地域別電力需要予測(DFES)の活用開始
カーボンニュートラルを支える送配電設備計画の策定に国内初の導入
MRIおよび中部電力パワーグリッドは、これまでDFESの開発に取り組んでまいりました。(2022年11月11日お知らせ済)
MRIが提供を開始したDFES策定支援サービスを、中部電力パワーグリッドが初の利用企業として活用することで、カーボンニュートラル実現に対応した合理的な送配電設備計画を策定するとともに、分散型エネルギーリソースの最大限の活用に取り組んでいきます。
<背景>
「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、再生可能エネルギーや蓄電池、電気自動車といった分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources、以下 DER※2)の有効活用、およびそれを支える送配電設備の形成が不可欠となっています。
これからの送配電設備計画には、DERの普及や人口動態など、各地域の具体的な状況を正確に反映することが必要です。これらの要素を、政策、技術、地域特性などの多様な要因を基に地域単位で予測することにより、より詳細かつ合理的な送配電設備の形成と、それによるDERの有効活用を実現することが可能になります。
このような地域別電力需要予測は海外ではDFESと呼ばれ、英国など一部の国や地域では、DFES策定プロセスを経ることが送配電設備計画決定の必要条件となっています。
MRIと中部電力パワーグリッドは、共同で日本におけるDFESの在り方を検討し、その結果を基にMRIはDFES策定支援サービスの開発を進めてきました。
※1:地域別電力需要予測(Distribution Future Energy Scenarios):数十年先の将来を対象に、配電線の電力供給エリア程度の地域粒度および1時間程度の時間粒度でDER導入量、電力潮流を予測する機能。
※2:分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources):需要家の受電点以下に接続されているエネルギーリソース(発電設備、蓄電設備、需要設備)、および系統に直接接続される発電設備、蓄電設備を総称するもの。
<概要・特徴>
今回開発したDFESは、MRI独自の予測アルゴリズムを用いて、地域ごとの特性を踏まえた電力需要を予測します。具体的には、エネルギー政策や技術動向、経済状況や人口動態などを反映して、需要の将来的な成長および太陽光発電(PV)、電気自動車(EV)、蓄電池、ヒートポンプなどのDERの将来的な導入量を配電線単位に予測し、それらの予測値を基に将来的な電力潮流を予測します。
MRIは、このDFESを広く一般送配電事業者向けにサービス化し、DFES策定支援サービスとして提供を開始しました。本サービスでは、DFESの作成や補正をユーザーインターフェース上から自由なタイミングで行うことができ、結果を表やグラフ、マップで視覚的に表示することが可能です。
中部電力パワーグリッドは、7月31日から本サービスの活用を開始し、将来の配電線、バンク、ならびに変電所などの設備の需要・発電量を、きめ細かく詳細に把握することで合理的な設備形成を実現していきます。
<今後の予定>
MRIは、全国に対応したDFES策定支援サービスを展開することにより、一般送配電事業者のカーボンニュートラルを支える送配電設備形成を支援するとともに、政策提言等を通じて日本におけるDFES普及を目指します。また、中部電力パワーグリッドは、DFESを活用し需要予測の高度化を図るとともに、把握したDERのポテンシャルをもとに合理的な設備形成・運用、DERフレキシビリティへの活用を目指します。
これらの活動を通じて、両社は引き続き日本の「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
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