2人に1人は飲酒翌日のパフォーマンス低下も、相手を気遣う飲酒コミュニケーションで円滑な関係づくりを
ポストコロナ初の忘新年会シーズン到来!飲酒による翌日の体調やパフォーマンスの実態調査
飲み会が増える今シーズン。改めて一緒に飲む相手のことや、飲酒によるメリット・デメリットを理解し、飲酒コミュニケーションで円滑な関係づくりに役立ててほしいと、今回の調査結果を発表しました。概要は、以下の【調査サマリー】、詳細結果は次ページ以降をご覧ください。
【 調査サマリー(一部抜粋)】
調査目的:働き盛り世代の現在の飲酒習慣と翌日のパフォーマンスの実態を把握
(1)ポストコロナの飲酒の実態調査結果
①飲酒する理由は、全体で「リラックスできるから(24.7%)」「ストレス解消(16.3%)」と心の健康を求める人が多かった。年代別では20代と30代で「交流が深められる」割合が高かった。
②飲酒回数では、20~30代で月1~週2日が最も多いのに対し、40~50代は毎日が多く、飲酒頻度に年代のギャップがあることがわかった。
③飲酒シーンでは、20~30代が「友達」と飲むことが多いのに対し、40~50代は「ひとり飲み」「家族飲み」と”おうちのみ”が多く、会社での飲み会の機会が全体的に低いことがわかった。
④一方で、この冬の飲み会の機会は増えると回答した人が9割以上にも及び、ポストコロナ初の忘新年会シーズンにおいて、会社や多様な世代の誰かと一緒に飲む機会が増えることが予想される。
(2)仕事と飲酒の実態調査結果
⑤飲酒が翌日の仕事のパフォーマンスに影響すると回答した人は6割にも及ぶ。
⑥飲酒翌日のパフォ―マンスの実態を調べたところ、2人に1人は飲酒翌日のパフォーマンスが低下していた(主観的検査では45.8%、客観的検査では57.9%の人がパフォーマンス低下)
⑦飲酒翌日の体調変化を調べたところ、疲労感42.0%、ふらつき感1.1倍、眠気40.0%、喉の渇き41.4%、腹部の違和感92.6%、吐き気4.7倍に悪化していることがわかった。
⑧飲酒当日の睡眠の質を調べたところ、睡眠の質(総合スコア)が9.8%有意に悪化し、特に起床時の眠気や疲労回復度合い、睡眠時間が有意に悪化していた。
〔考察〕今回の調査によって、心の健康(メンタルヘルス)につながるストレス解消やリフレッシュ、若年層で交流を深める目的で飲酒する人が多いことがわかった。さらに、今回の調査では、飲酒理由や飲酒頻度、飲酒シーンにおいて年代間にギャップが見られた。一方で、飲酒翌日のパフォーマンス低下の実態が示された。働き盛り世代の飲酒において、メリット・デメリット両面を理解した上で、一緒に飲む相手を気遣う飲酒コミュニケーションが重要。その結果、良好な人間関係の構築に繋がり、パフォーマンスの向上が期待できる。
調査の詳細
〔背景と目的〕
厚労省は11月に初めての飲酒に関するガイドラインを策定しました。この背景にはアルコールに関する様々な問題があります。
ポストコロナで忘新年会シーズンが到来する中、飲酒機会の増加が見込まれます。特に、働き盛りの40代~50代は、仕事や家庭の両立に忙しく、健康課題を抱える人が増える世代です。また、健康経営を推進する企業においては、従業員のプレゼンティーイズム(パフォーマンス低下)がコスト増大に繋がるため、従業員の健康管理の必要性が高まっています。したがって、飲酒によるパフォーマンスへの影響を把握し対策することが重要です。 ムサシは、働き盛り世代の健康課題解決に向けた取り組みを行っています。そこで、今回、働き盛り世代の現在の飲酒習慣と翌日のパフォーマンスの実態を把握することを目的に調査しました。
〔調査概要〕
調査方法:アンケート、遺伝子検査、起床時睡眠感(OSA-MA)、
飲酒後のパフォーマンスに関する検査:内田クレペリン検査、VASアンケート、箸豆掴み評価
飲酒後の体調に関する検査:VASアンケート
調査対象:20才~64才の全国の男女231名
1カ月以内に飲酒の機会があり、就業しており(雇用形態不問)、研究に同意いただいた方
調査実施日:2023年10月10日~11月10日
調査主体:武蔵精密工業株式会社
調査機関:株式会社ヘルスケアシステムズ
※本リリース内容を引用される際は、「飲酒翌日のパフォーマンス実態調査・武蔵精密工業調べ 」の明記をお願いいたします。
〔結果詳細〕
働く人たちにとって飲酒はどのようなものなのでしょうか?アンケートの回答から、働き盛り世代のポストコロナの今の飲酒習慣の実態がわかってきました。
① 働く人が飲酒する理由は、全体で4割の人が「リラックスできるから(24.7%)」「ストレス解消(16.3%)」など心の健康に繋がる理由が多いことがわかりました。年代別ですと、20~30代は「交流が深められる」割合が高く、40代以降はストレス解消やリラックスの割合が高い結果となりました。
【図1】お酒を飲む理由(全体)
【図1】お酒を飲む理由(年代別)
② 飲酒回数では、20~30代で月1~週2日が最も多いのに対し、40~50代は毎日が多く、飲酒頻度に年代の大きな差があることがわかりました。
【図2】飲酒頻度
③飲酒シーンでは、20~30代が「友達」と飲むことが多いのに対し、40~50代は「ひとり飲み」「家族飲み」と”おうちのみ”の割合が高く、会社の飲み会の機会が全体的に低いことがわかりました。
【図3】飲酒シーン(誰と飲むか)
④一方で、この冬の飲み会の機会は増えると回答した人が9割以上にも及び、ポストコロナ初の忘年会・新年会シーズンにおいて、会社や多様な世代の誰かと一緒に飲む機会が増えることが予想されました。
【図4】ポストコロナの飲み会の機会
それでは、実際に働き盛り世代の飲酒翌日のパフォーマンスとの関係はどうなのでしょうか?
⑤ 飲酒が翌日の仕事のパフォーマンスに影響すると答えた人は、アンケートの結果、全体で6割(66.8%)にも及びました。
【図5】飲酒翌日の仕事のパフォーマンス低下(体感)全体
【図5】飲酒翌日の仕事のパフォーマンス低下(体感)年代別
⑥それでは、実際に飲酒翌日にパフォ―マンスはどのくらい低下しているのでしょうか。自覚アンケートでは2人に1人(45.8%) は飲酒翌日のパフォーマンスが低下していると回答、全体では有意な差をもって10.8%悪化していました。箸で豆を掴む検査では、5.2%低下していることがわかりました。
【図6】飲酒翌日のパフォーマンスの変化 VASアンケート(自覚)
【図6】飲酒翌日のパフォーマンスの変化 箸豆掴み検査(秒数)
※解析対象:取得データのうち、飲酒前日の酔い感が0である人(VASアンケート:n=175、箸豆掴み検査:n=171)
※1日のパフォーマンス振り返り(VASアンケート)尺度:0:これまで経験したことのないような最良の感覚⇔10000:これまで経験したことのないような最悪の感覚
⑦つぎに、飲酒翌日の体調変化を調べたところ、疲労感で42%、ふらつき感1.1倍、眠気40%、喉の渇き41%、腹部の違和感93%、吐き気4.7倍に悪化していると、どのような状態がどのくらい悪化しているのかがわかりました。
【疲労感】
【ふらつき感】
【眠気】
【喉の渇き】
【腹部の違和感】
【吐き気】
【図7】飲酒翌日の体調の変化(VASアンケート)
※解析対象:取得データのうち、飲酒前日の酔い感が0である人(n=175)
※体調変化(VASアンケート)尺度:0:これまで経験したことのないような最良の感覚⇔10000:これまで経験したことのないような最悪の感覚
⑧また、飲酒当日の睡眠の質についても調べたところ、有意に悪化し(9.8%悪化)、特に起床時の眠気や疲労回復度合い、睡眠時間が有意に悪化していることがわかりました。
【総合スコア】
【起床時の眠気】
【疲労回復度合い】
【睡眠時間】
【図8】飲酒翌日の睡眠の質の変化(OSA-MA)
※解析対象:取得データのうち、飲酒前日の酔い感が0である人(n=175)
〔考察〕
今回の調査によって、働き盛り世代は心の健康(メンタルヘルス)につながるストレス解消やリフレッシュや、交流を深める目的で飲酒する人が多いことがわかりました。さらに、飲酒理由や飲酒頻度、飲酒シーンにおいて年代間にギャップや特徴があることも改めて認識することができました。
一方で、飲酒による翌日の体調やパフォーマンスについて計測したところ、飲酒翌日のパフォーマンス低下の実態が明らかになりました。低下の要因として、飲酒による様々な体調悪化と睡眠の質の低下が関係していることが示されました。
コロナ禍の影響で、若年層の飲酒離れが進み、おうち飲みが定着しました。そのため、ポストコロナ初の飲み会では、初めて一緒に飲むという会社の同僚や上司部下も同席する可能性が高まっています。働き盛り世代の飲酒において、メリット・デメリット両面を理解した上で、一緒に飲む相手を気遣う飲酒コミュニケーションが重要です。その結果、良好な人間関係の構築に繋がり、パフォーマンスの向上も期待できると考えます。
〔今後の展望〕
お酒の付き合いは、ストレス発散や人間関係向上など企業にもメリットがある一方、パフォーマンス低下といったデメリットについては、すべて個人の責任になっているのが現状です。
ポストコロナの飲み会をきっかけに、「健康経営」のひとつとして、適切な飲酒コミュニケーションの推進に取り組む企業が増えていくことが望まれます。
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社ヘルスケアシステムズ 広報担当:高実子(たかじつこ)
電話:03-6809-2722 携帯:090-3131-9936 email:pr@hc-sys.jp
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