【24卒学生就活動向調査】コロナネイティブの就活生は「コロナによる影響」はポジティブに捉えていた
調査の背景
2024年卒業の学生は、大学入学前にコロナ禍が始まり、コロナ禍を前提とした学生生活を送ってきた「コロナネイティブ」。授業はオンラインが主流で、サークルなどの課外活動が大きく制限され、アルバイトもリモート勤務、留学も断念せざるを得ないなど、コロナ前に一般的だった学生生活とは大きく異なる数年間を過ごしてきました。
当然、就活もオンラインが当たり前。大学入学後、通常の大学生活をある程度経験した後にコロナ禍に突入した22卒・23卒と異なる特徴はあるのでしょうか? 初のコロナネイティブ「24卒」の就活動向調査結果をまとめました。
調査の主な結果
今回の就活動向調査から見えてきた「24卒の動向」で特徴的だったのは以下の3点でした。このリリースでは、3点に絞った考察を取り上げます。より詳しい調査結果を知りたい方は、以下よりご覧になれます。
URL:https://blog.reccoo.com/blog/whitepaper610
・約7割がコロナ禍が就活に「ポジティブな影響があった」と回答
・3割超が内定承諾後の辞退に「抵抗がない」と回答
・半数近くがタイパ重視でも、インターンは対面希望が約6割
各結果の詳細(1):約7割がコロナ禍が就活に「ポジティブな影響があった」
24卒学生1,071名に、新型コロナウイルス感染拡大によって、就活にどのような影響があったのかを聞きました。結果、「ポジティブな影響があった(20.9%)」「どちらかといえばポジティブな影響があった(46.7%)」と回答した学生は、合わせて7割近く(67.6%)にのぼりました。
学生の回答 【ポジティブな影響】 ・オンライン面接が多く、交通費や移動時間の心配がなかった。 ・移動がないため、1日にいくつも予定を入れることができた。 ・オンラインが多く、研究活動への影響が小さかった。 ・オンラインでインターンや面接に参加できて、留学中でも選考に参加できた。 【ネガティブな影響】 ・これといった経験をしておらず、ガクチカ作りに苦労した。 ・インターンなどでオフィス対面での実施が厳しくなり、会社の雰囲気が分かりにくい。 |
ポジティブな影響があったという回答の理由として、最も多くみられたのが「オンライン就活」によるメリット。移動がない分、短時間で効率的に予定を組み込めるようになったことをポジティブに捉えていることがわかります。サークルなどで先輩である22卒、23卒との直接的な交流が少なく、コロナ前の就活に関する情報が入りにくいため、それと比較することも少なかったと考えられます。
また、企業側も24卒でオンライン採用活動4年目に入り、22卒や23卒では構築しきれていなかった採用オペレーションの精度が上がったことで、学生が企業に対して運営上の不満を持つ機会は減っていると想定されます。このような背景から、コロナ禍の就活への影響をポジティブに捉える学生が多いようです。
各調査結果の詳細(2):3割超が内定承諾後の辞退に「抵抗がない」
内定承諾後に、内定辞退することに対する意識を聞きました。結果、約3割(34.5%)が「内定承諾後の辞退に抵抗がない」と回答。また、実際に内定承諾後に辞退をしたことがあるとの回答も同じく3割(30.5%)にのぼりました。
要因としては、コロナ禍の影響を受けて年々強まる「大手志向」と「希薄化する人事 / 企業との繋がり」の2つが考えられます。
「大手志向」の進行で、大手企業の選考結果が出揃うまでは最終的な意思決定をしない学生が年々増えており、早期に獲得した内定を回答期限内に一旦は承諾するものの、大手企業から内定が出てから辞退を申し入れる動きが見られます。
また「希薄化する人事 / 企業との繋がり」については、オンライン就活の浸透により、採用プロセス全体で対面での接触機会が減り、人事担当者ひいては企業との関係性が希薄化しました。そのため、十分なコミュニケーションを取らないまま内定を提示され、回答期限を迎えた時点で機械的に承諾する学生も少なくありません。関係性が希薄で内定辞退に対して罪悪感を持ちづらい環境になっているとも言えます。
各調査結果の詳細(3):半数近くがタイパ重視でも、インターンは対面希望が約6割
オンライン就活による効率化をメリットとして捉えている24卒学生に、就活への意気込みを聞きました。結果、半数近い44.9%の学生が「効率良く就活を進めたい」と回答。効率良く、最大の成果を求めたいという「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が見られました。
続いて、就活における各コンテンツの開催形式について聞いたところ、約8割の学生が、「説明会」はオンライン開催を希望。効率的に多くの企業を見るためには、移動時間がかからない「オンライン」の方が利点が大きいようです。その他のコンテンツに関しても、「接点を持つこと」を目的とするものに関しては、オンライン開催の方が学生の参加数を見込めるでしょう。その一方で、複数日程インターンなど、時間をかけてアトラクト(魅力づけ)ができるコンテンツに関しては、対面での開催を希望する学生が6割近くに達しました。
コロナ禍収束後も学生の就活における「タイパ重視」の傾向は一定レベルで維持されると予想されます。企業側は、「接点を持つためのコンテンツはオンライン」「魅力づけのためのコンテンツは対面開催」というふうに使い分けながら、タイパのよい「就活体験」を設計する必要がありそうです。
調査概要
【24卒学生6月就活動向調査概要】
調査対象者 :2024年度卒業予定学生
対象エリア :全国
有効回答数 :1,071件
調査手法 :Webアンケート
調査時期 :2023年6月19日〜7月9日
調査機関 :株式会社RECCOO
*本調査を引用される際は【 RECCOO「24卒学生6月就活動向調査」】と明記ください
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます
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問い合わせ先
株式会社RECCOO
メールアドレス:info@reccoo.com
電話:03-5725-0406
担当:関田
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