「介護の仕事に興味がある」回答が2.3倍に！介護を学ぶボードゲームを千葉県が導入

介護業界の人材不足解消に向け、NPO法人Ubdobeが開発したボードゲームを活用したワークショップを千葉県が「介護の未来案内人」と共に中学校・高等学校等で実施。令和7年度の実施校の募集を開始しました。

Ubdobe（ウブドベ）

2025年6月18日 10時20分

日本は現在、「2025年問題」と「2040年問題」という2つの大きな人口構造の転換点を迎えようとしています。2025年には、団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者となり、介護ニーズが急増します。さらに2040年には、現役世代の人口が大幅に減少し、支える側の人材が不足する「2040年問題」が現実のものとなります。

厚生労働省によると、2022年時点で約215万人とされる介護職員数は、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要とされており、2040年度には約57万人の介護職員が不足する可能性があるとされています（※厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」2024年7月）。

こうした背景の中で、若年層に対して介護の仕事に関する情報を早期から伝え、仕事としてのリアリティや魅力を身近に感じてもらうことは、将来の人材確保に向けた重要な取り組みとなります。

そこで、NPO法人Ubdobe（所在地：東京都世田谷区、代表：岡勇樹）は、ゲームを通じて、介護という職業の目的や本質を楽しみながら理解できるボードゲームを開発しました。千葉県介護の未来案内人ワークショップ事業の採択を受け、令和6年度に千葉県内の中学・高校で実施。令和7年度も6/10（火）より実施に向けた募集を開始しました。

ゲームで介護を“ジブンゴト化”　──中高生が熱中するボードゲーム型授業

ボードゲーム「100歳の同級生」は、ある日突然高齢者になった同級生の困りごとを、チームで協力しながら解決していくというストーリー。

要介護状態を自身の学生生活という身近な環境と掛け合わせることで、介護にまつわる課題のジブンゴト化と、それを解決する介護の仕事の本質を体験することをねらいとしています。

授業では千葉県が委嘱する、介護の魅力発信を行う現役介護職「千葉県介護の未来案内人」が専門職としての経験を交えながら、ボードゲームのファシリテーターやアドバイザーを担当。後半の講義では介護の仕事の実際や魅力を学生たちに伝えます。

アンケートで明らかになった手応え「介護に興味がある」が2.3倍に

授業後のアンケートでは、「介護の仕事に興味がある」と答えた割合は、授業前の31.4%から授業後73.8%へと大幅に上昇しました。さらには、学生から「介護について、ボードゲームを通して楽しく知ることができました。また、介護についての解説を聞いて、介護についてのイメージが明るく変わりました。」「介護する時の気持ちや介護の大切さを知ることができました。」といった感想が聞かれました。