「LEXUS DESIGN AWARD 2021」より良い未来を創造する入賞6作品のプロトタイプ完成
次世代を担う世界のクリエイターを育成・支援することを目的とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2021」の入賞6作品のプロトタイプが完成しました。2021年1月に発表された本アワードの6組の入賞者は、世界的に著名なメンター陣から約3ヶ月にわたる継続的な指導を受け、当初のアイデアをブラッシュアップして、今回披露されるプロトタイプに最終的に仕上げました。今年のメンターはジョー・ドーセット氏、サビーネ・マルセリス氏、マリアム・カマラ氏、スプツニ子! 氏の4名が務めています。より良い未来を創造する革新的な6つのアイデアの中から、4月中旬の選考会でグランプリが決定されます。
LEXUSはこのメンタリング制度を、入賞者の今後の活躍を支える重要な要素として位置付けています。6組の入賞者はメンターの多様な視点や経験に刺激を受け、対話を重ねながら自身のアイデアを見直し、磨き上げてきました。それぞれのアイデアはこの3カ月間でより革新的に進化しており、入賞者にとって、第一線で活躍する先輩クリエイター直々のメンタリングを受けたことが、より良い未来に貢献する、更なる革新的なアイデアの一助になると考えています。
メンターを務めるマリアム・カマラ氏は、「短期間で入賞者のみなさんが重ねた努力にとても感心しました。私達メンターのアドバイスやフィードバックを貪欲に取り入れながら、アイデアをより良いものにするべく情熱と向上心を見せてくれました。自分たちのアイデアが持つ社会への影響力や効果を探求し、実現させようとしています。より良い未来に貢献しようとする想いは素晴らしく、その努力と成果にとても心を揺さぶられました。」とコメントしました。
入賞者は完成したプロトタイプを本アワードの4名の審査員、パオラ・アントネッリ氏、ドン・ゴン氏、グレッグ・リン氏、サイモン・ハンフリーズ氏に対してプレゼンテーションし、6作品の中からグランプリが決定されます。グランプリの発表は4月27日(火)を予定しています。
LEXUS DESIGN AWARDの詳細に関しては、下記サイトを参照ください。
ホームページ:https://lexus.jp/brand/lexus-design/design_award/
公式ハッシュタグ:#lexusdesignaward
◆LEXUS DESIGN AWARDについて
2013年に創設されたLEXUS DESIGN AWARDは、世界中の新進気鋭のクリエイターに焦点を当てる国際デザインコンペティションです。より良い未来を形成する力を持った作品を制作するデザイナーやクリエイターを支援することによって、社会に貢献するアイデアを育むことを目的としています。
同賞は、世界的に認知された一流のデザイナーをメンターとして、提案したデザイン案のプロトタイプ化に取り組む貴重な機会を6組の入賞者に提供します。
LEXUS DESIGN AWARD 2021 FINALISTS
作品名 CY-BO
細胞の接合から着想を得た再利用可能な梱包材で、梱包以外にも多様な用途に活用可能
生物の細胞の接合から着想を得た新しい梱包材で、ピースを組み合わせることで、さまざまな形状に変化させることができる。何度でも組み替えて再利用でき、アイデア次第で小物やインテリアなど、梱包材以外の用途にも活用できる。
受賞者名 阿部憲嗣
出身国 日本
多摩美術大学でプロダクトデザインを専攻し、2013年に卒業。東京を拠点に活動するプロダクト・デザイナー。映像製品のデザインの仕事を行うかたわら、個人的なデザイン活動も展開。人間、自然、動物、そして地球のより良い未来の創造に関心を持ち、人類が直面している問題に対する美しい解決策を、デザインを通じて提案したいと考えている。
作品名 Heartfelt
離れていても相手の存在を感じられることで、孤独を和らげるデバイス
パンデミックの時代における、“人が存在すること”がもつ意味を探求し、ひとりでいることによる不安や精神的なストレスを和らげようとする。このデバイスが愛する人の鼓動を反映し、精神的なサポートや人と人とのつながりを促す。
受賞者名 ゲイル・リー&ジェシカ・ヴェア
出身国 ニュージーランド&トンガ(活動拠点:ニュージーランド)
オークランド工科大学でクリエイティブテクノロジーの学士号を取得し、同修士号の取得を現在目指すユニット。人々の助けになる意義ある作品の創作や、異なる分野・実践の場を繋ぐコラボレーションの促進に熱心に取り組んでいる。
作品名 InTempo
ストレスを感じる状況で、気持ちを落ち着かせることを助けるスマートフォンカバーとアプリ
人前や公の場での精神的な不安感(パニック障害、社交不安障害など)に苦しむ人を支援するためのスマートフォンカバーとアプリ。音楽のリズムに合わせて、カバーの特定の部分に触れることで、今置かれている状況から意識をそらし、気持ちを落ち着かせることができる。
受賞者名 アリーナ・ホロヴァチュク
出身国 ウクライナ
キエフの国立大学で建築情報技術の研究を続ける若手建築家。人間の感情と、人間が世界をどう捉えているかを重点に置きデザインにアプローチする。
作品名 KnitX
ジェスチャー・音・触覚に反応する、インタラクティブな電子テキスタイル
日常生活で用いる繊維に、ジェスチャーや音、触覚に反応する機能を組み込むことで、触覚やジェスチャーに反応して音楽を奏でることができる布や、ダンスと音楽が共鳴するインタラクティブなカーペットなどを制作 。
受賞者名 イルマンディ・ウィチャクソノ
電気・テキスタイルのエンジニア兼デザイナー。現在、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの博士課程在籍中。人間とコンピューターのインタラクションなど、さまざまなアプリケーションに対応するテキスタイルベースの電子工学の開発に焦点を当て、研究を行っている。
作品名 Portable Solar Distiller
持ち運び可能で高度な技術を必要としない、太陽光を活用した蒸留装置
太陽光を活用して汚れた水や海水を蒸留するためのソリューションで、高度な技術を必要としないようデザインされている。新鮮な水を提供すると同時に、人々が集い日差しを避けるためのコミュニティ建築の役割も果たす。軽量で多様な構造は、地域の環境や人々のニーズに応じて多様な素材、方法で制作することができる。
受賞者名 ヘンリー・グロガウ
出身国 ニュージーランド-オーストリア(活動拠点:デンマーク)コペンハーゲンにあるデンマーク王立芸術アカデミーを卒業。修士課程では建築と極限環境を専攻し、さまざまな場所に遠征し現在と将来の地球規模の課題を探求した。現在はコペンハーゲンのデザイン会社GXNで建築家として働いている。
作品名 Terracotta Valley Wind
電車による風力を活用したテラコッタ素材の気化熱による、地下鉄の駅構内向け冷却システム
テラコッタ素材による気化熱を利用して夏場の地下鉄駅構内を冷却させるシステムで、エネルギー消費の削減に貢献。安価で入手しやすく、水分を素早く蒸発させるテラコッタの特質と、列車がホームに入ってくる際に発生する風力という、これまで利用されていない資源に着目した。
受賞者名 Intsui Design(シンガイ・カク、ホカ・セイ、イチライ・ロ、ウ・チョウ)
出身国 中国(活動拠点:日本)
東京を拠点に活動するプロダクトデザイングループ。多摩美術大学・統合デザイン学科で修士課程に在籍中の4名より成る。人々の直感と、モノや環境に対する自然な反応に焦点を当て、人間の潜在意識的な行動とデザインの関係を探求する。
LEXUS DESIGN AWARD 2021 審査員プロフィール
パオラ・アントネッリ(PAOLA ANTONELLI)
ニューヨーク近代美術館 (MoMA) 建築・デザイン部門シニア・キュレーター
ニューヨーク近代美術館(MoMA)建築・デザイン部門のシニア・キュレーター兼研究開発部門責任者。デザインが世界に好影響を与えることが普遍的な理解として浸透することを目的に活動している。デザイン、建築、アート、科学、テクノロジーを融合し、見過ごされがちなモノや習慣を含む日々の生活におけるデザインの影響力を追求する。これまでに多数のイベントのキュレーション、本の執筆、世界各地での講演を行う。過去、ハーバード大学やカリフォルニア州立大学ロサンゼルス校などで教鞭を執った。2019年の第22回ミラノトリエンナーレ(本展示会で開催され、現在MoMAにて縮小形式で展示されている「Broken Nature」では同氏が人と自然・生態系のバランスを修復するデザインをキュレーション)に続き、建築家ネリ・オックスマンの作品展示会「Material Ecology」をMoMAで開催。現在は、MoMA R&Dサロンの新セッションのほか、デザイン評論家のアリス・ローソーンと一緒にInstagramアカウント@design.emergencyを開設し、COVID-19のパンデミックにおけるデザインの役割をテーマにした活動に取り組んでいる。
ドン・ゴン(DONG GONG)
建築家 / ヴェクター・アーキテクツ代表・創設者
2008年にヴェクター・アーキテクツ創設。以来、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展「2018 FREESPACE」をはじめ、多様な展示会で作品を発表し、世界的な評価を高めている。その功績として、アメリカで発売されている建築とインテリアデザイン専門誌であるARCHITECTURAL RECORDが授与する「Design Vanguard」(2014)、「the Overall Winner of Italian Archmarathon Awards」 (2016)、「Swiss Architectural Award」(2018)、さらにデザイン誌Domusが選出する「100+ Best Architecture Firms」(2019)の受賞など国際的な賞を数多く獲得している。
また、大学や学術機関、専門機関などでゲストスピーカーや評論家として登壇することも多く、清華大学(中国)、イリノイ大学(米国)、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、フランス建築家協会など世界中で活動。2019年にヴェクター・アーキテクツは、著名な建築ジャーナルAV Monographsにて「Cosmopolitan Vernacular」(vol.220)と題した研究論文を発表した。代表作品には、「Seashore Library」「Seashore Chapel」「Alila Hotel in Yangshuo」「the Renovation of the Captain’s House」「Changjiang Art Museum」そして「Suzhou Intangible Cultural Heritage Museum 」などがある。
グレッグ・リン(GREG LYNN)
建築家/ピアジオ・ファストフォワード最高経営責任者
グレッグ・リン・フォームの創設者兼オーナーであり、ロボット会社ピアジオ・ファストフォワードの共同創設者兼CEO。高性能ヨットやロボットのほか、Vitra、Alessi、スワロフスキー、Nikeなどのブランドとのコラボレーションで家具や消費者向け製品のデザインも手がける。
数多くの企業の役員や諮問委員会の委員や、カナダ建築センターの評議委員会で委員を務める。
2008年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で最優秀賞の金獅子賞を受賞、また、同建築展のパビリオンにアメリカ代表として2度出展。その他の主な受賞に「American Academy of Arts and Letters Architecture Award」(2003)や United States Artistsからのフェローシップ授与(2010)などが挙げられる。また、ウィーン応用美術大学教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授、2000年から2016年までイェール大学ダヴェンポートカレッジ教授、チューリッヒ工科大学教授、コロンビア大学非常勤講師、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)客員教授などで教鞭を取っており、9冊の著書も執筆している。
サイモン・ハンフリーズ(SIMON HUMPHRIES)
HEAD OF TOYOTA & LEXUS GLOBAL DESIGN
LEXUSのグローバルデザインを統括する立場にあり、日本の文化・伝統を取り入れながら人々を魅了するデザインの方向性を構築し、ブランド哲学という形でブランド独自の価値を策定している。
1988年に英国王立技芸協会の製品デザイン部門での受賞をきっかけにソニーに入社。在職中に日本でデザイナーとして働くこと・生活することに魅了される。
1994年にトヨタ自動車入社以来、デザイン領域でリーダーシップを取り、LEXUSブランドのアイコンとなったスピンドルグリル構築の一翼も担う。2016年にED2(Toyota Europe Design Development)の社長に就任、「自動車会社」から「モビリティカンパニー」へと移行するなかで、トヨタe-Paletteコンセプトなど将来モビリティデザインに着手。2018年に帰国後、デザインの領域長としてトヨタ・LEXUS双方のデザインの指揮を執っている。プライベートでは日曜大工を楽しみ、100年前の日本農家の復元にも挑戦している。
LEXUS DESIGN AWARD 2021 メンタープロフィール
ジョー・ドーセット(JOE DOUCET)
デザインエンジニア/ジョー・ドーセットXパートナーズ代表
デザイナー、起業家、発明家、クリエイティブディレクターとして、現在アメリカで最も人気のあるクリエイターの一人。ドーセット氏はイノベーションや社会課題の解決、美意識にはデザイン思考が有用であると考え、視覚的・技術的にクリエイティブでありながら、メッセージ性を含んだ作風を特長とする。また、作品に関するデザインや技術で数多くの特許を保有している。ドーセット氏の作品は、世界中で展示されているほか、ワールドテクノロジーアワードの「デザインイノベーション賞」や複数の「グッドデザイン賞」などの国際的な賞も数多く受賞。2017年には米国スミソニアン協会のクーパーヒューイット国立デザイン博物館による「ナショナル・デザイン・アワード」を受賞。同賞はプロダクト・デザイナーにとって最も名誉のある賞と言われている。また、昨年DezeenのDesigner of the Year 2019のファイナリストに選出され、Fast CompanyのMost Important Design Companies of 2019を受賞している。
マリアム・カマラ(MARIAM KAMARA)
建築家 / アトリエマソミ 代表
ニジェール出身の建築家。2014年には建築・調査事務所「atelier masōmī」を設立し、公共、文化、住宅、商業、都市など幅広い領域のデザインプロジェクトに取り組んでいる。マリアム氏は、人々の生活の質を向上させる空間を作ることにおいて、建築は重要な役割を担っていると考えている。なかでも、スタジオ・チャハールとの共同文化プロジェクト「The Religious-Secular Complex of Dandaji in Niger」は、2017年の「LafargeHolcim Award for Africa and Middle East」金賞、2018年の「Global LafargeHolcim Award for Sustainable Architecture」銀賞を受賞している。米国ブラウン大学の非常勤准教授を務め、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(R.I.S.D.)の建築評論家としても活躍している。2018年より、「ロレックス メントー&プロトジェ アート・イニシアチヴ」の下、デイヴィッド・アジャイ氏に師事し、2019年には、社会にポジティブな影響を与えているクリエイターを表彰する「Price Claus Award」を受賞、、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのドーフマン・アワードのファイナリストにも選出された。2020年には、NY Timesにより現在のクリエイティブ・ウーマン15人のうちの1人に選出され、「atelier masōmī」は2021年AD 100 list に掲載された。
サビーヌ・マルセリス(SABINE MARCELIS)
デザイナー / スタジオ・サビーヌ・マルセリス創立者
ロッテルダムを拠点に活動しているオランダ出身のデザイナー。2011年にデザインアカデミーアイントホーフェンを卒業したマルセリス氏は、プロダクト、インスタレーション、空間デザインの分野で、素材性を重視したデザイナーとして活動を開始した。彼女の作品は、素材の特性を強調したシンプルなフォルムを特徴とする。
マルセリス氏は他者とコラボレーションする際には、自身の強い美的感覚を発揮し、素材の研究や実験を活かして製造工程にも関わることで、斬新な視覚効果を実現している。その取り組みは美術館での展示や、クライアントワーク、ファッションハウスとのプロジェクトなど多岐に渡る。権威ある「Wallpaper Design Award」のDesigner of the Year 2020賞、「Elle Deco International Design Awards 2019」のYoung Designer of the Year賞、「GQ Men of the Year 2019」のInternational Artist of the Year賞を受賞している。
スプツニ子!(SPUTNIKO!)
アーティスト /デザイナー/ 東京藝術大学デザイン科准教授
インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科および情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA)デザイン・インタラクションズ専攻修士課程を修了。RCA在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映させた映像インスタレーション作品を制作。最近の主な展覧会に、2019年「 BROKEN NATURE」(第22回ミラノトリエンナーレ、伊)、「未来と芸術展」(森美術館)、「 Cooper Hewitt デザイントリエンナーレ」(クーパーヒューイット、アメリカ)など。2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教に就任し Design Fiction Group を率いた。その後東京大学生産技術研究所特任准教授を経て、現在は東京藝術大学デザイン科准教授。2017年 世界経済フォーラム 「ヤンググローバルリーダーズ」、2019年TED フェローに選出される。
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