不動産テック協会、CeSSA主催「2025年度コングレス」で講演
~デジタル庁をはじめとした関係機関が一丸となり、不動産取引の電子化を加速~
一般社団法人不動産テック協会(所在地:東京都渋谷区、代表理事:滝沢潔・巻口成憲、以下「当協会」)は、2025年6月17日に開催された一般社団法人クラウド型電子署名サービス協議会(CeSSA)主催のイベント「2025年度コングレス」において、当協会理事である和田浩明氏(GOGEN株式会社 代表取締役 CEO)が登壇したことをお知らせいたします。

■イベント概要
一般社団法人クラウド型電子署名サービス協議会(CeSSA)は、クラウド型電子署名の認知と理解の促進、ならびにその社会実装を目的に活動する団体です。第3回目となる本コングレスでは、前年度の活動報告に加え、関係省庁による講演、来賓紹介、会員企業による取り組み報告、フォトセッションなどが行われました。
■官民による取組紹介と制度動向の共有
冒頭には、デジタル庁・平 将明デジタル大臣よりビデオメッセージが寄せられ、同協議会が9月に設立4周年を迎えることを祝し、継続的な活動への感謝が述べられました。また、不動産業界団体との連携によるデジタル完結型契約の推進や、自治体向けのガイドライン作成、参考事例集の公開といった取り組みが、行政手続きの効率化や社会のデジタル化に大きく貢献していることが高く評価されました。電子署名の普及は、今後の社会のデジタル化において重要な鍵であると強調されました。

国土交通省 不動産・建設経済局不動産業課不動産政策企画官 近藤光氏からは、不動産業界におけるDXの必要性に触れ、契約書の電子化やオンライン重要事項説明に関する制度整備が進む一方、導入率が依然として低い現状が指摘されました。中小事業者を対象とした実証事業の展開や、AIの業務活用による効率化の可能性、さらには消費者保護を前提とした電子契約普及の推進方針が示されました。また、電子署名の簡便な検証方法の制度化に向けた見直しが進められていることも報告されました。
さらに、 会員企業からは以下のような現場課題が共有されました。
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自治体システムの制約により電子署名が正常に利用できない事例
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リモート契約における本人確認の重要性
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電子署名サービス間の非互換性と互換性対応の必要性
本人確認のあり方や制度の柔軟性に対する期待も寄せられ、共通基盤整備の必要性が示唆されました。
■和田理事登壇セッション概要

「不動産取引における電子契約の普及状況と課題」と題し、新築マンション、新築戸建て、中古仲介の3分野における電子化の実態と今後の取組について発表しました。不動産業界での電子契約導入実績を背景に、以下の点について具体的に言及しました。
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新築マンション販売では90%以上の普及率を達成する一方、中古仲介では20%未満にとどまる格差の実態
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地方公共団体ごとに異なる対応の是正と、国による統一ガイドラインの必要性
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電子契約の正当性確認において、PDF署名での確認など現実的手段の提案
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4社間契約における電子契約サービス統一の困難さと、宅建業法・建設業法・特商法の複数法規対応による普及阻害
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新築戸建て分野での訪問販売対応とクーリングオフ電子化の複雑な法的要件
セッションでは、規制改革推進会議での議論を踏まえ、今年度内の対応方針明示により状況改善が期待される一方、業界全体での標準ガイドライン策定と省庁横断でのルール整備が不可欠とし、現場が使える実用的な電子化推進の必要性を強調しました。
■和田理事コメント

この度は不動産業界における書面のデジタル化・契約の電子化について課題を共有する貴重な機会をいただき、CeSSA様には改めて御礼申し上げます。
業界変革への道のりは長く、不動産事業者様の取り組みも道半ばではありますが、CeSSA様とのさらなる密な連携を含め、当協会として引き続き提言・実装支援等に取り組んでまいる所存です。
【不動産テック協会について】
不動産テック協会は、不動産とテクノロジーの融合を促進し、不動産に係る事業ならびに不動産業の健全な発展を図り、国民経済と国民生活の向上並びに公共福祉の増進に寄与することを目的とした団体です。情報セキュリティの調査やデータベースに関するルール策定、また海外不動産テックサービスの状況調査などを通じて、健全な業界活動における基盤構築と最新テクノロジーによる業界発展に貢献してまいります。
【法人概要】
団体 :一般社団法人不動産テック協会
代表理事 :滝沢 潔、巻口 成憲
本社 : 東京都渋谷区神宮前3-15-9 CREST 表参道 3F
設立 :2018年9月
活動内容 :
・不動産テック(不動産×IT)業務に関する調査研究及び情報発信
・不動産テック(不動産×IT)業務の標準化及びルールの確立
・不動産テック(不動産×IT)従事者等の育成・指導
・ビジネス機会創出のための各種活動
・国内外の関連諸団体等との情報交換や連携・協力のための活動とイベント開催
・国及び地方公共団体等に対する協力並びに建議及び要望
・前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
入会URL :https://retechjapan.org/membership/
【本リリースに関するお問い合わせ先】
不動産テック協会事務局:info@retechjapan.org
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