オンライン音楽ストリーミングのグローバル市場、2019年に前年比32%の成長を遂げ、会員数は3.5億人を突破

Spotifyは2019年の総売上が前年比23%成長し、引き続き市場をリード。音楽ストリーミング各社は、ポッドキャストを使った独自コンテンツ制作に注力し、2020年に大規模な宣伝を開始する予定に。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、オンライン音楽ストリーミングの会員数は世界中で、2019年に前年比32%増加し、3.58億人に達したという調査結果を含む最新調査を発表致しました。
この伸びはポッドキャストなどで独自コンテンツを提供していることによるものであり、それに興味を持ったユーザーがストリーミングプラットフォームに魅力を感じ、その後、有料会員になっています。さらに、新興国での料金値下げによるプロモーションや、キャリアの抱き合わせ販売が、成長を後押ししています。オンライン音楽ストリーミングは、2020年末までに前年比25%以上成長し、会員数は4.5億人を突破すると私たちは予測しています。

本市場の全体像について、リサーチアナリストのAbhilash Kumar氏は以下の通りコメントしています。
「有料会員数は前年比32%伸びており、またMAU(月間アクティブユーザー数)は前年比23%伸びている。つまり、面倒なしに手軽に音楽を楽しむためなら、消費者は音楽ストリーミングにお金を払う、ということである。しかし、この成長は、必ずしも消費者の行動の変化だけによるものではない。音楽ストリーミングのプラットフォームを運営する各社は、会員獲得のために2ステップのアプローチを取っている。まず、洗練された広告キャンペーンで惹きつけて無料会員として登録してもらい、その後、登録した会員に対して様々な特典を提供し、有料会員に切り替えてもらっているというアプローチ方法である。」

Spotifyは2019年にグローバル市場でトップの座を獲得し、売上で31%のシェア、有料会員数で35%のシェアを獲得しています。これに続き、Apple Musicは売上シェアで24%、有料会員数シェア19%を獲得しています。AppleはApple Musicを含むサービス事業に注力していることもあり、会員数は2019年に前年比36%増加しています。また、Amazon Musicの会員数シェアは2019年に15%となり、2018年の10%から増加しています。

シェアトップ各社に関して、Kumar氏は以下のように付け加えています。
「Spotifyはトップの座を維持した。同社は、3か月無料のSpotify Premiumの提供、料金の値下げ、Shopifyらしいカスタマイズプロモーション、そして、独自コンテンツへの注力といった施策が当たった。ハイテクの巨人であるAmazon、Apple、Googleも音楽ストリーミングに注力し始めており、潤沢な資金を武器にSpotifyと熾烈な競争をしている。Apple Musicはナイトモード、対象グループごとのおすすめプレイリスト等の改良をアプリに加えている。また、Amazon Musicは非圧縮(ロスレス)ストリーミングを手掛けつつあり、このニッチ市場で先行するTidalと戦おうとしている。」
 


グローバル規模のストリーミング企業が自社のプラットフォームを強力に売り込むなかで、地場の企業も健闘しています。これら地場企業は、地域による知名度と、各地域固有なコンテンツの提供とを武器にしています。例えばGaanaは依然インド第1位であり、Yandex Musicはロシアにおけるリーダーのポジションを獲得しています。アラブ世界で首位のAnghamiも同様です。また、Tencent Music Groupは、QQ Music、Kugou、Kuwoといった再生プレイヤーアプリの貢献により、中国市場のリーダーのポジションを獲得しています。

OTT業界(ストリーミングを始めとするコンテンツサービス)へのCOVID-19(新型コロナウイルス)の流行の影響について、Kumar氏は以下のように述べています。
「OTT業界は上向くと予測している。その理由は、人々が自宅にいながら最新状況を追いかける状況下にあることが挙げられる。ウイルス流行の最中では、オーディオストリーミングの主流コンテンツは、音楽からラジオへと切り替わった。感染が拡大する地域では、大流行を懸念する人々が最新情報を得ようと、テレビ・ラジオのニュースをつけっぱなしにしていることから、ニュースのチャンネルやポッドキャストは好調になり、その分、音楽ストリーミングが減っている状況である。」

地場のストリーミング企業、グローバル企業のどちらも独自コンテンツ制作に注力しています。有料会員数を伸ばす上では往々にして独自コンテンツが必要となる為、ポッドキャスト企業を買収し、独自のチャンネルを作る動きは至る場所で起きています。

音楽ストリーミングの売上の8割以上は有料会員からであり、残りは広告や提携する端末やキャリア企業からの売上といった構成です。その為、有料会員数を伸ばすことは音楽ストリーミングのプラットフォームを運営する各社にとって最優先課題となっています。

包括的で詳細な一連のレポートGlobal Online Music Streaming Market Q4 2019を提供中です。ストリーミング市場について、各地域のMAU、各地域の有料会員数、売上、ARPU(機器一台あたり平均売上)の観点でまとめまています。
また、グローバル視点での会員数、売上、ARPUに関するレポートは、次のリンクをご参照ください。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Individual/1810
MAUと有料会員数の地域別分析については、下記のリンクをご参照ください。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Individual/1811

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【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
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代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月