「人と通じあうためのテクノロジー」をテーマに常設展示「ハロー! ロボット」が一部リニューアル

最新ロボティクス研究の展示を刷新し、7月2日に公開

日本科学未来館

日本科学未来館(略称:未来館 館長:浅川智恵子)は、常設展示「ハロー! ロボット」について、「ヒューマン・ロボット・インタラクション 人と通じあうためのテクノロジー」をテーマに一部展示をリニューアルし、7月2日(水)に一般公開します。研究開発中のロボットなどを新たに6つ展示することにより、人とロボットがパートナーとして共生する未来を考えます

リニューアルテーマ「ヒューマン・ロボット・インタラクション」

「ハロー! ロボット」は、ロボットたちとのふれあいや最新ロボティクス研究の紹介を通して、未来の多様なロボットとのくらしを想像する常設展示として、2023年11月に公開しました。未来館オリジナルのパートナーロボット「ケパラン」など、人とのコミュニケーションやセラピーを目的に開発されたロボットとのふれあいを体験できるほか、最新ロボティクス研究を紹介するエリアでは、これまでのロボットのイメージが変わるような多様な研究や注目のロボットを展示しています。

今回のリニューアルでは、最新ロボティクス研究の紹介エリアを刷新。自然な表情をつくりだせる子供型のアンドロイド「Affetto(アフェット)」や、“気の利いた行動”をとることで人のパートナーとなることを目指して開発されているロボット「Indy(インディ)」などの5つのロボットを新たに展示します。また、人とロボットとの間で生まれる関係性に注目する漫画アニメーション作品の第2弾として、科学技術が人や社会にどのような意味を持つかを考える学問「技術哲学」の観点から制作した『ベター・フレンズ』も公開。人とロボットがどのように関わりあい、共存していけるかを考えます。


■常設展示「ハロー! ロボット」リニューアル情報

テーマ

「ヒューマン・ロボット・インタラクション

 人と通じあうためのテクノロジー」

一般公開日

2025年7月2日(水)

展示エリア

3階 常設展示ゾーン「ハロー! ロボット」

(最新ロボティクス研究の紹介エリア)

休館日

火曜日(祝日、春・夏・冬休み期間は開館の場合あり)、

年末年始(12月28日~1月1日)

開館時間

10時~17時(入館券の購入および受付は16時30分まで)

入館料

大人630円、18歳以下210円、未就学児無料

※リニューアルにともない、現在展示中の一部ロボットの公開を2025年6月23日(月)で終了いたします。


■「ハロー! ロボット」 の新たな6展示

1.自然な表情は波でつくる 「Affetto(アフェット)」

「心の動き」を豊かに表現し、人の心理に与える影響を研究するために開発された子供型のアンドロイドです。眉や目、口などの部位の動作を「波」で表わすことでロボットの表情変化をよりなめらかに表現する、新しい表情生成の仕組みをご紹介します。

展示協力:石原 尚 氏(大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 感情アンドロイドダイナミクス研究室 准教授)、株式会社エーラボ

「Affetto」

2.めざすのは、気の利くパートナー 「Indy(インディ)」

人と一緒に暮らすことを目指して開発されたパートナーロボットです。人の意図をAIによって推定し、それに合わせた動作をするために、言葉だけでなく声の調子や人の動き、持ち物などのさまざまな情報を組み合わせて認識し、次に行うべき行動や発する言葉を判断します。

展示協力:吉野 幸一郎 氏、川西 康友 氏、石井 カルロス寿憲 氏、中村 泰 氏(理化学研究所 情報統合本部ガーディアンロボットプロジェクト)

「Indy」

3.ロボットを技術哲学から考える 漫画アニメーション『ベター・フレンズ』

単なる道具以上の存在として社会に溶け込みつつあるロボットやAIを、私たちはどのように理解し、付き合うことができるでしょうか。人や社会と科学技術の関係性を考える「技術哲学」の研究者が監修した、少し未来の物語。人とロボットの間で生まれる関係性に注目して、読んでみてください。

展示協力:水上 拓哉 氏(新潟大学 創生学部 助教)

漫画:北村 みなみ 氏

アニメーション:北村 みなみ 氏、上原 史之 氏

漫画アニメーション『ベター・フレンズ』

4.ロボットは世界をどう見ているか スイッチロボット「ぽっちゃん」

人とロボットの感じ方の違いを知ることで、より良い共存のしかたを研究するために開発されました。人と他の生物とでは世界の捉え方が異なるように、ロボットもカメラやセンサーなどを使って私たちとは異なる仕組みで世界を認識しています。「ぽっちゃん」が何を感じ取り、どう反応するかに意識を向けることで、ロボットや他者に対する新たな視点を得たり、行動の変化につながるかもしれません。

展示協力:高橋 英之 氏(追手門学院大学 理工学部 准教授)、日永田 智絵 氏(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教)、大道 麻由 氏(大阪大学 基礎工学研究科)、三浦 康平 氏(大阪大学 基礎工学研究科)、前田 卓哉 氏(ユカイ工学株式会社)、青木 俊介 氏(ユカイ工学株式会社)

スイッチロボット「ぽっちゃん」

5.“ふれあう”を探る① かまって「ひろちゃん」

赤ちゃんをあやす際に、あやす側が得る癒やしの効果を狙って開発された、赤ちゃん型ヒーリングコミュニケーションロボットです。人にとって、“ふれあう”ことは社会的なコミュニケーションの一つです。これは「ソーシャルタッチ・インタラクション」と呼ばれ、人とロボットの間に感情的・社会的なつながりを築く方法として研究されています。

展示協力:塩見 昌裕 氏(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 インタラクション科学研究所 室長)、住岡 英信 氏(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 石黒浩特別研究所 グループリーダー)、ヴイストン株式会社

かまって「ひろちゃん」 ©ATR、Vstone

6.“ふれあう”を探る② 「布型タッチセンサー」

人がふれたり、近づいたりしたことを認識できる布型センサーです。金属を編み込んだ繊維でできていて、静電容量の変化を測ることができます。布と同じように加工できるため、洋服への使用や、ぬいぐるみのような見た目のロボットの素材にするなど、人とロボットのふれあいの研究に応用されています。

展示協力:住岡 英信 氏(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 石黒浩特別研究所 グループリーダー)、塩見 昌裕 氏(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 インタラクション科学研究所 室長)、株式会社三機コンシス


■監修者 茂木 強 氏よりコメント

ロボットは、道具として私たちを助けるだけの存在ではありません。相手の声や動きに応じて反応し、気配を感じ取ってふるまう――そんな「通じあう」力を持つロボットが登場しつつあります。本展示に登場するロボットたちはまさにそうした存在で、ふれあいのなかで「関係をつくる」ことを目指して設計されています。技術そのものを見るだけでなく、ロボットと人との間にどんな関係が生まれうるのかを、ぜひ体験しながら考えてみてください。


■テーマ「ヒューマン・ロボット・インタラクション 人と通じあうためのテクノロジー」 クレジット

監修:茂木 強(科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー)

グラフィックデザイン:若松 萌太

イラスト:藤田 翔

<常設展示「ハロー! ロボット」の一部展示の公開終了について>

リニューアルにともない、以下のロボット展示の公開を2025年6月23日(月)で終了いたします。

 ・けんけんロボット

 ・トーキング・ボーンズ

 ・耐火性ソフトグリッパ機構

 ・Pupiloid(ピューピロイド)

 ・ウマ後肢型ロボット

 ・漫画『サイド-バイ-サイド』

日本科学未来館

〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6
TEL:03-3570-9151 FAX:03-3570-9150
URL:https://www.miraikan.jst.go.jp/

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会社概要

URL
https://www.miraikan.jst.go.jp/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル
電話番号
03-3570-9151
代表者名
橋本和仁
上場
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資本金
-
設立
1996年10月