高齢者のワクチン接種率が減少傾向に─Buzzreachが最新レポートを発表
~「もう打たなくていい」は本当か?選択肢・説明・費用負担の格差に迫る~
株式会社Buzzreach(本社:東京都、代表取締役CEO:猪川崇輝)はこのたび、国内外のデータと調査結果に基づき、高齢者における新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチン接種状況を多角的に分析したレポート『高齢者のためのCOVID-19治療実態と次世代ワクチンの選択肢』をnoteにて発表したことをお知らせ致します。

本レポートでは、流行中の変異株LP.8.1の感染力と免疫逃避リスク、自己負担導入による接種率の減少、mRNAワクチン一択の現状、そして医療現場での情報提供体制の不十分さに着目。国内外の実態とデータを踏まえ、「安心して接種できる」体制整備の必要性を提言しています。
■ 本レポートと連動note記事

レポート①

レポート②
■ 背景と課題:接種率頭打ちの3要因
Buzzreachがnote連載と独自調査にて特定した主な要因は以下の3つです。
-
費用負担が心理的バリアに
2024年以降、自己負担が導入され、自治体ごとに助成制度の差も。経済的な理由で接種できないという声が高齢層に広がっています※1。
-
医療現場での説明と推奨のばらつき
「今回は見送っても良い」といった医師の判断に左右される例も多く、地域によって接種体制の格差が顕著に※2。
-
情報提供と選択肢の欠如
mRNA型が主流で、VLP・組換えタンパクなど他技術への理解と供給が不足。副反応リスクや保存条件など、選択肢の見える化が不十分※3。
■ 変異株LP.8.1と高齢者の接種の必要性
2025年春以降、国内ではオミクロン系変異株「LP.8.1」の拡大が報告されており、免疫逃避性と高い感染力が指摘されています。東京大学医科学研究所やWHO※4は同株を「注視すべき変異株(VUM)」に指定し、特に高齢者や基礎疾患保有者にとって、ブースター接種の継続が重症化予防の観点から重要であるとしています。
■ データに見る:高齢者のワクチン接種が果たす役割と“選択の壁”
高齢者にとって、ワクチン接種は単なる予防策にとどまらず、「命を守る選択」としての意味を持ちます。厚生労働省のデータ※5によると、70代におけるCOVID-19の致死率は約2.6%、80代以上では5.4%に上り、インフルエンザによる致死率(同年代で0.5%以下)と比較しても極めて高い水準にあります。
さらに、米国CDCの疫学分析※6によれば、未接種高齢者の死亡リスクは、ブースター接種済の高齢者に比べて最大14.1倍に及ぶと報告されています。これは「接種する/しない」が生死を分ける選択になり得ることを示しています。
一方で、米国KFF(Kaiser Family Foundation)※7によると、65歳以上の高齢者の約半数が「ワクチンの安全性に関する情報が不十分」と感じており、また「mRNAワクチン以外の選択肢があれば検討したい」とする回答も一定数確認されており、情報提供体制の整備も喫緊の課題です。
■ 今後の情報発信の取組み
当社は、医療・製薬分野における情報流通の担い手として、以下のような現実的かつ継続可能なアプローチで、ワクチンや予防医療への理解促進を支援しています。
・Search My Trialを通じた治験・予防医療情報の発信
当社が運営する治験情報プラットフォーム「SearchMyTrial」では、COVID-19を含むワクチンや感染症関連の治験情報を、一般向けにわかりやすく掲載。対象条件や内容を明示することで、治療の選択肢へのアクセスを支援しています。
・疾患啓発レポートやnote連載による“情報の見える化”
厚労省やCDCなどの公的情報をもとに、当社は専門的な医療・ワクチン情報を生活者目線で再構成し、レポートやnote記事として継続的に発信しています。「難しいから届かない」をなくし、必要な人に必要な形で届ける情報設計に取り組んでいます。
・パートナー企業との協議を通じた情報発信基盤の強化
当社は、医療・ヘルスケア分野で連携するパートナー企業と協議し、より多くの生活者に届く情報発信の方法や媒体のあり方を共創しています。情報の質と到達力を両立する仕組みづくりを通じて、“届く”医療情報の社会実装を目指しています。
■参考文献
※1 Buzzreach公式Note『なぜ接種率は頭打ちになったのか? 高齢者のワクチン接種を阻む3つの要因』
※2 同上(かかりつけ医の推奨スタンスの違い)
※3 WHO Vaccine Landscape (Dec 2023)
※4 Buzzreach公式Note『流行変異株に対して高齢者のワクチン接種は必要なのか?』、東京大学医科学研究所、WHO
※5 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)」
※6 CDC MMWR, February 2023
※7 KFF COVID-19 Vaccine Monitor Dashboard
■ 本レポートと連動note記事
レポート全文はこちら:PDFでダウンロード
【株式会社Buzzreachについて】
社名:株式会社Buzzreach
本社所在地:東京都港区
代表取締役CEO:猪川 崇輝
事業内容:治験・臨床研究業務支援SaaSの提供、DCT(分散型臨床試験)支援事業、パートナーサイトを活用した患者リクルートプラットフォームの開発運営、患者SNS事業等
URL:https://www.buzzreach.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社Buzzreach 広報担当
Email:info@buzzreach.co.jp
すべての画像