『株式会社の終焉』刊行記念 水野和夫講演会をミッドランドホール愛知にて11月18日に開催!トランプ就任の、歴史的意味を問う!
著者である水野和夫氏には、『株式会社の終焉』で語られている、終わりゆく資本主義の中で社会や株式会社のあるべき姿をお話しいただくと同時に、今日本にもその衝撃が走っているトランプ大統領就任の歴史的背景に関しても、氏の提言する「新中世主義」の観点からお話しいただきます。
『株式会社の終焉』刊行記念 水野和夫講演
ゲスト: 水野和夫
開催日: 2016.11.18 (金) 19:00-23:30
開催時間: 18:30
参加費: 1,000円(税込み)
定員: 80名
会場: ミッドランドホール愛知
〒420-6205 名古屋市中村区名駅四丁目7番1号 ミッドランドスクエア5F A会議室
http://www.midland-hall.com/access/index.html
参加方法: 三省堂書店名古屋高島屋店店頭、またはお電話(052-566-8877)でご予約ください。定員になり次第、受付終了とさせていただきます。
ベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』を継ぐ水野和夫氏渾身の書き下ろし『株式会社の終焉』の出版を記
念し、講演会およびサイン会を開催します。
セミナー詳細ディスカヴァーサイト
http://www.d21.co.jp/seminars/20161118
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
緊急インタビュー!それは終焉のはじまりか?
『株式会社の終焉』のエコノミスト水野和夫氏に、
トランプ勝利の、歴史的意味を問う
歴史の危機と大統領トランプ
トランプの大統領就任は驚くべき結果ではありません。これは今世界で起きている秩序の崩壊と変革、「歴史の危機」の文脈に沿った出来事であり、トランプはその事実を象徴する人物であると言えるからです。「歴史の危機」とは19世紀にスイスのバーゼル大学の歴史科教授であったブルックハルトの言葉です。彼は「歴史の危機」に入ると「最悪な人」が次々と現れて、国家のリーダーになると述べています。アメリカで言えばそれは1970年から始まり、ニクソン、レーガン、ブッシュ、クリントンとこれ以上悪くはならないだろうと思われながらも次々と「最悪な人」が大統領に就任してきました。しかし、今となってはトランプと比べれば彼らも大統領としてまだマシだったと思うことでしょう。また、「最悪な人」の特徴として常に急進派であることが述べられています。現状ではトランプが急進右派であることも、彼が最新の「最悪な人」であることの証左でしょう。
グローバリゼーションに対する反逆
多くの人が、今回の大統領選を見誤ったのはマジョリティは変化を望まないと思っていたからです。しかし、ピケティの言説によって、グローバリゼーションは世界のたった1%の人々に富を集約するシステムであることが明らかになり、残りの99%に属する人々はこれ以上グローバリゼーションを広げてはいけないと感じ始めました。Brexitやトランプ旋風は彼らの反逆を象徴する出来事と言えるでしょう。
投票者たちはトランプが素晴らしい指導者だと考えて彼に投票したのではありません。現状のシステムを維持し続けようとするクリントンではなく、トランプが振る反エスタブリッシュメントの旗に投票したのです。
私もトランプも反グローバリゼーションを主張していますが、これは全く違った考えからきています。私は20世紀から始まった成長信仰に基づく資本主義に機能的限界が来ていると考え、そこから離脱する「新中世主義」の一環として反グローバリゼーションが起こっていくことを考えています。しかし、トランプは現在の世界の中心としてのアメリカはそのままに、減税や国交の収縮、関税などを通して、アメリカファーストなモンロー主義の国を再構築しようとしています。そしてそれはアメリカが主導してきたグローバリゼーションの影響を受けた多くの国家の犠牲の上に成り立つ考え方です。これは、歴史の流れに大きく反していると言えます。
日本はどのような影響を受けるか
日本も彼の就任により大きな影響が避けられないことは明白ですが、その中でも国防とTPPへの動向が注目されます。まず、トランプはもともと軍縮を宣言しているので、沖縄が望まないのであれば、駐屯地からの全面撤退、または一部の撤退が視野に入ってきます。その場合日本は戦後初めて対中国における防衛に自国のみで立ち向かっていかなければいけなくなります。
次にTPPです。これは日本の面子がたたない結果になるでしょう。アメリカに先駆けて強行採決でTPPを批准しましたが、グローバリゼーションの象徴ともいえるTPPをトランプが批准することはないでしょう。TPPの内85%は日米間の契約ですから、どちらかの国がこれを拒否すればTPPは成立しないでしょう。
しかし、これは日本にとってはよいことだと思います。これまでの日本では独立した防衛や経済という考え方はあっても、実際にはアメリカの庇護下にあり机上の空論として扱われてきました。しかし、トランプの就任によりそれらは現実問題として顕在化するでしょう。日本は独自に21世紀のあるべき姿を考えなければいけない時が来たと言えるのではないでしょうか。
これからの世界
歴史を顧みれば、もっとも最近の「歴史の危機」はフランス革命から普仏戦争までの約100年間でした。フランス革命はフランス王政とアンシャンレジームの崩壊を導きますが、実際には社会体制は旧制度と新制度の間を行き来するものでした。王政を撤廃したのに、皇帝ナポレオンが登場することからもその不安定さを垣間見ることができます。
現代に置き換えるならば、Brexit、トランプ旋風はイギリス、アメリカが主導してきた資本主義とグローバリゼーションの終わりの始まりを意味するものではありますが、早急にこれらが撤廃されていくわけではなく、資本主義と新中世主義をジグザグと進みながら少しずつ時代が変わっていくと考えられるでしょう。
(文責=ディスカヴァー・トゥエンティワン 広報)
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
秩序が崩れ、変革する世界で今後私たち個人は、どのように生きていく指針を見つければよいのでしょうか。その一つの方向性を示すために「資本主義の終焉」のテーマを継いで、その商法戦の部分に一歩踏み込んだものとして、「株式会社の終焉」を著していただきました。
水野和夫氏プロフィール
1953年生まれ。法政大学教授。77年、早稲田大学政治経済学部卒業。80年、同大学大学院経済学研究科修士課程修了後、八千代証券(国際証券、三菱証券を経て、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。三菱UFJ証券チーフエコノミストを経て、2010年退社。同年、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。11年、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)12年、退官。埼玉大学で博士号を取得(経済学)。
著者近刊 「株式会社の終焉」ご案内
本書では株式会社が終焉へと向かう背景の大きな流れとして、世界の中世への回帰、「新中世主義」を掲げています。有識者の多くが馬鹿げていると思うような異常事態が頻発するこの2016年はまさに「回帰」が私たちの実感として可視化される元年となってしまいました。
著者のこうした所見は経済学を専門としながらも、歴史学への深い造詣と、そこからくる鋭い視点にあります。
「長い16世紀」の後の近代資本主義とそれを担う近代株式会社の誕生から現代まで、その歴史を紐解きつつ、必然としての現在の資本主義の終焉と、それに伴い、株式会社、厳密にいえば、現金配当をしている株式会社に、残されている時間はあまりないことを、頻発する企業の不祥事や格差の拡大、国家債務の拡大、人口減少等の各国に共通する課題にも触れつつ、丁寧に述べていきます。
では、どうするのか?
本書の新しさは、その一つの方向性を示していることにもあります。まさに、著者新境地の力作です。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
トランプの大統領就任によって英米主導で広がり続けてきたグローバリゼーションは収斂に向かい始めました。これは、20世紀半ばに始まり、瞬く間に頂点を迎えたアメリカ型資本主義の終焉の始まりでもあります。水野氏はこの新たなる時代を、イデオロギーではなく、歴史が示す必然として、10年前から予見していました。
これまでの「常識」が揺らぎ、先行きの不透明感が漂う現代。これからの世界を見据え、自らの指針を持つためにも必携の一冊です。
【書籍情報】
タイトル:株式会社の終焉
定価:1,100円(税抜)
発売日:2016.9.30
判型:新書・並製/240ぺージ
ISBN:978-4-7993-1964-2
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799319642
【販売サイト】
Amazon:https://www.amazon.co.jp/gp/product/4799319647/
楽天ブックス:http://books.rakuten.co.jp/rb/14413185/
セブンネット:http://7net.omni7.jp/detail/1106697873
ディスカヴァー・トゥエンティワン:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799319642
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像