「神社=祟り神を封じる施設」だった? ⽇本⼈が⼆千年抱いてきた畏怖の正体に迫る新刊 『祟り神 なぜ日本人は怨霊を祀るのか』が本⽇9⽉29⽇に発売
平将門、蘇我入鹿、スサノヲ、オオクニヌシ、最高神アマテラス。五大祟り神の正体と鎮魂の呪術に迫る、戸矢学の最新刊。

⽇本各地の神社に祀られている神々の多くは、実は⼈々を苦しめた「祟り神」を鎮めるために祀られた存在だった。平将⾨、蘇我⼊⿅、スサノヲ、オオクニヌシ、そして最⾼神アマテラスまで、五つの「祟り神」の正体と鎮魂の呪術を史料から読み解く新刊『祟り神 なぜ⽇本⼈は怨霊を祀るのか』を、⽅丈社が本⽇9⽉29⽇発売した。著者は國學院⼤学⽂学部神道学科卒、神道‧古代史研究で知られる⼾⽮学。
なぜ神社の神様が「祟り神」なのか
初詣で⼿を合わせる⽒神様、祭りで神輿を担ぐあの神社の祭神。実はその多くが、かつて⼈々を苦しめた「祟り神」を鎮めるために祀られた存在だった。新刊『祟り神』は、そんな⽇本⼈の⼼の奥底に眠る畏怖の記憶を掘り起こす⼀冊だ。
本書は⽇本全国に無数に存在する「祟り神」の中から、⽇本の歴史と⽇本⼈の暮らしにとりわけ深く関わってきた神として、平将⾨(江⼾)、⽜頭天王(ごずてんのう)=スサノヲ(京都)、蘇我⼊⿅(⾶⿃)、⼤⽳牟遅(おおなむぢ)=オオクニヌシ(出雲)、⼤⽇孁(おおひるめ)=アマテラス(伊勢)を取り上げ、その正体に迫っていく。
本書が明かす「衝撃の事実」7つ
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最⾼神アマテラスも、かつて宮中で「祟り神」として封印されていた。
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神社は本来、神様を"祀る"ためではなく"封じ込める"ために建てられた施設だった。
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平将⾨の⾸塚は、今も東京の⼀等地の再開発を⽌め続けている。
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祇園祭の主役‧⽜頭天王の正体は、実は⽇本神話のスサノヲだった。
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蘇我⼊⿅は天皇の⽬の前で暗殺された――その怨霊の⾏⽅は、いまだわかっていない。
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出雲⼤社は、実は最⼤級の「祟り神」を封じ込めるために造られた。
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天智天皇の死因は暗殺? その裏にも「祟り」の影がある。
最⾼神アマテラスも、かつては「祟り神」だった
京都‧祇園祭の主役である⽜頭天王。江⼾の⼤災害と結びつけられてきた将⾨の⾸塚の怨念。天皇の⾯前で殺害された蘇我⼊⿅の祟り。出雲に封じ込められたオオクニヌシの恨み。そして、⽇本神話の最⾼神とされるアマテラスでさえも、かつて宮中で「祟り神」として封印されていたという事実を本書は史料をもとに解き明かしていく。
著者によれば、神社とは本来、荒ぶる神を鎮め、封じ込めるために建てられた施設だという。⽇本⼈は千数百年ものあいだ、祟り神とともに⽣き、時にすがりながら、それを精神的‧⽂化的な⽀えとしてきた。華やかな祭礼や荘厳な社殿の裏側には、鎮魂のための呪術と、歴史の中に封じ込められてきた「闇」が隠されているという。
『⼋つ墓村』『もののけ姫』にも息づく、⽇本⼈の「祟り」観
横溝正史の『⼋つ墓村』における「祟りじゃ〜!」の名セリフ、あるいは宮崎駿監督のアニメーション映画『もののけ姫』に登場する祟り神など、フィクションの中で繰り返し描かれてきた「祟り」というモチーフは、⽇本⼈の精神性に深く根ざしたものだと本書は指摘する。
「祟り神信仰こそが⽇本⼈‧⽇本⽂化の根幹である」という独⾃の視点から、これまで語られてこなかった⽇本史の⼀⾯に光を当てる⼀冊。
本文より(まえがきより一部抜粋)
まえがき――日本人は「祟り」好き
日本には「祟り神」は無数にいる。無限にいると言えるかもしれない。あえて言うなら日本は「祟り神」の国なのだ。
記紀神話に登場する祟り神、また歴史上の人物が不本意な死を遂げたことによって祟り神になったととらえられた事例、さらに近現代の人物が不慮の死、非業の死を遂げたことから、人々から祟り神になったに違いないと考えられている事例等々。なかには、京都・御霊神社の祭神として鎮魂されていたり、辺境の地に封じられていたり、人間の居る限り、祟りは時と共に増え続けて、数え切れないほどの様々な「祟り神」を生み出している。
なかでも日本人にとってとりわけ重要な「祟り神」は、日本の歴史や、日本人の暮らしとどれほど深く関わっているかにあるということになるだろう。
ということから本書で採り上げる神々は、私的な祟りではなく「公的な祟り」に比重を置いている。それゆえに、日本および日本人にとって、その祟りがどのような意味をもっているのか突き止めようというものである。
日本人が、特定の現象を「祟り」と考えたのはなぜなのか。むろん祟るに相当することを関係者が為したためであるだろう。その情緒が、祟りを生み出しているのだ。しかしどうやらそれを超える畏怖が日本人にはあるようなのだ。さてそれは何なのだろう。
もう一度言うが、私的な祟りは他者には無縁である。公的な祟りは社会的にも様々な影響を広く長くもたらしている。
「歴史の闇」という言い方があるが、歴史に封じ込められた日本のそんな「闇」を本書では解き放そうと試みている。そしてそれには「祟り神」たちに登場していただかなければならない。二千年の怨念が昇華されるには、その真相、真実の姿を解き明かすこと以外にないだろう。
そこで私たち日本人全般に広く祟り為す怨霊、なかでも以下の怨霊を「五大祟り神」と本書では呼ぶことにしようと思う。
牛頭天王(スサノヲ) 京都
平将門 江戸
蘇我入鹿 飛鳥
大穴牟遅(オオクニヌシ) 出雲
大日孁(アマテラス) 伊勢
ここには巷間に言い習わされている「三大怨霊」からは平将門のみを採り上げており、菅原道真も崇徳天皇も入っていないが、その理由は本文において述べることにする。
神社は本来「祟り神」を封印するために造られた施設である。したがって、神社に祀られている神々の多くは「祟り神」である。しかも千数百年来、それが日本人の精神的・文化的支柱になって来た。つまり、日本人は「祟り神」とともに生き、「祟り神」にすがって来たのである。そこには日本人独特の「祟りのメカニズム」が存在している。縄文由来のアニミズム(精霊信仰)と一体化した大自然への畏怖心が根底にあると考えられるが、その後伝来した道教や仏教の影響をも大きく受けて、日本人は独自の「祟り観」を持つようになった。
南方熊楠の祟り観も、折口信夫の祟り観も、それに基づいているのだが、いずれも「祟り」を日本人の精神性の主軸あるいは根幹に置こうとはしなかった。
しかし実は、日本全国に遍在する神社と、弥生以降の日本人の歴史が「祟り神信仰こそは日本人・日本文化の根幹」であることを示している。そしてその視点に拠れば、解き明かすことのできる日本史上の特定の秘密に迫ることができるだろう。
「祟り神」は、時の政権には脅威であるが、実は民衆の味方である。政権に対する民衆の怒りを体現するものと言っても良いだろう。
⽬次
まえがき――⽇本⼈は「祟り」好き
第⼀章 「祟り」の本場‧京都の素顔
盛⼤な祇園祭は祟り鎮め/祟り神「祇園神」/⽜頭天王の正体/祇園祭で「祟り」を祓う都⼈/祇園社と蘇⺠将来/祇園祭りの祭神が「スサノヲ」となった所以/朝廷が採⽤した鎮魂の呪術/祝詞の使命は祟り鎮め
第⼆章 江⼾‧東京を守り続ける「祟り神」
平将⾨の⾸塚の怨念と魔⼒/空⾶ぶ⽣⾸/「祟り神」の慰霊鎮魂/「将⾨の⾸桶」は実在した/将⾨の祟りと江⼾の⼤災害/源⽒三代の祟り/「祟り」と「呪い」
第三章 ⾏⽅不明の祟り神
天皇の⾯前で殺害された蘇我⼊⿅/天皇が⽣き証⼈の「祟り神」/「⼊⿅の怨霊」を探せ/改竄された蘇我⽒の出⾃/「中⾂」という⽒族名の真相/「⽒神」からわかる蘇我のルーツ/謎の「素鵞神社」/蝦夷‧⼊⿅は⼤王となったのか/法隆寺に封印された祟り神/⼊⿅の祟り
第四章 祟り神を封じ込めた出雲⼤社
オオクニヌシの恨みは晴れたのか/最⼤の祟り神、誕⽣/「神在⽉」という嘘/「神器の祟り」は出雲由来か/出雲から献上させた神宝/草薙剣は出雲族の宝剣か/出雲国造とは何者か
第五章 最⾼神となった祟り神
崇神朝を滅亡させようとしたアマテラス/伊勢神宮と天皇の不可解な関係/宮中の祟り神/太陽信仰とは無関係の伊勢/祭りは祟り神の慰霊鎮魂/神社に封印される祟り神/「同床共殿」の神託/祟り神の封印/伊勢は、地の果て/霊地に突き⽴つ「⼼御柱」/⼋咫鏡の由来と「祟り」のゆくえ
あとがきに代えて――祟られた天皇/謎に包まれた天智天皇の死/天智帝暗殺説は「祟り」の反映か
参考⽂献/主な参照⾃著
書籍情報

書名:祟り神 なぜ日本人は怨霊を祀るのか
著者:戸矢学
発売日:2026年9月29日
出版社:方丈社
定価:2,200円(税込)
仕様:四六判並製・264頁
ISBN:978-4-910818-43-6
HP:https://hojosha.co.jp/menu/1109760
Amazon:https://amzn.asia/d/0cUKbI4Q
【著者プロフィール】
戸矢学 (とや・まなぶ)
1953 年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒。
著書に『神々の子孫 「新撰姓氏録」から解き明かす日本人の血脈』(方丈社、2021 年)、『熊楠の神 熊野異界と海人族伝説』(方丈社、2022 年)、『ヒルコ 棄てられた謎の神』(河出文庫、2024 年)、『鬼とはなにか まつろわぬ民か、縄文の神か』(河出文庫、2024 年)などのほか、多数の著書がある。公式サイト『戸事記』https://toyamanabu.jimdofree.com/
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