総額1億円 / 脱炭素特化の懸賞型研究開発事業『TOKYO PRIZE Carbon Reduction』受賞者を決定!
アカデミアやスタートアップ総勢54チームの中から選ばれた、有望な技術を持つチームを発表

独立系ベンチャーキャピタルANRI(東京都港区:代表パートナー 佐俣アンリ、以下 ANRI)は、東京都が運営する多様な主体によるスタートアップ支援展開事業「TOKYO SUTEAM」に採択を受け、二酸化炭素削減技術を競う、国内史上最大規模(※)となる総額1億円の懸賞型研究開発事業『TOKYO PRIZE Carbon Reduction』を開催しました。
脱炭素に資する技術を持つ国内の研究者やシード期スタートアップから54件の応募が集まり、厳正なる審査の結果優勝1チームと入賞5チームを選出いたしました。
背景
ANRIは気候変動・環境問題に特化した「ANRI GREEN 1号」ファンドの運用を通じて、脱炭素に資する技術を持つベンチャーへの投資を行ってきました。その中で、ベンチャー企業への投資の枠組みを越えて、より多様な技術を掘り起こしたいという思いから、アプローチ方法を限定せずに『脱炭素』という共通目標だけを掲げた懸賞型研究開発事業を企画するに至りました。

選出チームのご紹介と受賞コメント
<優勝>
“沸騰“で実現する省エネ革新 / 代表 森 昌司 氏(九州大学 教授)
私たちは、世界最高レベルの冷却性能を持つ「ハニカム局所浸漬沸騰冷却技術」の実用化を目指しています。この技術は、データセンターや車載用パワーデバイスの冷却に革新をもたらし、CO2削減にも大きく貢献する可能性があります。今回の賞金を活用し、まずはゲーミングPC市場での実証を進め、技術のさらなる発展と社会実装を加速させます。次世代の冷却技術として、持続可能な未来の実現に貢献していきます。
<入賞> (以下、五十音順)
ESREE Energy株式会社 / 代表 岩田 貴文 氏
このような賞をいただけて大変光栄に思っております。電力部門の完全脱炭素化に向けて、我が国においても長期エネルギー貯蔵(LDES)はいずれ必要となると考えています。国内製造可能で、安価で、効率のよいLDESとして期待されるヒートポンプ蓄熱蓄電の開発を加速すべく、賞金を活用させていただきながら、今後チームを拡大し、更なる研究開発を進めていきます。
株式会社ElectroFluxion / 代表 衣笠 仁教 氏
弊社ElectroFluxionは、化学品製造の電化に取り組んでおります。現代の化学品製造における環境負荷・労働生産性といった大きな社会課題に対する一つの解になると信じており、次世代のあるべき製造方法をチーム一丸となって確立させていく所存です。今回いただいた賞金では、パイロットスケールでの実証実験を進めていきたいと考えております。ご興味ある方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声がけください。
信州大学 金子・大塚研究グループ/ 代表 大塚 隼人 氏(信州大学)
この度はTOKYO PRIZEに選出頂きありがとうございます。
今回の受賞技術は従来の分離膜より1000倍以上高速に窒素と酸素の分離が可能なグラフェン包接ゼオライト分離膜を用いた省エネルギー・低コストのオンサイト富化酸素製造技術です。オンサイト製造した富化酸素を工業炉に供給すると年間1億tを超えるCO2の排出削減が可能になります。
頂いた賞金で実用化に向けた研究開発を推進し、3年以内の社会実装を目指します。
東北大学材料科学高等研究所藪研究室/AZUL Energy株式会社
代表 藪 浩 氏 (東北大学材料科学高等研究所)
数ある提案の中から、レアメタルフリー触媒を用いたCO2の資源化技術に関する我々の提案を選んでいただきありがとうございました。レアメタルフリーで高効率にCO2を有用な化合物に変換できる触媒はCO2の有効活用(CCU)技術を実現するためのキーマテリアルであると考えており、本受賞を励みに触媒の高性能化と技術の社会実装に向けて一層取り組んで参ります。
Planet Savers株式会社 / 代表 池上 京 氏
Planet Saversは日本初の大気中CO2直接回収技術(Direct Air Capture:DAC)スタートアップとして、無機多孔性材料であるゼオライトを用いたDACシステムの開発に取り組んでいます。
研究開発を更に加速することが可能となるTokyo Prize入賞は大変ありがたく、厚く御礼申し上げます。いただいた資金はCO2吸着剤の合成による性能向上や、DAC装置プロトタイプ開発に用いていく予定です。
少しでも早く弊社技術を用いたDACシステムをグローバルで展開し、気候変動を食い止め、次世代に美しい地球を残すべく、邁進して参ります!
運営事務局からのコメント
ANRI アソシエイト 土本 晃久
脱炭素かつ研究開発を軸とする事業という限られた枠組みの中で、54件もの応募をいただけたことを大変嬉しく思います。本懸賞型事業はANRIと東京都との協定事業として実施されたことで、多様なプレイヤーの関心を引くことができたと感じております。想定以上に有望な提案が多く集まり審査は困難を極めましたが、審査員による厳正な選考を経て、GHG削減に直結しうる優れた技術を持つ優勝チームと入賞チームが決定しました。受賞チームのさらなる成長と、脱炭素分野・ディープテックスタートアップ全体の発展が加速することを期待するとともに、私自身もその躍進を後押しする存在となれるよう精進してまいります。
東京都「TOKYO SUTEAM」について
東京都では、令和4年11月に「Global Innovation with STARTUPS」を策定し、東京が中心となって、挑戦者が希望を持って活躍できる社会の実現に向け、「異次元」のスタートアップ戦略の展開を図っています。 本事業は、東京都と多様な支援者の連携による多彩なスタートアップ支援の展開とその支援者同士のネットワーク化をもって、東京のスタートアップ・エコシステムの強化、ひいてはスタートアップの創出と成⾧を促進することを目的としています。
ベンチャーキャピタルANRIについて
ANRIは2012年のANRI1号ファンド設立より、一貫して創業初期(シード期)に特化してスタートアップへの投資を実行、現在5つのフラッグシップファンドと脱炭素問題に特化したANRI GREENファンドなどを運営し、累計約780億円を運用しております。
「未来を創ろう、圧倒的な未来を」というビジョンのもと、創業当時からの強みであるインターネット領域に加え、ディープテックやライフサイエンスなど幅広いテクノロジー領域への大学発研究開発型スタートアップへの支援も注力しております。また、創業期の出資先を支援するため、六本木ヒルズに1200平米のインキュベーションオフィスを運営し、より起業家と近い環境で、起業の準備段階からサポートできる体制を整えております。
会社概要
社名:ANRI株式会社
代表者:代表パートナー 佐俣アンリ
所在地:東京都港区六本木6丁目10−1六本木ヒルズ森タワー15F CIRCLE by ANRI
企業HP:https://anri.vc
※タイトル「国内最大規模 」の表記に関しまして
・本件、2025年2月時点、当社調べ。
・日本国内における「 脱炭素特化の懸賞型研究開発事業として国内最大規模」として
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