大容量蓄電池を組み合わせた大規模太陽光発電システムを導入
2030年までにアンリツグループで太陽光自家発電率30%の実現を目指す
アンリツは、「気候変動への対応」を環境分野におけるマテリアリティとし、再生可能エネルギーの自家発電・自社消費を行う「Anritsu Climate Change Action PGRE 30」(以下PGRE 30[※2])を推進しています。PGRE 30は、2019年度に策定し、2020年4月に公表した長期の温室効果ガス排出量削減施策です。2018年度のアンリツグループ電力消費量における太陽光自家発電比率0.8%を、2030年頃までに30%程度まで高めることを目標とし、アンリツ、東北アンリツ、および、アンリツの海外子会社であるAnritsu Company(米国、カリフォルニア州)で、太陽光発電設備の導入・増設を進めています。さらに蓄電池を活用し、夜間に必要な電力も再生可能エネルギーで賄うことを計画しています。
今回の増設もこの一環であり、第二工場の契約電力量(1,000kW)を上回る発電容量(1,100kW)の太陽光発電設備と長期にわたって安定して電力を供給できるNAS電池(定格出力:400kW 定格容量:2,400kWh)を組み合わせたシステムを構築しました。
アンリツは、オムロンフィールドエンジニアリング株式会社の太陽光発電システムを導入しました。2023年1月下旬より運転を開始し、同年11月末までに約850MWhを発電しました。また、NAS電池の充放電を含む制御は、オムロン株式会社製のプログラマブルロジックコントローラー[※3]で行います。夜間に再生可能エネルギーを使用するために、同年7月中旬から正式運用を開始しました。7月中旬から11月末までの第二工場の電力総消費量の約36%を、自家発電した再生可能エネルギーで賄いました。
なお、本システムは太陽光発電が減少する夕方以降の電力逼迫リスク対策にも貢献しています。
気候変動への対応
アンリツは、2050年までにScope1[※4]+Scope2[※5]における温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル宣言を行っています。この目標達成に向け、2℃目標[※6]でSBTイニシアチブ[※7]から認証を取得していた2030年におけるScope1+2の排出量削減計画(2015年度比30%削減)を、1.5℃目標[※8]と整合したもの(2021年度比42%削減)へ見直し、SBTイニシアチブに再申請しています。
この取り組みの中心となる施策がPGRE 30であり、東北アンリツ第二工場での増設によりアンリツグループ全体の太陽光発電能力は2,500kWとなりました。
第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)では、SDGsのゴール7番のターゲット7.2が掲げる「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再エネの割合を大幅に拡大させる」という目標達成を目指して、110カ国以上が2030年に再生可能エネルギー容量を現在の3倍に増やすことを誓約しました。
アンリツは今後もPGRE 30の下、再生可能エネルギー比率を高め、この目標達成に寄与してまいります。
1)東北アンリツ第二工場屋根に設置した太陽光パネル
2)東北アンリツ第二工場に野立てした太陽光パネル
気候変動への取り組みについて、詳しくはアンリツサステナビリティレポート2023をご覧ください。
https://www.anritsu.com/ja-jp/about-anritsu/sustainability/library
用語解説
[※1] NAS電池
日本ガイシ株式会社(本社:愛知県名古屋市)製の大容量蓄電池。
[※2] PGRE 30
PGREはPrivate Generation of Renewable Energy(再エネ自家発電)の略であり、「30」は達成時期の2030年頃と自家発電比率目標値の30%程度を意味する。
[※3] プログラマブルロジックコントローラー
プログラムで定められた順序や条件などに従って設備や機械の動きを制御する装置。
[※4] Scope1
自社の工場・オフィス・車両などから直接排出される温室効果ガス。
[※5] Scope2
自社が購入した熱・電力の使用に伴い排出される温室効果ガス。
[※6] 2℃目標
世界の気温上昇を産業革命以前に比べて2℃以内に抑える目標。
[※7] SBTイニシアチブ
SBTはScience Based Targetsの略。企業に対し「科学的根拠」に基づく「二酸化炭素排出量削減目標」を設定することを求めている国際的なイニシアチブ。
[※8] 1.5℃目標
世界の気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑える目標。
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