【小学生の長期休みの過ごし方|独自調査結果】高学年の61.9%が自宅で留守番。友達と遊んでいない子どもは40.8%、低所得では56.9%。学童保育への不満も多数。子どもの居場所や体験の不足が浮き彫りに
「日本中の放課後を、ゴールデンタイムに。」をミッションに活動する特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール(代表理事:平岩国泰、本部:東京都文京区/以下「放課後NPOアフタースクール」)は、就労家庭の小学生の長期休みの過ごし方について独自調査を行いました。本調査では小学生の子どもがいる就労家庭1,200人を対象に、長期休みの過ごし方やその課題感について実態調査を実施。その結果、就労家庭の子どもは旅行等の特別な体験や友達と遊ぶ機会が少なく、特に低所得層でその割合が高いこと、そして子どもの居場所や体験が不足している状況が浮き彫りになりました。調査により見えてきた小学生の長期休みの過ごし方の実態についてご報告いたします。

調査結果サマリー(概要資料URL:https://x.gd/9KhIs)

●長期休みに自宅で留守番をして過ごしている子どもの割合は全体で50.6%、高学年では61.9%を占める。子どもからは「学童に行きたくない」「学童はつまらない」など、学童保育への不満が多数。保護者からは「安心安全に過ごせる場所や預かりサービスがほしい」という声。 ●子どもからは「旅行に行きたい」「いろいろな体験をしたい」「もっと遊びたい」という声が多数あがったのに対して、「サマースクール・キャンプ・旅行等」を「なし」と答えた割合は、全体で77.8%。「友達と遊ぶ」を「なし」と答えた割合は、全体で40.8%。 ●年収300万円未満では、「サマースクール・キャンプ・旅行等」なしが92.3%、「友達と遊ぶ」なしが56.9%にのぼる。さらに、「祖父母・親戚の家で過ごす」機会がない割合も69.2%と全体平均に比べ著しく多い。 |
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調査概要
実査委託先:株式会社マーケティングアプリケーションズ「サーベロイド」
調査期間:2025年1月17日(金)〜1月18日(土)
調査対象:小学生の子どもを持つ就労家庭の男女(有効回答数:1200)
調査方法:インターネット調査
※小数点第二位以下を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合もあります。
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今回の調査における就労家庭の小学生は、長期休みに自宅で留守番をして過ごしている割合が全体で50.6%、高学年では61.9%となり、頻度も多くなる結果となりました。

「サマースクール・キャンプ・旅行等」については、全体で77.8%がなしと回答。年収別に見ると、300万円未満では92.3%がなしと回答しています。地域別に見ると都市部よりも都市部以外でなしの回答が多い結果となりました。

続いて、友達と遊ぶ頻度については、「週1回未満」と回答した割合は、全体で58.6%。年収別に見ると、300万円未満で友達と遊んでいないと回答した割合は56.9%と、他と比べて多い結果となりました。地域別に見ると、都市部よりも都市部以外で友達と遊ぶ頻度が少ない傾向にあることがうかがえます。

また、「祖父母や親戚の家で過ごす」割合は全体で48.2%であり、年収別に見ると、300万円未満で69.2%がなしと回答し、他と比べると著しく多い結果になりました。
ここから低所得層の子どもは長期休みに友達と遊ぶ機会や保護者以外の大人と関わる機会が少なく、孤立しがちな状況にあることがうかがえます。

さらに、長期休みに「習い事/友達と遊ぶ/祖父母や親戚の家に行く/サマースクール・キャンプ・旅行等」いずれの体験もない子どもは全体で23.0%、低所得層だと38.5%という結果となり、特に低所得層の子どもは長期休みの体験が少ない状況が浮き彫りとなりました。

一方、子どもたちに長期休みの過ごし方についてニーズを聞いたところ、「旅行・お出かけがしたい」「いろいろな体験がしたい」「友達ともっと遊びたい」という声が特に多く上がりました。他にも「家族とお出かけしたい/家族と過ごしたい」「家でゆっくりしたい」「自由に過ごしたい」という声も多数あがりました。

保護者の子どもの長期休みの過ごし方に対するニーズとしては、「安心・安全に過ごせる場所・サービスがほしい」「いろいろな体験をさせてあげたい(けど、働いていてできない)」という声が多くあがりました。ここから、所得に限らず子どもや保護者は長期休みの過ごし方に不満や困りごとを多く抱えていることが分かります。

さらに子どもたちの声を聴いてみると、学童保育に対する不満の声が多くあがりました。長期休みに学童保育で過ごす割合は全体で43.5%、低学年だと61.0%を占めます。長期休みの長い時間を過ごす学童保育ですが、子どもたちからは「学童に行きたくない」「学童ばかりだとつまらない」などの声がありました。


●調査を行った放課後NPOアフタースクール代表理事:平岩国泰より(調査レポートより抜粋) 今回の調査から見えてきたことの1つ目は、低所得層の子どもは長期休みに旅行や習い事だけでなく、友達と遊ぶ、祖父母・親戚の家で過ごす割合が他と比べて著しく少ないということです。低所得層の子どもたちは特に長期休みに孤立しがちな状況にあることがうかがえました。 2つ目は、所得に限らず多くの子どもや保護者が長期休みの過ごし方に不満や困りごとを抱えているということです。子どもたちからは「もっと遊びたい」などの声が多数あがったのに対して、遊べている割合が少なく、一方で、長期休みという長い時間を自宅で過ごしている子どもが多いことが分かりました。 こうした現状は、各家庭の工夫だけでは解決できないことであり、社会全体での対策が必要です。子どもたちからは学童保育への不満も多くあがっていることから、まずは学童保育が子どもたちにとって行きたい場になることが重要です。一方で、学童保育運営者も長期休みの運営は負担が大きく、現場にも課題があることを考慮したうえで、持続可能な仕組みづくりが求められており、こうした整備も社会全体で進めていく必要があります。 また、地域の多様な居場所の選択肢を増やし、低所得層や高学年の子どもが孤立せず、地域の中で居場所を得られるような環境をつくることも求められています。保護者が介在せずとも子ども同士で安全に自由に遊ぶことのできる、やりたいことをして過ごせる居場所づくりを国・自治体・地域と民間団体が協力しながら一体的に進めていく必要があります。 本調査をきっかけに、放課後や長期休みの実態把握と課題の特定が進み、より本質的な解決策につながっていくことを期待しています。 |
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放課後NPOアフタースクールでは、今後もこうした実態調査を行うと共に社会に発信することで、日本の放課後が子どもたちの視点に立った仕組み・環境へと進化していくことに寄与してまいりたいと思います。
特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクールについて
「日本中の放課後を、ゴールデンタイムに。」をミッションに活動。2009年に法人化。安全で豊かな放課後を日本全国で実現するため、学校施設を活用した放課後の居場所「アフタースクール」を運営。子どもが主体的に過ごせる環境づくりに力を入れています。また、企業や自治体と連携して、全国の放課後の居場所における環境整備や人材育成の支援、体験機会創出に取り組んでいます。活動に賛同くださる多くの方と共に、社会全体で子どもたちを守り、育む活動を加速させ、子どもたちのためのより豊かな放課後の実現に向けてチャレンジを続けています。https://npoafterschool.org/
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