2023年1-3月の運輸業界のM＆A件数は下から2番目　取引総額は3年ぶりの0円に低迷

株式会社ストライク

2023年5月18日 11時00分

2023年1-3月（第1四半期）の運輸業界のM＆A件数は前年同期比9件減の3件で、2014年以降の10年間では2件だった2021年第1四半期に次ぐ下から2番目の低水準に終わりました。

2023年は件数・取引総額ともに低調なスタート

取引総額も前年同期の約69億円から0円に激減しました。これは全件の金額が非公表または未確定だったためで、現実に0円だったわけではありませんが、2023年は件数・取引総額ともに低調なスタートとなりました。

5年連続の取引総額100億円割れ、低調続く

過去10年間の取引総額トップは2015年第1四半期の約1,463億円で、2位は2017年第1四半期の約304億円、3位は2018年第1四半期の234億円でした。同期間で100億円を超えたのは、この3回だけで、100億円割れは5年連続。2023年第1四半期のM＆Aは以下の3件でした。

中央倉庫が梱包輸送や梱包資材の製造・販売を手がけるテスパック（京都市）の全株式を取得して子会社化すると発表しました。重点領域と位置付ける梱包事業の体制強化の一環。テスパックは1987年設立で、重量物・精密機器や美術品の梱包輸送から通関手続きの代行まで一貫して受注できる体制と梱包の専門業者として高い技術力を備えます。

安田倉庫が運送・倉庫業のOSO（京都府八幡市）の全株式を取得して完全子会社化すると発表しました。グループにおける輸配送・倉庫ネットワークとサービスメニューの充実が狙いです。

ANAホールディングスが日本郵船傘下で国際航空貨物事業を手がける日本貨物航空（NCA、東京都港区）の全株式を取得して完全子会社化することで基本合意したと発表ました。将来的にANAグループの貨物事業会社であるANA Cargo（東京都港区）と統合・再編することで、サプライチェーン（供給網）の高度化に対応した高品質・競争力のある航空貨物輸送サービスの提供を目指します。