モーション、プラゴ、大和自動車交通、3社で複数のEVタクシーの充電運用最適化に関する実証実験を日産自動車と開始
実証実験を通して、事業用に複数のEV を用いる企業にとって、日々の業務や事業所内の電力需要に適した充電運用の可能性を検証します。
【背景】
タクシー業務ではお客様の乗車場所や時間、目的地を事前に知ることができず、EV タクシー運用時は、バッテリー残量によってご案内ができないケースがあります。また、交通/運送業におけるドライバーの「2024 年問題」(※1)が叫ばれる中、業務時間中の充電は営業機会の損失にもつながります。
そこで、車両およびドライバーの非稼働時間に、事業所の駐車場で、できるだけ多くの車両に営業に必要な充電を行う必要があります。
また、複数台のEV を充電するには、受電設備や契約電力の観点から、電力デマンドのピークを抑制する仕組み(エネルギーマネジメントシステム)が必要です。しかし、単にピークを抑制するだけでは、業務に必要な充電量を確保できないため、車両ごとの翌日の稼働予定や電池残量から、ダイナミックに充電をスケジュールする仕組みが求められています。
【実証実験について】
モーションは、平成23、24 年度 環境省 地球温暖化対策技術開発等事業の採択を受け、「EV タクシー運行最適化システム(EVOT)」(※2)の開発、運用を行ってきましたが、近年のEV を取り巻く環境や社会環境の変化を鑑み、車両が普段もっとも⾧い時間滞在する事業所の駐車場などでの「基礎充電」において、敷地内での電力使用量を鑑みながら、電力デマンドのピークを発生させずに各車両に必要な充電量を適切に充電させる事が重要と考え、EV フリート向け充電管理ソリューション「Optiev(オプティーブ)」(※3)を開発しました。そして、今回の取り組みを通じて実証実験します。
プラゴは、多種多様な企業に対してEV 充電に関するサービスや技術を提供し、各企業の顧客に最適化したEV 充電ビジネスを推進するクラウドソリューション「PLUGO OPEN CHARGE LAB」(※4)を提供しています。PLUGO OPEN CHARGE LAB では、パートナー企業の保有するソフトウエア等とのクラウド上での連携が可能であり、今回、モーションのEV フリート向け充電マネージメントサービス「Optiev」と連携することで、タクシーの運行状況に応じた最適な充電スケジュールと電力出力による充電を実現します。
大和自動車交通は、ハイブリッド車両等の環境にやさしい車両の積極導入、エコドライブの推進などを進めており、各子会社では交通エコロジー・モビリティ財団よりグリーン経営の認証を取得しています。子会社の一つでもある大和自動車交通立川株式会社は10 年間継続したグリーン経営により永年登録事業所として認められており、2022 年12月からはEV タクシーの導入も開始、現在5 台の日産リーフが稼働しています。
今回、「Optiev」では、日産の「Nissan Biz Connect API」を用いて、大和自動車交通のEV タクシー車両の「バッテリー残量」「電力消費量」「走行距離」等の各種データをリアルタイムで取得し、最適な充電スケジュールと充電出力を算出。そして、その算出内容をもとに、「PLUGO OPEN CHARGE LAB」を通じて充電器を制御します。
あわせて、株式会社ルミネが運営する「ルミネ立川」の協力を受け、来店客向けに設置されているEV 急速充電器をタクシーの経路充電拠点として利用し、タクシーが駅で乗客を待つ時間に充電を補う運用の可能性や、立川でのエリア連携の可能性について検証します。
■期待される効果
大和自動車交通のEV タクシーの実証的運用を通して、モーション「Optiev」、プラゴ「PLUGO OPEN CHARGE LAB」、日産「Nissan Biz Connect API」それぞれと、連携した際の機能性、有用性を検証します。
また、実証実験を通じてサービスを進化させていくことで、運行計画が事前に立てられないタクシーをはじめとした様々な事業者においても、EV を積極的に導入できるソリューションの確立を目指します。
※1 働き方改革関連法の改正により、2024 年4 月1 日以降、自動車運送事業に携わるドライバーの年960 時間(休日労働含まず)の上限規制が適用。ドライバーの働き方改善が期待される一方、何も対策を講じなければ交通、物流の停滞が懸念される。
※2「EV タクシーの実用化促進と運用方法確立のための実証研究」プレスリリース
https://www.motion.co.jp/news/article/110705.html
※3「Optiev(オプティーブ)」
※4 「PLUGO OPEN CHARGE LAB」
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