「東京23区 平均世帯年収1位の小学校区一覧」の公表について

世帯年収の高い小学校区と人気小学校区は相関する傾向、23区で最も平均年収の高かった小学校区は港区の南山小学校、次いで千代田区の番町小学校。

不動産ビッグデータでビジネス展開するスタイルアクト株式会社（東京都中央区・ 代表取締役：沖有人）は、「東京23区の年収の高い小学校区」の調査を行ったので、本日公表します。

小学校区平均世帯年収は、国勢調査および住宅土地統計調査を元に、自社の独自ロジックを使用して分析し、2016年1月時点に補正して作成しました。このリリースでは、各行政区で1位になった小学校区のみ公表していますが、スタイルアクトが運営する「住まいサーフィン」では、23区の上位10位、都下の上位5位までを掲載しており、各学区における新築マンションの相場価格も確認できますので、ご覧ください。

詳細はこちら⇒https://www.sumai-surfin.com/k/static/nensyu/

【特徴的な4つの行政区】

1.港区
23区で最も平均年収が高い小学校区は、港区の南山小学校でした。平均年収の高い港区でこの小学校区が1位になった理由として、学区内に六本木ヒルズや元麻布ヒルズなど専有面積の広い高級マンションが数多く建ち並んでいることがあげられます。この学区の中では、元麻布1丁目の平均年収が特に高くなっていました。港区では他にも、有名小学校である白金小学校（平均年収：865万円）や、学校選択制で最も倍率の高い御成門小学校（平均年収：893万円）など、人気の学区が上位にランクインしています。

2.文京区
近年、年少人口が増加し住宅地域として人気が高まっている文京区の1位は、礫川小学校でした。この学区は、富坂（現春日通）を上った高台に位置し、春日や小石川エリアの一部が含まれます。そのため、景観がよく、教育環境も優れているため、絶好のマンション立地となっています。特に、礫川小学校区内の春日2丁目は、立地の良さを売りとした高級マンションが多数存在し、高世帯収入者が多い丁目といえます。

3.江東区
人口増加が著しい江東区では、タワーマンションが立ち並ぶ豊洲エリアを学校区とする豊洲北小学校が、最も年収の高い学区となりました。豊洲エリアは、都心へのアクセスが良いため、職住近接を求めるファミリー層に人気のエリアです。豊洲北小学校区は、新しく開発されたマンション街（豊洲1～3丁目）を含んでおり、道路は広く、緑が多いという特徴もあります。中でも、豊洲1丁目は、平均年収が高い地域という結果が出ました。

4.杉並区
1位は、西萩北エリアを学区とする桃井第三小学校でした。この学区は、JR西荻窪駅北口から徒歩3分の好立地で、西荻北1～3丁目を含みます。また、杉並区教育員会からタブレット端末を使用したICT活用の研究パイロット校に指定されるなど、教育環境の高さから学校選択制で人気となっています。特に西荻北3丁目は、駅に近く、敷地面積の広い戸建が多いなどの特徴から、他の地域よりも平均年収が高いことがわかりました。

【総括】
平均世帯年収が高い小学校区と人気小学校区は、相関する傾向にあるといえます。世帯年収が高い学区は、「歴史と伝統がある」「研究パイロット校指定」といった教育環境の良さと、「高級住宅街や大手企業社宅が存在する」という平均世帯年収を上げる要素を併せ持つと考えられます。最近では、学区選択に制限がかかる行政区が出てきており、人気学区は抽選になるケースが増加しています。また、行政区によっては新入学時にのみ学区を選択でき、転居時には選択できないなど、学区選択制への制限は今後も進む傾向が予想されます。住宅購入動機の1つとして、「子供の教育環境を考慮」が常に上位にあげられることから、今回の調査結果を購入検討時の参考資料になるのではと考えます。