国内４拠点を電気保安法人として登録　電気主任技術者の人材不足に対応

受託可能数を増やし太陽光発電所のメンテナンスを効率化

株式会社afterFIT（東京都港区、代表取締役：谷本貫造、以下afterFIT）は、国内の太陽光発電所の保守管理効率化のため、受託案件数の多い札幌支店（北海道札幌市）、大阪支店（大阪府茨木市）、福岡支店（福岡県博多区）、東京本社の４拠点を電気保安法人として登録しました。カーボンニュートラル達成に向けて、日本は2030年までに、再エネ比率を現状のおよそ20％から36～38％まで引き上げようとしています。一方で、増加する再エネ発電所の維持・保安業務を担う電気主任技術者の人手不足が課題となっています。この課題の解決を目指し、afterFITは2020年より、全国に展開する拠点の保安法人化に取り組んでまいりました。保安法人化することで、ひとりの電気主任技術者が複数の発電所の保守管理を担当できるようになり、再エネ発電所の保安業務の効率化を実現します。

■経産省も懸念　深刻な人材不足に直面する電気保安業界
「脱炭素」に向けた国や企業の動きが国内外で加速するなか、日本も2050年までにカーボンニュートラル達成を宣言し、再エネの普及・拡大の重要性が高まっています。
2012年のFIT制度導入以降、太陽光発電所の建設が相次いだだけでなく、昨年日本は2030年までに再エネ比率を36～38％に引き上げることを目標に定め、再エネ発電所の増設が進められようとしています。そして、増加する再エネ発電所の保守管理を担うのが電気主任技術者です。

電気主任技術者は再エネの普及に不可欠な人材である一方、高齢化や資格取得の難度により、深刻な人手不足が懸念されています。2017年に経済産業省が実施した調査（※１）によれば、2030年に第３種電気主任技術者が2000人不足するともいわれています。
afterFITは2016年の創業以降、のべ600MW以上の太陽光発電所の保守管理を請け負ってきました（※２）。国内に25か所の拠点を展開し、53名の第１種～第３種電気主任技術者を社内に抱えていますが、増加する案件数に対し人手が十分とはいえず、新規の採用は困難を極めています。

■新規採用から技術者一人当たりの効率アップに発想を転換
電気主任技術者の人材不足という課題を解決するため、新規採用にかわる手段として、afterFITは拠点の保安法人化に取り組むことを決めました。

発電所では、工事や維持、運用を保安監督させるため、発電所ごとに電気主任技術者を選任することが定められています（電気事業法第43条）。そして、通常であれば電気主任技術者ひとりにつき、ひとつの発電所しか担当できないところ、保安法人として登録することで、ひとりで複数の発電所を担当することができるようになります。つまり、所属する技術者の数は同じでも、請け負える発電所の数が数倍になり、保守管理業務を大幅に効率化することができます。

自社の拠点を保安法人化するためには、電気保安業務を担う専門機関として、関連法令が定める厳しい要件をクリアしなければなりません。外部委託に頼らず、正社員として社内に電気主任技術者を抱えるafterFITはこれらの要件を満たすことができ、４拠点の電気保安法人登録が実現しました。
今後も受託案件数の多い拠点の保安法人化を順次検討していくとともに、電気主任技術者不足という社会課題にあらゆる策を試行することで、afterFITは日本における再エネの普及・拡大を後押ししてまいります。

■afterFITについて
グリーンに特化し、発電・送電・売電の電力３事業を展開するグリーン電力会社。自社で開発から保守管理まですべてを一気通貫で行える強みを生かし、発電事業領域で成長。その実績から、AIを活用した発電適地探しや大規模蓄電池をアルゴリズム制御するシステム開発など、グリーン電力の課題解決技術に力を入れている。売上高（2021年4月期）190億円。国内25拠点のほか、ベトナム、インドネシアにも進出。「しろくま電力（ぱわー）https://shirokumapower.com/」ブランドで電力小売り事業も展開。
創業　　　2016年10月
代表者　　代表取締役　谷本 貫造
URL　　　https://afterfit.co.jp/

（注釈）
※１　経済産業省委託事業 「平成 28 年度電気施設等の保安規制の合理化に検討に係る調査 通信教育による資格取得制度導入に関する調査・検討最終報告書」2017
※２　受託実績のある発電所ののべ容量