学校水泳を科学で変える!「初心者でも“浮ける・進める”」水泳教育改革!!
人間科学部・若吉浩二教授が、教育委員会と連携し、小・中学校教員の水泳講習会を実施【大津市教育委員会】
大阪経済大学(学長:山本俊一郎/所在:大阪市東淀川区)は、人間科学部・若吉浩二教授が大津市の教育委員会と連携し、大津市体育実技講習会の実技指導を2026年5月26日(火)に行う運びとなりましたのでお知らせします。
■子どもの泳力は二極化、プール老朽化や維持管理コスト、教員の負担増など課題の多い学校水泳。
学校水泳では、水中で浮く、呼吸する、進むなど、水に親しみ、身を守る方法や知識を身に付ける指導が、水難事故防止から期待されています。しかし昨今は、泳力の二極化、プールの老朽化や維持管理コスト、猛暑などの天候、教員の負担増など多くの課題があります。また、若吉教授の調査では教員の約7割が水泳指導に不安を抱えています。
2026年2月、スポーツ庁は状況を踏まえ、教育委員会と学校が連携し中長期的な視野で学習機会が確保できるよう、各課題への対応をまとめた参考資料(※)を公開しました。
資料には、専門的な知見や技術を有する外部指導者(インストラクターや有資格者等)との連携が示されており、技術指導の充実や教員の指導力向上、指導人数の確保による泳力別指導が期待されています。また、外部指導者に全てを任せきりにせず、児童生徒の学習状況を担当教員が見て適切な指導をする必要があるともあります。つまり、外部指導者を導入しても、教員は水慣れ・初歩的な泳ぎなど水泳授業の目標について、指導法を組み立てなければなりません。
※スポーツ庁政策課:持続可能な水泳授業の実施に向けた参考資料
https://www.mext.go.jp/sports/content/20260212-spt_sseisaku02-000047318_0000002.pdf
■5/26(火) 大津市体育実技講習会で実技指導。
若吉教授は、学校水泳を科学で変える実践研究を行っており、教員が自信を持って指導できるよう、小・中学校教員を対象とした講習会を実施しています。
研修では、教員に水泳補助具「フラットヘルパー」を装着して水中での感覚を体験してもらいます。「浮く感覚」の体得にあわせて、海水と真水の浮力の違いを体験する環境教育や、水難事故時の基本動作を学ぶ安全水泳、さらには泳法習得まで、理論と実技が連動した内容となります。
また、大阪市、大阪府能勢町、和歌山県かつらぎ町の教育委員会でも同様のプログラムを6月に実施予定です。
■「水中の正しい姿勢」を効率よく習得できる補助具を使い、「できる」「教えられる」が実感できる研修

オリンピック水球日本代表で日本水泳連盟元医科学委員でもある若吉教授は、小学校水泳のつまずきは、低中学年での「水慣れ」と「浮き身」の習得不足にあると考え、独自に開発した「フラットヘルパー」を使用した「大の字泳法」を考案しました。
「フラットヘルパー」は、ネット素材の補助パンツの両側ポケットに、浮力体(発泡ポリエチレンや空気の入ったペットボトル)を入れて使用します。
着用することで浮心と重心のズレを補正し、無理なく自然に水中で水平姿勢をつくることができます。「フラットヘルパー」の使用で児童は「浮き身+呼吸法+水平姿勢」を効率よく習得でき、教員はスムーズに泳法指導へ移行できます。また、泳力差があっても体育の授業としてクラス全員が一緒に学ぶことができます。
大津市体育実技講習会 概要
■日時:2026年5月26日(火)13:30~16:30(受付:13:20~)
※若吉教授による実技指導 14:25~16:00
■場所:皇子が丘公園プール(室内プール)(住所:大津市皇子が丘1丁目1-1)
・JR湖西線 大津京駅下車 徒歩約10分
・京阪石山坂本線 京阪大津京駅 徒歩約5分
■受講者:大津市の小・中学校教員 40名程度
■指導者:大阪経済大学 人間科学部人間科学科 教授 若吉浩二
■主催:大津市教育委員会、大津市水泳協会、大津市小学校体育連盟
■内容:安全確保につながる運動としての水泳授業の講習会
「フラットヘルパー」と「ペットボトル」を使用した「浮き身+呼吸法+水平姿勢」
および安全泳法の習得法の指導
《フラットヘルパーについて》
・フラットヘルパーは“正しい姿勢”を覚えることができる水泳補助具です。
・ビート板素材の浮力体を使用します。また、500mlのペットボトルも浮力体として使用可能です。
・クロールの呼吸時が上手くできない、背泳ぎの腰が沈む、平泳ぎのキックが難しい、バタフライの腰が沈み抵抗を受けるなどの姿勢が改善され、泳法の習得に役立ちます。

「大の字泳法」概要
大阪経済大学人間科学部 若吉浩二教授は、水泳の研究・現場・競技を知る専門家として学校水泳を科学で変える研究を進めています。
教授は1984年ロサンゼルスオリンピック・水球競技に選手として出場。その後も競技・研究の両面から水泳に関わり、日本水泳連盟医科学委員会・科学委員会として20年以上活動。
水泳初心者からオリンピック選手まで、幅広い層を対象とした研究と指導を続ける中で、「できない子どもが取り残される学校水泳」の課題に着目し、初心者でも「浮ける・進める」を実感できる水泳教育を目指し、初心者指導の効率を高め、学校現場の課題解決に取り組み誰もが泳げる社会――「国民皆泳」の実現を目指しています。
■参考:学校水泳プロジェクト https://gclab.jp/school/
■プログラム内容
①安全水泳(水難事故対策)

・水難事故から身を守る安全水泳の基本技能を習得します。
・『浮いて待て』の訓練を行います。「“大の字”泳法」の基本は“大の字浮き”です。この姿勢は、水への感覚づくりに大変有効であることが分かりました。
・この姿勢を咄嗟にできるようになるには慣れや訓練が必要です。また、この大の字浮きから、安全水泳のための泳法習得に取り組みます。
・また、自然の川や海にはプールのような壁がありません。そのため、浮いた状態で壁をけらずに折り返して、元の位置に戻る練習も行います。
・練習はフラットヘルパーを使用することで水平姿勢を覚えることができます。
②環境教育

・フラットヘルパーは通常パッドを入れて使用しますが、ペットボトルを入れて装着することもできます。
・一般的にはペットボトルによる環境破壊、リサイクルの現状などを学びます。
・ここでは、総合的な学びとしての環境教育につなげています。ビート板やペットボトルなどの浮力体を使用して、普段なかなかできない、真水と海水(川と海)の浮力の違いを体験します。海水では体重あたり2%から2.5%の浮力を得ます。体重40㎏の児童なら約ペットボトル2本分の浮力に相当します。
③泳法習得
・フラットヘルパーを使用して行います。
・安全水泳の流れで、沈む・浮く、浮き方(伏し浮き⇔背浮き)、移動の仕方(チョウチョ泳ぎ等)、泳法習得を目指します。
・クロールと大の字浮きを交互に一定期間繰り返しながら泳ぐことで、短期間での泳法習得を目指します。
※泳力により、けのびと大の字やクロールと背泳ぎの組み合わせにすることもできます。
教員向け水泳指導講習会で実施したアンケート結果(小学校教員の回答)
実施日:2025年5月20日(火)
対象:大津市体育実技講習会(大津市教育委員会主催)に参加した若手の教員
または学校水泳の中心となる教員や水泳指導経験の少ない教員
有効回答:27名
1.これまで水泳の指導法を習ったことがありますか?
5割以上が
「水泳の指導法を習ったことが無い」と回答

2 -①.中学年対象のフラットヘルパー導入による水泳授業についてお聞きします。中学年対象とした水泳授業として、相応しい内容であると思いますか?

9割以上がフラットヘルパーを導入した水泳授業に賛成
2 -②.中学年対象のフラットヘルパー導入による水泳授業についてお聞きします。中学年対象の水泳授業においてフラットヘルパーは、有効な水泳補助具と思いますか?

9割がフラットヘルパーは有効な水泳補助具との意見
大阪経済大学
▼本件に関するお問い合わせ先
大阪経済大学 企画・総務部 広報課
住所:大阪府大阪市東淀川区大隅2-2-8
TEL:06-6328-2431
E-mail: kouhou@osaka-ue.ac.jp
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