信困窮者」と呼ばれる携帯電話未所持が原因で、日常生活を送ることが困難な方々を救うための携帯電話サービス「誰でもスマホ」を展開。時代のニーズに合ったサービスを通じて、より多くの困っている人々を救い、その先にある幸せそのものを届けることを目指しています。今後は携帯電話に限らず、さまざまな事業を拡大していきます。
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