新素材「LIMEX」を開発するTBMは、15.5億円の資金調達を実施
事業会社各社とシナジーを創出、資金調達総額100億円超に
石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)は、SBIグループ、三洋化成工業株式会社、JR東日本スタートアップ株式会社(※五十音順)に対して第三者割当増資を実施いたしましたのでお知らせします。
◼ 背景
持続可能な開発目標(SDGs)やプラスチック問題の課題解決に向けて、企業の対応が求められています。TBM は2015 年に経済産業省の支援を受けて、新素材 LIMEX を生産する第 1 号プラント(宮城県白石市)を完成。シリコンバレーの 3 大アクセラレーターの1つである、Plug and Play において年間を通して「世の中に最も社会的影響を与える企業-ソーシャルインパクトアワード-を受賞。これまでLIMEX 製品の実用化に向けて大手事業会社との共同開発やパートナーシップを強化し、3,000社を超える企業にLIMEX製品の導入を進めて参りました。
また、現在、TBMは世界各地でLIMEX の工場設立に向けた協議を進めておりますが、海外で使い捨てプラスチックを規制する動きが強まり、世界中から LIMEXに関して500 件以上の引き合いを頂くなど、プラスチックの代替素材として注目を集めています。ブリュッセルで開催された Brussels SDG Summit 2018 (主催;CSR ヨーロッパ)においては、パートナーに認定され、LIMEXの劣化やロスの少ないリサイクル性能の高さを活かし、シート状のものから射出成型品をつくる「LIMEXのアップサイクル」を紹介。(サーキュラー・エコノミーの推進)また、12 月にポーランドで開催された COP24(第 24 回国連気候変動枠組条約締約国会議)では、イベント「LIMEX-石灰石で拓く脱炭素循環型社会への道」を主催し、今春ローンチ予定のLIMEX製のレジ袋、ゴミ袋、ショッパーのコンセプトモデルを発表いたしました。エコノミーとエコロジーを両立しながら、循環型社会への移行を目指す取り組みを加速しております。
◼ 資金調達の目的
今回の第三者割当増資により、国内における生産量拡大および商品競争力強化のための量産工場(多賀城工場、2020年竣工予定)の立ち上げ、国内での事業展開を加速するためのマーケティングや人材採用及び研究開発や共同開発に対する積極的な投資を実施します。また割当先の事業会社各社と連携することでシナジーを創出し、LIMEX製品の共同開発やマーケティングを行い、LIMEXの加速度的な成長を実現して参ります。
<今後の取り組み:三洋化成工業株式会社>
三洋化成工業株式会社は、これまで親水性と疎水性の材料を混合する界面活性剤技術を用いた様々なソリューションを提案されてきました。今後においては、このような分散性付与等の技術をLIMEXと組み合わせることで、強度等の物性向上や、成形性向上、収率向上、コスト削減などLIMEXの性能を高める共同開発を促進していきます。
<今後の取り組み:JR東日本スタートアップ株式会社>
TBMは昨年11月、「JR東日本スタートアッププログラム2018」において、「アクセラレーションコース」に採択され、LIMEXを用いたプロトタイプの傘を発表、駅構内を拠点とした「エキナカ傘シェアリング」の事業化の検討を進めてきました。今後においては、JR東日本スタートアップ株式会社と連携し、LIMEX傘のシェアリング事業を推進する他、JR東日本グループにおけるLIMEX製の印刷物からプラスチック代替製品へのアップサイクルの循環モデル構築を検討していきます。
■ 本第三者割当増資の引受先
・SBIグループ
・三洋化成工業株式会社
・JR東日本スタートアップ株式会社
(※五十音順)
■ 新素材「LIMEX(ライメックス)」について
[ LIMEXとは ]
・ LIMEXは炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、日本発の新素材。
・ 2013 年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・ 2014 年、国内特許を取得。現在、日中米欧を含む30か国以上で登録済。
・ 2015 年、宮城県白石市に年産 6,000 トンの LIMEX を製造する第一工場を建設。
・ 2016 年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャルインパクトアワード』を受賞
・ 2017 年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞
・ 2018 年、COP24(第24回国連気候変動枠組条約締約国会議)に日本政府代表団として参加
[ 紙の代替として ]
・ 通常、普通紙1トン生産する場合、木を約 20 本、水を約85トン使うが、LIMEX は原料に木や水を使用せず、石灰石 0.6~0.8 トンとポリオレフィン約 0.2~0.4 トンから LIMEX の紙代替製品(LIMEXシート)
1トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みの LIMEX の紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)
[ プラスチックの代替として ]
・ 従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂 100%であるが、LIMEX では主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・ LIMEXは、石灰石を主原料に石油由来樹脂と構成されているが、石油由来樹脂を100%バイオ由来、かつ生分解性の素材に置きかえた生分解性LIMEXの検討を開始。
・ 単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・ LIMEX の印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品(LIMEXペレットを加工)を製造することが可能。(LIMEXのアップサイクル)
[ 資源としての石灰石の埋蔵量 ]
・ 日本でも 100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。
■ 株式会社TBM
代表取締役CEO :山﨑 敦義
本社 :東京都中央区銀座 2-7-17-6F
設立 :2011 年
資本金 :107 億 4,480 万円(資本準備金含む)/ 2019 年 2 月時点
事業内容 :LIMEX 及び LIMEX 製品の開発・製造・販売
URL :https://tb-m.com/
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