フィックスターズ、2次元画像から3次元モデルを高速に生成するMulti-View Stereoソフトウェア「CUMVS」をオープンソース公開
AIを活用したソフトウェア開発および高速化のグローバルリーダーである株式会社フィックスターズ(東証プライム:3687、代表取締役社⻑ CEO:三木 聡)は、物理世界のデジタルツイン実現を加速するMulti-View Stereoソフトウェア「CUMVS (cuda-multi-view-stereo)」を、Apache License 2.0のオープンソースとして公開いたしました。
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YouTube URL: https://youtu.be/g9v9b5uP68I
CUMVS(cuda-multi-view-stereo)の詳細
3次元モデル復元技術とMulti-View Stereo
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特にカメラ姿勢の推定までをSfM、それ以降をMVS として扱うことが多い(図は Furukawa, Yasutaka, and Carlos Hernández. "Multi-View Stereo: A Tutorial." より引用)
3次元モデル復元技術は、物理世界に存在する物体を仮想的な3次元空間に再現する手段を提供するもので、サイバーフィジカルシステムにおけるデジタルツインの構築、文化遺産のデジタル保存、建築や都市計画のシミュレーション、患者の状態に合わせたカスタム医療機器の設計など、様々な用途で用いられます。
Multi-View Stereo (MVS) は、複数枚の画像から被写体の3次元モデルを復元する上で不可欠な技術で、被写体の密な点群復元や質感再現などの重要な役割を担います。フィックスターズが開発したCUMVSは、このMVSの処理速度を飛躍的に向上させ、高精細な3Dモデルを迅速に作成することを可能にします。
NVIDIA GPUに最適化されたCUMVS
株式会社フィックスターズは、MVSの主要アルゴリズムの一つであるPatchMatch方式のMVSを、NVIDIA社のGPUに最適化された形でゼロから開発に成功しました。Warp Divergence[1] の防止、共有メモリやテクスチャユニットの活用といったNVIDIA GPUならではの最適化に加え、Homography変換などの重い処理を近似式に変換し軽量化するなど、同社の長年にわたる最適化技術を駆使して開発されたCUMVSは、PatchMatch方式MVSの主要な実装の一つであるACMMと比べ、5倍以上の高速化[2] を達成しています。
これにより、研究者はより複雑なモデルをより迅速に処理できるようになり、開発者は革新的なアプリケーションをより効率的に開発できるようになります。
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[1] Warp Divergence
GPU内の各々の演算コアが異なる方向に分岐する事。分岐によって演算コア毎の処理時間がばらつくことが多く、一般的にGPUの利用効率を下げる要因の一つ。
[2] 測定条件
- ベンチマーク : ETH3D High-res multi-view training dataset
- 測定マシン : Intel Core i7-13700K, NVIDIA GeForce RTX 3080
- 処理時間 : ACMM 約12277秒, CUMVS 約 2140秒 (5.73倍高速化)
株式会社フィックスターズについて
フィックスターズは、”Speed up your Business”をコーポレートメッセージとして掲げるテクノロジーカンパニーです。マルチコアプロセッサを効率的に利用するためのソフトウェアの並列化および最適化と、省電力かつ高速なIOを実現するメモリ技術やAIを活用したソフトウェアの高速化を通じて、医療、製造、金融、モビリティなど、様々な分野のお客様のビジネスを加速し、グリーンITを実現しています。
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