悪化が続く製造業、国内景気を下押し ― TDB景気動向調査(全国)

今後は個人消費の動向がカギに

株式会社帝国データバンクは、全国2万3,678社を対象に2019年11月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。


<調査概要>
1.2019年11月の景気DIは前月比0.3ポイント減の43.6となり、2カ月連続で悪化した。製造業の悪化が関連業種に波及するなか、消費税率引き上げの影響も続き、国内景気は後退局面入りした可能性がある。今後の国内景気は、個人消費の動向や世界経済の減速などの懸念材料も多く、不透明感が一層強まっている。

2.10業界中、『製造』『卸売』『小売』『サービス』など5業界が悪化、5業界が改善した。自動車や機械関連の低迷で『製造』の悪化が継続したうえ、『小売』は消費税率引き上げが影響し2カ月連続で悪化した。

3.『北海道』『北陸』『東海』など10地域中7地域が悪化、『東北』『九州』が改善、『南関東』が横ばいとなった。海外経済の停滞や設備投資意欲の減退などが域内部品メーカーに影響したほか、資材価格の上昇や低調な住宅関連が景況感を押し下げた。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」がともに悪化した。


■ 2019年11月の動向 : 後退局面入りの可能性 
2019年11月の景気DIは前月比0.3ポイント減の43.6となり、2カ月連続で悪化した。

11月の国内景気は、外需および内需が低迷するなかで自動車の販売量や産業機械の出荷量が減少したことを背景に、製造業で景況感の悪化が続き、関連する業種にもマイナスの影響を及ぼした。加えて、消費税率引き上げにともなう駆け込みの反動減が継続し、耐久財を中心に小売業などの景況感悪化につながった。民間設備や住宅への投資意欲減退も響いたほか、人件費や輸送費の高値推移が重くのしかかった。他方、災害復旧や防災・減災を目的とした公共工事の増加、日経平均株価の上昇と円安基調は好材料となった。

製造業の悪化が関連業種に波及するなか、消費税率引き上げの影響も続き、国内景気は後退局面入りした可能性がある。

■ 今後の見通し:下振れ材料多く、不透明感が一層強まる


今後の国内景気は、消費税率の引き上げなどを受けて落ち込んだ消費の行方に左右される。貿易摩擦の激化などを背景に世界経済が減速するなか、輸出の低迷に加え、先行き不透明感から設備投資意欲は減退すると予想される。さらに人手不足や原材料高などが招くコスト負担も引き続き悪材料となろう。米中貿易摩擦や日韓関係、世界的な金融緩和政策が及ぼす影響についても、動向を注視していく必要がある。一方で、公的支出が景気を下支えするほか、東京五輪に向けた消費マインドの高まりはプラス要因になると見込まれる。

今後の国内景気は、個人消費の動向や世界経済の減速などの懸念材料も多く、不透明感が一層強まっている。
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