道路インフラの老朽化対策、効率的なグラウンドアンカー点検技術「VIBRES®(ビブリス)」機器販売および測定サービスを開始
1.「VIBRES®」の概要
VIBRES®は、当社が中日本高速道路株式会社 (名古屋市中区、代表取締役社長 CEO:小室俊二)のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社(名古屋市中区、代表取締役社長:湯川 保之)、および国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学(岐阜県岐阜市、学長:吉田和弘)とともに共同開発した、グラウンドアンカー※の緊張力を効率的かつ安全に測定する新技術です。
※グラウンドアンカー:「アンカー工」と呼ばれる引っ張り材を地山に埋め込み、その引っ張り力(緊張力)によって斜面の滑動を抑止する対策工
グラウンドアンカーは、道路の法面などに施工され、大雨や地震等によって法面が崩壊することを防ぐインフラ構造物ですが、老朽化により機能が低下していく恐れがあるため、定期的に点検を行う必要があります。しかしながら、従来の点検手法(リフトオフ試験)では、大掛かりな足場の仮設が必要であったことや、1日あたり試験可能なアンカー本数が 4~6 本と少なく、多数のアンカーを点検するためには時間と費用がかかることが大きな課題でした。また、著しく錆びたアンカーは、リフトオフ試験の過程で破断し、地表に飛び出してくることで周囲に危険を及ぼす可能性もあり、簡易・安価かつ安全な非破壊での検査方法が求められていました。
VIBRES®はアンカー頭部の引張り材余長部に設置した小型バイブレータの振動でアンカーの引張り材を共振させ、その固有振動周波数を読み取ることで緊張力を測定する技術です。油圧ジャッキや仮設足場などの大掛かりな機材が不要であり、またアンカーの引張り材を載荷することなく測定できるため、効率的かつ安全・安価にグラウンドアンカーの健全度を点検することが可能です。
従来のリフトオフ試験と比較した技術検証でも、測定時間の短縮や同等程度の検査精度の確保のほか、緊張力が高くリフトオフ試験の適用ができないアンカーに対しても測定できることを確認しています。
VIBRES®と従来手法との比較
測定効率 | 最大3分の1程度 |
測定コスト | 測定効率向上や足場不要により最大1/4のコスト縮減 |
安全性 | アンカー破断による引き抜き事故を抑制 |
施工性 | 足場仮設の必要がなく、軽量小型の機器で測定可能 |
測定精度 | リフトオフ試験の測定値±10%程度 |
与条件 | アンカー自由長の事前把握が必要 |
アウトプット | アンカーの残存緊張力(荷重変位曲線は出ない) |
2. 「VIBRES®」の機器販売、測定サービスを開始
当社では、必要な技術検証が終了したため、本技術による測定サービスを本格的に開始するとともに、効率的なインフラメンテナンス技術の普及・発展に貢献することを目的に、当社以外の調査会社、点検企業等に対しても、開発した機器製品の販売を行うことといたしました。
製品は、当社製品販売窓口よりご購入いただくことが可能 です。また、測定サービスについては、当社による現地調査・解析・法面評価・設計までをトータルで提供するものから、他社による現地測定結果をもとに当社で解析サポートを行うサービスまで、お客様ニーズに合わせた各種ラインアップをご用意しています。
製品およびサービスに関する詳しい情報は、下記の窓口までお問合せ下さい。
製品・サービスに関するお問合せ窓口
<製品販売>
応用地質(株)計測システム事業部 サービス開発部
電話:029-851-5078 email:seihin@oyo.jp
<測定サービス>
応用地質(株)メンテナンス事業部 サービス開発部 吉田 真治
電話:048-652-4956 email:yoshida-shinji@oyonet.oyo.co.jp
ご参考)2021年11月25日プレスリリース
https://www.oyo.co.jp/uploads/2021/11/20211025_news-release_oyo.pdf
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