【コロナ禍での産業医の活動調査】企業訪問をオンラインに切り替えた産業医が50%、アフターコロナもオンライン実施を求める声が多数
役:杉田雄二)は、2020 年6 月11 日~17 日の間に、産業医90 名に『新型コロナウイルス禍での、産業保健
活動の状況』についてアンケート調査を実施しました。その結果について、専門家の分析を併せてリリースし
ます。

■調査結果のポイント ・月例の産業医訪問を「通常通り訪問した」産業医は19%。一方で、半数の産業医が「オンライン実施」への切り替えを行いました。 ・「衛生委員会」は多くの産業医がオンラインで実施しましたが、職場巡視などの直接確認が重要となる業務ではオンライン化は進みませんでした。 ・コロナ禍において重要な産業保健業務に、半数以上の産業医が「衛生委員会」と「企業担当者からの相談」をあげました。 ・今後求められるサービスとして「システム化・オンライン化」と「メンタルヘルスケア」に関するサービス提供が求められていることが分かりました。 |
■アンケート結果
Q.コロナ禍における、産業保健業務の実施状況を教えてください
「オンラインで実施した」が50%で最多となり、「通常通り訪問した」が19%、「キャンセルした」が12%、「延期した」が10%でした。
Q.オンラインで実施した方:オンラインでおこなった産業保健活動を教えてください(複数回答)
「衛生委員会」が83%、「契約企業との面談」が44.7%、「面接指導」が40.4%、「社員からの健康相談」が38.3%と続きました。
職場巡視などの直接確認が重要な業務のオンライン化は難しいですが、衛生委員会は多くの産業医がオンラインで実施したと回答しました。
Q. コロナ禍において、特に重要だと感じた産業保健業務を教えてください(複数回答)
「衛生委員会」が52.2%、「企業担当者からの相談」が50%、「職場巡視」が36.7%と続きました。
その業務が重要だと感じた理由(フリーコメントより抜粋)

「衛生委員会」 ・メディアであふれる情報の解釈法や、正しい感染対策などを話し合うことができた 「企業からの相談」 ・どのようにして適切なコロナ対策をすべきか、困っている企業が多かった 「職場巡視」 ・コロナ対策ができているかどうかの確認を行った 「社員向け健康教育」 ・デマも多いため、医学的に正しい情報を提供することが効果的・効率的な対策につながる 「社員からの健康相談」 ・コロナに関連して、自身の健康状態を心配している社員が多かった |
新型コロナウイルスの感染拡大という未経験の事態において、まずは人事労務担当者や産業保健の担当者を通して、現場の状況や困っていることを吸い上げることから、各企業に合わせた必要な活動に繋げていることが分かりました。
Q. 今後の産業保健活動で利用したいサービスを教えてください(複数回答)
「企業訪問などのオンライン日程調整」が63.3%、健診データがオンラインで閲覧できる健康管理システム」が61.1%、「メンタル対応で臨床心理士との連携・相談サービス」が44.4%と続きました。
メンタルヘルスのケアや専門的な対応を行っていくための、サービス拡充が求められていることがうかがえました。
フリーコメントでは、「オンラインにより産業医活動の業務が効率化でき、企業と産業医双方にメリットがある。」、「オンライン化やシステム化できることは、出来るだけオンライン・システム上で行い、人がやるべき点に注力できるような産業保健サービスを期待する。」といった意見がみられました。コロナ禍を経て、オンライン・システムを活用することで、より効果の高い産業保健業務が実施できることを実感された産業医が多いと感じました。
■調査結果の分析コメント
産業医・精神科医 穂積 桜医師
経団連が発表した「Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言」でも産業医業務の遠隔化について言及されていましたが、今後は、訪問と組み合わせて一部業務はオンラインでの対応検討が予想されます。また第二波・第三波により事業場に行けなくなることも考えられるため、その中で産業保健活動を止めない、変化に対応できる柔軟性が産業医にも求められています。
オンラインの面談では、対面で同じ空気を共有することで伝わっていた部分を補い、必要な情報を引き出すため、より高いコミュニケーションスキルが必要です。労務担当者や保健師から充分な事前情報を得ておくといった、連携強化も重要なポイントとなるでしょう。
株式会社エムステージ 産業保健事業部 取締役 歌代 敦
今回のアンケート結果からは、新型コロナによる緊急事態宣言下でも企業側の要望により面談や衛生委員会をオンラインで実施し、感染症予防や啓蒙活動に継続して取り組む産業医の実態がうかがえました。
今後第二波・第三波の懸念もあり、産業医自身も常に新型コロナに関する最新情報をアップデートしておく必要があります。また社会全体が混乱し、企業の経済活動が不透明な状況においては、増加が想定されるメンタルヘルスのケアや在宅勤務者への健康管理を、人事担当者・従業員との連携強化の下で実施していくことが求められています。
■調査概要
アンケート実施期間:2020/6/11~2020/6/17
対象者:産業医
回答方法:WEBを利用したアンケート調査
有効回答数:90
■産業医サポートサービスとは
https://sangyohokensupport.jp/
従業員 50 人以上の事業所には、「産業医」の選任が義務付けられています。企業への課題ヒアリングから各企 業の状況にマッチした産業医を紹介し、エムステージのコーディネーターが運用をサポート。産業医に何をお 願いすればよいかわからないという企業担当者の悩みを解決します。
嘱託産業医の業務管理システム「M Connect」では、企業担当者・産業医・コーディネーター間で産業保健の業務管理を行うことができます。産業医の訪問日程・業務内容の共有や報告書の授受、健診結果の管理、二次健診者の進捗管理、機密情報をアクセス者限定で保管するといった機能があります。
企業へ産業医を紹介して終わりではなく、継続して意味ある産業保健活動ができるよう、オンライン・オフライン双方でサポートしています。
■エムステージについて
https://www.mstage-healthcare.jp/
「すべては持続可能な医療の未来をつくるために」をミッションに、医師のキャリア支援と医療機関向け採用支援、産業医を軸とした企業向け健康支援サービスを運営。企業向け健康支援サービスは、産業医の手配と業務支援を担う「産業医サポートサービス」をメインに利用事業所数1200件を突破(2020年6月現在)。日本の働き方改革推進に貢献しています。
■エムステージグループについて
https://www.mstage-corp.jp/
2003年、株式会社メディカル・ステージ(現 株式会社エムステージ)を設立。医師の転職や定期・スポットアルバイトの求職を支援する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」で医師の柔軟な働き方を切り開き、医療機関の採用課題を解決してまいりました。2016年からは企業の産業保健活動を支援する「産業保健サポート」を開始。働く人の健康に寄与し、予防医療の観点から医療費の削減に貢献しています。2019年10月、ブランドリニューアルを行い、産業保健・医療人材・医療経営の3つの領域から医療課題の解決を図るエムステージグループとして再スタートを切りました。
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