2024 年9 月20 日(金)QPS 研究所の小型SAR 衛星8 号機 「アマテル-Ⅳ」による初画像(ファーストライト)として、通常、高精細の両モード画像を同時公開
世界トップレベルの小型SAR[※1] 衛星の開発・運用を行う株式会社QPS 研究所(福岡市中央区、代表取締役社長CEO:大西俊輔、以下QPS 研究所)は、2024 年9 月20 日(金)に小型SAR衛星QPS-SAR8 号機「アマテル-Ⅳ」の最初の画像(ファーストライト[※2])として取得に成功した試験観測画像を公開いたします。QPS-SAR は分解能1.8m の通常モード(ストリップマップモード)と分解能46cm の高精細モード(スポットライトモード)の観測ができ、この度は両モードでの観測に成功し、同時発表いたします。
QPS 研究所が北部九州を中心とした全国25 社以上のパートナー企業と共に開発・製造した「アマテル-Ⅳ」は米国SpaceX 社のロケット「Falcon 9 (ミッションネーム:Transporter-11)」によって2024 年8 月17 日(土)3:56a.m.(日本時間)に打上げられ、同6:32a.m.に予定されていた軌道に投入されました。そしてその約2 時間後には初交信に成功し、その日の夜に収納型アンテナの展開をいたしました。その後、衛星機器の調整を続け、本日、この度取得した画像を公開する運びとなりました。
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【代表取締役社長 CEO 大西俊輔 コメント】
「前回のファーストライトは、ストリップマップ(通常モード)の後に1週間ほどかけて衛星を調整してスポットライト(高精細モード)の画像を公開しましたが、この度、8号機に関しては両方を同時に公開することとなりました。今回のように短時間での調整を可能にしていることは、今までの運用からの知見によるもので、着実に技術が向上していることの表れだと思います。エンジニアチームの日々の努力とその成果を大変誇りに思い、感謝しています。引き続き、コンステレーション[※3]構築に向けて、一つ一つの課題をしっかりと乗り越え、持続的な成長のために情熱を持って努力を重ねていきます。」
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ファーストライト画像詳細
観測日時 |
<ストリップマップモード> ① 2024 年9 月15 日(日) 21:55(日本時間) <スポットライトモード> ② 2024 年9 月17 日(火) 22:10(日本時間) ③ 2024 年9 月18 日(水) 11:32(日本時間) |
観測場所 |
<ストリップマップモード> ① 愛知県 名古屋市(観測時の天候:曇り) <スポットライトモード> ② 神奈川県 海老名市 / 厚木市(観測時の天候:晴れ時々曇り) ③ 長崎県 五島市 福江島 (観測時の天候:晴れ時々曇り) ※天候は気象庁および気象情報サイト公開データより |
分解能[※4] |
<ストリップマップモード> ①アジマス[※5]分解能1.8m x レンジ[※6]分解能50cm (オフナディア角27.1度) <スポットライトモード> ② アジマス分解能46cm x レンジ分解能56cm(オフナディア角24.1 度) ③ アジマス分解能46cm x レンジ分解能65cm(オフナディア角20.6 度) |
画像処理協力 |
[※1] SAR (合成開口レーダー):電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長。
[※2]ファーストライト:初画像のことを言います。公開した画像データは衛星の機能を試験・調整している中で初で確認できた試験データになります。
[※3] 複数の人工衛星の協業によって高頻度な地球観測を可能とするシステム。(コンステレーションは「星座」の意。)
[※4] 画像化した際の1 ピクセルの大きさを指します。ファーストライトで試験観測した通常モードではアジマス分解能1.8m、スポットライトモードではアジマス分解能46cm 相当に画像化しますが、レンジ分解能は観測条件によって可変となります。
[※5] アジマス:衛星の進行方向。
[※6] レンジ:衛星のマイクロ波を照射する方向。もしくは、衛星の進行と直交する方向。
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ファーストライト SAR画像
このリリースの資料上では広域画像は小さくなっており、圧縮をかけて容量を軽くしているため、
弊社ホームページのニュース( https://i-qps.net/news/2237/ )にて掲載している画像もご覧い
ただければ幸いです。
① 愛知県 名古屋市(ストリップマップモード)
② 神奈川県 海老名市 / 厚木市(スポットライトモード)
③ 長崎県 五島市 福江島 / 市街地全景(スポットライトモード)
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株式会社QPS 研究所について
QPS 研究所は2005 年に福岡で創業された宇宙開発企業です。名前のQPS とは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、更には九州の地より日本ならびに世界の宇宙産業の発展に貢献するとの思いが込められています。その名の通り、九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が一緒になって、宇宙技術開発を行っています。また、QPS 研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする全国25 社以上のパートナー企業に力強く支えられています。
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