国際会議APEC首脳会議付設「貿易DXシンポジウム」で、トレードワルツがタイ・シンガポール・豪州・ニュージーランド各国貿易プラットフォームとのシステム接続と、タイ連携実証に成功したことを発表しました

トレードワルツ

貿易情報連携プラットフォーム(以下:貿易PF)「TradeWaltz」を運営する株式会社トレードワルツ(代表取締役社長 小島裕久、以下:トレードワルツ)は、昨年度APECニュージーランド大会で発表し、2022年4月に経産省「インド太平洋サプライチェーン強靭化事業」として採択された日本-タイ-シンガポール-豪州-ニュージーランドの5カ国貿易PF間のシステム接続、ならびにタイとのユーザーを交え、実取引と同じデータを使った国を跨いだ構造化データ連携実証に成功しました。ブロックチェーン技術をベースとし、高い信頼性で、それぞれの国が持つ業界横断型のB2Bプラットフォームを5カ国で一気に連携したことは世界初になります。
本件につき、11月16日のAPEC2022タイ首脳会議付設 「貿易DXシンポジウム」で発表致しましたことをご報告いたします。

(参考)https://www.thaipr.net/en/business_en/3268102(タイ発表プレスリリース)

■国を跨ぐ貿易の完全電子化を目指して
 あらゆるモノの流れに付随する貿易業務には、取引過程で多数のアナログ手続きが発生し、手作業での書類作成や整合性の確認作業等には、多大なコストがかかっています。また、複数の関係者が取引に介在しており、より正確かつ安全に情報を受け渡す仕組み作りは、業界と国の垣根を越えた共通の課題となっています。
 トレードワルツはこういった業界・国家間のコミュニケーションを完全電子化すべく、ブロックチェーン技術を活用した貿易PFである「TradeWaltz」を運営する企業です。「TradeWaltz」を活用することで業界と国を横断した貿易手続の時間とコストの44%を効率化することが、過去の実証で証明されています。貿易PFの取組は、日本だけでなく世界各国で国を挙げて整備が進められており、日本の貿易相手国が多く参加するAPECやASEAN加盟国でも精力的に進められており、貿易PF間を接続する(貿易PFのInteroperabilityと呼ばれます)ことで44%を超える更なる業務効率化が期待されてきました。
 トレードワルツは、業界横断型の特徴を持つ国の貿易PFを持つタイ・シンガポール・豪州・ニュージーランドの4カ国と貿易PFを接続し、情報をやりとりできる5カ国連携構想を昨年APEC2021ニュージーランド大会で発表し、経産省「インド太平洋サプライチェーン強靭化事業」として、1年間の開発を進めてきました。

■11月18日時点で5カ国間での貿易PF間の接続に成功し、タイではユーザーとの連携実証も完了
 タイ貿易PFのNDTPとは相手国の貿易手続きへそのまま流用可能な「数量」「到着地」といった細かい構造化データのレベルで、シンガポール貿易PFのNTP、豪州・ニュージーランド貿易PFのTradeWindowとはPDFに多少の項目データを追加した簡易データのレベルでAPI接続に成功し、貿易PF間で電子情報をやりとりできることをシステムテストで確認できました。
 このうち、タイNDTPとのAPI連携に関しては9月20-22日にかけて6社の実証ユーザー(豊田通商-豊田通商タイランド、三菱商事-タイ水産加工会社Unicord、三菱商事プラスチック-タイ国営石油会社の化学品子会社PTTGC)に、実際に画面操作頂きながら、Purchase Order、Invoice、Packing List等の貿易書類の構造化データを貿易PF間で授受する連携実証を実施しました。

(参考)実証内容の紹介ビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=vIjcKyDlmAA

■タイNDTPとの実証結果
1.日-タイ間の情報連携部分で60%以上の業務効率化が示唆
今回の実証では主に①Purchase Order送付・受領、②船積書類(Invoice, Packing List等)の送付・受領という2つのプロセスで、日本側の現行業務と貿易PF連携(TradeWaltz-NDTP)で実証を行い、作業時間を比較したところ、データ入力・送付や受領側のデータ確認時間が短縮され60%以上の業務効率化とリモートワークの推進につながると分かりました。

参加企業のPTTGCは非常に熱心にPoCに参加頂き、今後の活用範囲拡大が示唆された他、日系企業からは「時間短縮だけでなく、同じ情報を両国で使うことで人為的なミスを減らせる」「タイ企業との取引でより多くの取引に広げていきたい」といった前向きな声を頂きました。

2.電子原産地証明書(eCO:electronic Certification of Origin)データのタイ国連携に成功
上記実証にあわせ、豊田通商-豊田通商タイランドでは、商工会議所が発行する、相手国でのデータ流用が可能な構造化データの「電子原産地証明書(eCO)」をPDF化し、TradeWaltz-NDTP間の連携処理に添付して送付する実証も行われ、無事タイ貿易PF「NDTP」へ連携できたことを確認致しました。

今後、検討や開発を進めている①商工会議所のシステムとTradeWaltz間のシステム接続、②eCOを受けられるようNDTPのデータ構造を拡張した上で、TradeWaltz-NDTP間の連携データに追加、③NDTPとタイ税関の連携が実現すると、eCOが日本からタイへ一気通貫で連携されるようになり、両国の経済連携協定(EPA等)の適用・活用を漏れなく、効率的に推進できると考えています。
 

3.脱炭素社会に向けた物流CO2排出量(GHGプロトコールSCOPE3)可視化の取組
 本実証では、豊田通商-豊田通商タイランドの商流を活用し、脱炭素経営推進に向けた、物流CO2排出量を連携パートナー(三井倉庫ホールディングス株式会社)の持つ国際物流の知見も用い、可視化する連携実証も行いました。
 具体的には、TradeWaltz上に記録される、日タイ間での発着地(輸出地港、輸入地港)や輸送重量の情報を「三井倉庫SustainaLink」の物流CO2排出量算定システムに取り込み「GLEC Framework」の排出係数を用い、トンキロ法(※)にて該当する輸送単位ごとにCO2排出量を算定しました。

※CO2排出量(tCO2) = 輸送重量(トン)×輸送距離(キロ)×排出係数(tCO2/トンキロ)

計算結果はもう1社の連携パートナー(株式会社ゼロボード)が持つGHG排出量の算定・可視化クラウドサービス「zeroboard」に連携し、ダッシュボード表示致しました。

一連の実証内容・結果は11月16日に国際会議APEC首脳会議の付設イベントとして行われた「貿易DXシンポジウム(Digital Trade Transformation Symposium)」で、発表され、得られた課題を踏まえて、今後実ユーザーが現場で使う商用化検討へ進んでいく旨がタイNDTP登壇者のParnkae氏、TradeWaltz染谷氏から発言されました。
 

【関係者のコメント】
Kobsak Duangdee, Head of NDTP Project of JSCCIB

“We are very pleased to have successfully completed the POC between TradeWaltz and NDTP. This wouldn’t have happened without the strong collaboration between two teams and strong support by TradeWaltz who is more advanced on platform development and services. The collaboration didn’t just begin this year but it has been since 2019 when NTT Data arranged for us to run a trial using the platform then. With some additional enhancements and broadened scope to the level efficiency improvement is widely realized, we believe this digital connectivity will be a key factor for incremental trade volume.  With more countries joining the digital trade connectivity network, incremental volume is not only between our two countries but also our regional trade.”

トレードワルツ 取締役CEO室長 兼 グローバル&アライアンス事業本部長 染谷 悟
「APEC加盟5カ国の貿易PF間のシステム接続、ならびにタイ連携実証を支えて下さったすべての関係者の皆様にお礼申し上げます。連携実証を通じ、APEC議長国のタイとは、今後の商用化に向け、マーケティングや具体的な検討が始まって参りましたので、両国の貿易が完全電子でやり取りされる、世界の先端事例になれるよう、今後取組を強化して参ります。PTTGCが熱心にPoCに参加され、今後の活用検討が進むと示唆されるほか、日本側も貿易PF活用の拡張を検討しており、スピーディーに商用化が進む可能性もあるため、商用化参加希望の日本企業はお気軽にお声がけ下さい。シンガポール・豪州・ニュージーランドのユーザーを交えた連携実証は今後行っていく予定です。」

豊田通商株式会社 CSKO執行幹部 齋藤 彰徳
「この度は日本~タイ間の貿易に関するデジタル連携につきまして、弊社取引を用いた実証実験で貢献させていただいたことを大変嬉しく思っております。業界皆様にとって便利なデジタル環境を作り上げることを目標としまして、今後も微力ながら協力させていただく所存です。」

 三井倉庫ホールディングス株式会社 代表取締役社長   古賀 博文
「当社グループが開発・運用する「三井倉庫SustainaLink」が本実証試験においてその有用性を示し、CO2排出量可視化の取組推進に貢献できたことを大変嬉しく思います。今後も物流における豊富な専門知見とグループ総合力を活かし、CO2排出量の可視化、実物流の効率化・最適化を様々な共創を通じて推進し、脱炭素社会の実現に向け貢献してまいります。」

 

株式会社ゼロボード 事業開発部長 小野 泰司
「今後脱炭素化の取組加速が見込まれるASEAN地域において、日本-タイ間での物流CO2排出量可視化の取組みをご一緒できましたことを大変嬉しく思います。当社のGHG排出量算定・可視化ソリューションzeroboardおよび物流業界に特化したzeroboard logistics(開発中)により、今後も国際物流における脱炭素の取組に貢献して参りたいと思います。」

■トレードワルツについて
商号   : 株式会社トレードワルツ
代表者  : 代表取締役社長 小島 裕久
所在地  : 〒100-6036 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 霞が関ビルディング36階 WORKSTYLING
設立   : 2020年(令和2年)4月
事業内容 : ブロックチェーンを活用した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(注1)」のSaaS(注2)提供
人員数  : フルタイム45名
URL   : https://www.tradewaltz.com
株主一覧 : 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
       豊田通商株式会社
       東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
       三菱商事株式会社
       株式会社TW Link
       東京海上日動火災保険株式会社
       豊島株式会社
       株式会社上組
       株式会社フジトランス コーポレーション
       三井倉庫ホールディングス株式会社
       株式会社日新
       株式会社三菱UFJ銀行
       三菱倉庫株式会社
       損害保険ジャパン株式会社
SDGsへの取組み:弊社サービスは主に8,9,12,13,15,17のテーマについての取り組みを推進しています。

(注1)「TradeWaltz」は日本国内における株式会社トレードワルツの登録商標です。

    その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
(注2) Software as a Serviceの略で、ユーザーがインターネット経由で必要なソフトウェア機能を利用する仕組み

本件に関するお問い合わせ先(株式会社トレードワルツ)
株式会社トレードワルツ 担当:染谷、齋藤、須藤、中尾
Email:info@tradewaltz.com

 

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会社概要

株式会社トレードワルツ

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URL
https://www.tradewaltz.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング36階WORKSTYLING
電話番号
03-4567-6327
代表者名
佐藤 高廣
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2020年04月