モダナイゼーション「必要」と知りながら約半数が構想止まり。壁は技術より"情報不足"
〜影響範囲・コスト・品質が見えないことが意思決定を阻む。完了後も3割で課題残存〜
AI要件定義「Acsim(アクシム)」を提供する株式会社ROUTE06(本社:東京都千代田区、代表取締役:遠藤 崇史、以下「ROUTE06」)は、基幹システムの企画・刷新に関与する部署の管理職およびSIer・ITベンダーで要件定義に関わる担当者を対象に「モダナイゼーションの実態調査」を実施し、328名から回答を得ました。
※SIer・ITベンダーについては、担当している顧客企業の状況を回答いただいています。

【調査結果概要】
・約7割がモダナイゼーションを実施。一方で、約2割が必要性を感じながらも未着手
・約半数が「構想段階」止まり。実行フェーズ移行できない企業が多数
・人材不足の影響、1位「システム改修停滞」2位「障害対応遅延」3位「セキュリティ対策遅延」
・モダナイゼーション最大の障壁、事業会社は「投資判断」、SIerは「リスク不安」
・約6割が、「業務を止めないこと」と「事前可視化」を重視
・言語変換への懸念、トップは「バグ・不具合の発生」
・成功企業の共通点は「ロードマップ策定」と「影響範囲の可視化」
・最大の経営リスクは「DX停滞」と「人材不足」、事業会社・SIer双方で共通認識
【調査結果詳細】
◼️約7割がモダナイゼーションを実施。一方で、約2割が必要性を感じながらも未着手
モダナイゼーションが必要なレガシーシステムの有無を尋ねたところ、「以前はあったが、すべて刷新済み」が26.7%、「現在もあり、モダナイゼーションが一部完了」が46.7%で、合わせて73.4%がすでに取り組みを進めていることがわかりました。
一方で、「現在もあり、モダナイゼーションが必要だが未実施」が17.0%と、約2割が必要性を認識しながらも未着手の状態にあることも明らかになりました(n=165/事業会社)。

◼️約半数が「構想段階」止まり。実行フェーズへ移行できない企業が多数
残っているレガシーシステムに対するモダナイゼーションの進捗状況を尋ねたところ、事業会社では「構想段階(構想止まり)」が46.7%、SIer・ITベンダーが担当する顧客企業でも54.7%に上りました。推進中の企業が一定数いる一方で、約半数が実行フェーズに踏み出せていない実態が明らかになりました(モダナイゼーションが必要な企業/事業会社n=105、SIer顧客企業n=106)。
※該当システムが複数ある場合は該当するものをすべて選択

◼️モダナイゼーション対象の言語は「Java」が最多。レガシーに限らず、既存システム全体に広がる
モダナイゼーション対象となったシステムで使用されていた言語を尋ねたところ、「Java」と回答した割合は事業会社が56.2%、SIerが48.1%でいずれも最多となりました。続いて「COBOL」は事業会社が43.8%、SIerが45.9%、「PL/I」は事業会社が43.0%、SIerが45.2%となりました。
モダナイゼーションの対象は、レガシー言語に限定されず、Javaにも広がっていることがうかがえます(モダナイゼーションを実施した企業/事業会社n=121、SIer顧客企業n=135)。

◼️レガシー人材不足の影響、1位「システム改修停滞」2位「障害対応遅延」3位「セキュリティ対策遅延」
レガシー言語を扱える技術者が不足した場合の影響を尋ねたところ、「システム改修が停滞する」が53.9%で最も多く、「障害発生時の対応(特定・復旧)が遅れる」が53.3%、「セキュリティ対策が遅れる」が48.0%と続きました。レガシー人材の不足は、開発・運用・保守の幅広い領域に影響を及ぼし、事業継続リスクに直結しうることがわかりました(n=152/レガシー言語を扱える技術者がいる事業会社)。

◼️モダナイゼーションは一定の成果も、約3割で課題が残存
モダナイゼーションの達成度を尋ねたところ、「おおむね達成できた」が70.2%と、多くの企業で一定の成果が見られました。一方で、「一部は達成できたが、課題が残った」が31.4%存在し、完了後も課題が残るケースが少なくないことが明らかになりました(n=121/モダナイゼーションを実施した事業会社)。
※該当システムが複数ある場合は該当するものをすべて選択

<課題が残った・目標が達成できなかった理由/一部抜粋>
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システムが複雑すぎてスケジュールが超過したため縮小せざるを得なかった
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誰にもレガシーシステムの改修が出来ず、属人化によりプロジェクトが停滞してしまった
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想定以上にコストがかかり、要員確保も大変だった
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社内の優先順位がバラバラで、本当に必要な機能なのか判別に時間を要した
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単なる言語の書き換えレベルにとどまってしまった
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新システムに完全移行できず、レガシーシステムを併存せざるを得なかった
◼️モダナイゼーション最大の障壁、事業会社は「投資判断」、SIerは「リスク不安」
モダナイゼーションが本格的に進んでいない理由を尋ねたところ、事業会社では「投資対効果が不明確」が51.9%で最も多く、「移行期間やコストを見積もれない」が50.0%、「業務停止リスクの懸念」が48.1%と続き、判断材料の不足が意思決定を阻んでいる傾向がみられました(n=52/モダナイゼーションが進んでいない事業会社)。
一方SIer・ITベンダーでは、担当する顧客企業の状況として「業務停止リスクが懸念される」が63.9%で最も多く、「言語変換の精度や品質への不安がある」が52.5%、「改修・移行時の業務や他システムへの影響範囲が見えない」が50.8%と続き、技術的リスクへの懸念が強く認識されていることがわかりました(n=61/顧客企業のモダナイゼーションが進んでいないSIer)。

◼️期待効果は「スピード向上」、実感効果は「コスト削減」
モダナイゼーションに期待する効果について尋ねたところ、「新機能追加・改修のスピード向上」が57.1%で最も多く、「セキュリティリスクの低減」が51.4%、「クラウド移行の実現」が49.5%と続きました(n=105/モダナイゼーションが必要な事業会社)。
一方で、実際に感じている効果について尋ねたところ、「システム保守コストの削減」が52.1%で最も多く、次いで「セキュリティリスクの低減」が51.2%、「新機能追加・改修のスピード向上」と「クラウド移行の実現」が47.9%で同率となりました(n=121/モダナイゼーションを実施した事業会社)。
期待段階では新機能追加・改修のスピード向上など"攻め"の効果が上位に挙がる一方、実施後はコスト削減など"守り"の効果がより強く実感される傾向がみられました。

◼️約6割が、「業務を止めないこと」と「事前可視化」を重視
モダナイゼーションで重視する点を尋ねたところ、「業務を止めずに移行できること」が59.1%で最も多く、「影響範囲・コスト・期間を事前に可視化できること」が57.7%、「変換後のコード品質が保証されること」が47.7%と続き、移行の安全性と事前の見通しを重視する傾向がみられました(n=149/モダナイゼーションが完了、または必要な事業会社)。

◼️言語変換への懸念、トップは「バグ・不具合の発生」
レガシー言語から新言語への変換における懸念を尋ねたところ、「変換時のバグ・不具合の発生」が62.2%で最も多く、「業務ロジックの再現性」が55.1%、「変換後の動作検証の工数」が48.1%と続き、品質と検証負荷に対する懸念が根強いことがわかりました(n=156/レガシーシステムがあった、または現在もある事業会社)。

◼️成功企業の共通点は「ロードマップ策定」と「影響範囲の可視化」
SIer・ITベンダーに対し、モダナイゼーションに成功している企業の共通点を尋ねたところ、「明確なロードマップ策定」が55.8%で最も多く、「影響範囲の事前可視化」が55.2%、「小規模から段階的に実施」が38.7%と続き、計画性をもって段階的に推進している企業ほど成功しやすい傾向がみられました(n=163/SIer・ITベンダー)。

◼️最大の経営リスクは「DX停滞」と「人材不足」、事業会社・SIerで認識が一致
モダナイゼーションが進まない場合の経営リスクを尋ねたところ、事業会社、SIer共に「DX推進の停滞・遅延」、「技術者不足による保守・運用の困難化」が半数を越えており、将来的なリスク認識は双方で共通する結果となりました(n=165/事業会社、n=163/SIer・ITベンダー)。

◼️ROUTE06 取締役 松本 均 コメント
本調査から、モダナイゼーションは多くの企業において「必要性は認識されているものの、実行に踏み切れていない」状態にあることが明らかになりました。
その根本にあるのは、技術的な難易度よりも「影響範囲・コスト・品質が事前に見えないこと」だと考えています。事業会社では投資判断の難しさ、SIerではリスクへの懸念と、立場による認識差はみられるものの、共通しているのはいずれも「判断材料の不足」です。これは、モダナイゼーションに必要な情報であるシステムの全体像や影響範囲が、そもそも可視化・構造化されていないことに起因しています。
さらに、レガシー言語を扱える人材の高齢化や属人化の進行は、この問題を加速させています。判断材料を揃えようにも、システムの仕様を説明できる人材がいない、設計書が存在しないというケースが現場では珍しくありません。モダナイゼーションは今や、単なる技術刷新ではなく、事業継続性に直結する経営課題として捉え直す必要があります。
今後は「実施するかどうか」ではなく、「いかに安全に進められるか」が問われるフェーズに入っています。すでに大手SIerを中心に、設計書生成や構造把握にAIを活用する動きが広がっており、判断材料の整備をAIで補うアプローチは業界全体で加速しています。こうしたテクノロジーを活用し、影響範囲やコストを事前に可視化しながら段階的に移行できる仕組みを整えることが、モダナイゼーションを前進させる鍵になるでしょう。
【調査概要】
調査名称 :モダナイゼーションの実態調査
調査機関 :Fastask
調査対象 :基幹システムの企画・刷新に関与する部署の管理職および、SIer・ITベンダーで要件定義に関わる担当者
調査方法 :Webアンケート
調査日 :2026年3月18日~2026年3月23日
有効回答数:328件(事業会社:165件/SIer・ITベンダー:163件)
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります
・調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「ROUTE06の調査によると」「ROUTE06調べ」など
◼️「AI要件定義サミット2026」を2026年6月11日に開催
「AI × 要件定義」をテーマに、これまで属人化されてきた上流工程をテクノロジーで再定義するカンファレンスを開催いたします。
登壇者として、DeNA 取締役会長 南場智子氏をはじめ、内閣府、NTTデータ、IBM、日立製作所、野村総合研究所、JR東海、大阪ガス、イオン、LayerXなど、日本の産業・行政・テクノロジーを横断するリーダーが集結。AIを活用した要件定義の実践事例をもとに、開発の上流工程をいかに再設計すべきかを多角的に議論します。
<開催概要>
イベント名:AI要件定義サミット2026 〜AI要件定義が支える、カスタマイズ大国・日本のシステム設計の未来〜
開催日時 :2026年6月11日(木)13:00〜18:00
会場 :TODA HALL & CONFERENCE TOKYO(トダ ホール&カンファレンス トウキョウ)東京都中央区京橋一丁目7番1号 TODA BUILDING 4階
後援 :一般社団法人 日本経済団体連合会
来場者数 :1,000名(予定)
お申込みはこちら:https://ai-requirement-definition-summit.com/2026
◼️Acsimとは
「Acsim(アクシム)」は、属人化しやすい要件定義において、AIが推進者の思考を補完・強化し、誰もが要件定義ができる世界を実現する生成AIプラットフォームです。現状把握や課題抽出、改善方針提示、本格的なプロトタイプ構築、稟議支援、設計書の自動出力まで、要件定義に必要なプロセスを一貫して支援します。生成された設計情報は構造化データとして蓄積され、実装・テストといった後続工程でも活用可能。開発全体の品質を高め、意思決定の精度とスピードを飛躍的に向上させます。
サービスサイト:https://ai.acsim.app
◼️ROUTE06について
ROUTE06は、人とAIの協創によってプロダクト開発を再定義するスタートアップです。自然言語による対話と直感的なノードUIを融合したユーザー体験を軸に、要件設計「Acsim」、AIエージェント構築「Giselle」、データベース設計「Liam」などのAI駆動開発プラットフォームを提供。設計・実装・運用の全工程に対応し、開発のスピードと品質を革新します。大手企業向けシステム開発の実績とモダンなプロダクト開発の知見を活かし、大手システムインテグレーターからスタートアップまで、すべてのプロダクトビルダーが自由にアイデアを形にできる未来を目指します。
所在地 :〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング9F
設立 :2020年1月24日
代表者 :代表取締役 遠藤 崇史
事業内容:AI駆動開発プラットフォーム、AI導入・活用支援、システム開発・コンサルティング
◼️お問い合わせ先
株式会社ROUTE06 広報担当
Email:acsim-marketing@route06.co.jp
Tel:050-1741-2091
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