防災情報システム「LONGLIFE AEDGiS(ロングライフイージス)」21都府県で地震被害推定システムの運用開始
建物損傷度に合わせた顧客対応で災害対応の効率化を目指す
旭化成株式会社(代表取締役社長:工藤 幸四郎)及び旭化成ホームズ株式会社(代表取締役社長:川畑 文俊)(以下「旭化成グループ」という。)ならびに国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:林 春男、以下「防災科研」という。)は、2020年より共同で開発を進めてきた「防災情報システムLONGLIFE AEDGiS※1(ロングライフイージス)」について、ヘーベルハウス及びヘーベルメゾンを展開する全エリア(21都府県)をカバーする地震被害推定システムが完成し、2月より旭化成グループ内で運用を開始しましたのでお知らせします。
- 実運用を開始した「地震被害推定システム」の特徴
また、被害状況や建物損傷度を正確に把握するため、独自に5つの損傷ランクに分別しました。地震時の建物の瞬間的な最大の傾き(層間変形角)から被害状況を早急に把握し、精度を高め緻密にランク分けすることで、対応の優先順位付けが可能になります。構造体損傷、外壁のひび割れ、内装材(クロスなど)の損傷被害に対応する5つの損傷ランクをシステムによって推定します(図2)。これによって損傷ランクの大きい建物から対応することで、復旧工事の早期終結、受架電の本数削減※3など、災害対応の効率化、ひいては顧客への安心の提供を実現します。
① 地震動情報(ある地点での震度※4)をインターネット経由で情報を取得し、50mまたは250mメッシュごとの震度を把握する(50mメッシュ適用エリアは南関東の一部)
② 建物ごとの物件情報(位置情報、構造特性)を参照する
③ 当該物件位置の地震動と②の当該建物構造特性情報から被害の推定(振動による被害)と液状化発生確率の計算を行う
④ 被害推定結果から0~4の損傷ランクを計算し対応の優先順位付けを行う
⑤ 損傷ランク上位の判定を受けた建物から優先的に対応する
※1:AEDGiS・・・Asahikasei Earthquake and other disaster Damages Grasp information Systemの略
※2:東京ガスネットワークや防災科研のサーバー
※3:緊急性が高く被災度大の顧客からアプローチするため、顧客からの対応依頼や問い合わせのサービスコール受電対応も減少する
※4:計測震度相当値
- 「地震被害推定システム」の背景
その後2021年から実施した第一フェーズの試験運用※7結果を踏まえ、4,000カ所の地震計ネットワークをもつ東京ガスネットワーク株式会社のデータを活用することで、23区を含めた首都圏全体をカバーすることとしました。その他のエリアについては、J-RISQデータ(防災科研より試験的に配信運用中)を活用し、事業展開する21都府県全エリアをカバーしました。
また、本システムで得られる高密度な地震動情報は、一般の個別建物、構造物、インフラ施設等の即時被害推定や、将来の地震被害想定にも応用できる可能性があります。そのため本取組みで得られる知見を、今後は水害の被害想定システムや、防災におけるSNS情報の活用により、リアルタイムで情報が共有できる仕組み、さらには防災に関する異業種協業などの検討を通して、広く世の中のレジリエンス向上を目指して参ります。
- 東京ガスネットワークのデータについて
- J-RISQについて
※5:発表リリース https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20200108/index/
※6:J-RISQ・・・Japan Real-Time System for Earthquake Damage Estimationの略
※7:発表リリース https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20210305/index/
以上
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