就活のWebテスト、45%が不正実行――生成AI悪用も横行
就職活動時のWebテストで45%が不正を実行、4人に1人が不正で内定獲得
株式会社サーティファイ(東京都中央区、代表取締役:瀧澤茂、以下「サーティファイ」)は、オンラインによる就職活動についての実態調査を⾏いましたので調査結果を公開します。
【調査サマリー】
・就職活動時のオンライン試験で45%が何らかのカンニングをした
・「生成AIの使用」が「替え玉受験」を上回った
・全体の28.4%がカンニングをした企業から内定を獲得した
【調査実施の背景】
新型コロナウイルス感染症の影響で、就職活動のオンライン化が急速に進み、オンラインによる面接やWebテスト(以下「オンライン試験」)が標準的な形式となりました。
しかし、その利便性の裏で不正行為が急増し、オンライン試験の信頼性が揺らいでいます。
特に2022年には「替え玉受験」の不正が発覚し、替え玉受験を代行する業者が逮捕され、依頼していた学生3名も書類送検される事件が発生しました。この事件を機に、オンライン試験でのさらなる不正行為が問題視され始めています。
この状況を受け、サーティファイでは詳細な不正行為の実態を把握すべく2024年卒業生から2026年卒業予定のオンライン就職活動経験者に対しアンケート調査を実施し591名から回答を得ました。
■調査期間:2024年10月16日〜10月18日
■調査方法:インターネットリサーチ
■調査対象:オンライン就職活動経験者 (2024年卒業〜2026年卒業予定)
■有効回答:591名 (2024年卒:179名、2025年卒予定:297名、2026名卒予定:115名)
【調査結果】
質問1:オンライン試験で実行したカンニングを全てチェックしてください(複数回答) N=591
調査対象者591名のうち、45.5%にあたる269名が自宅などで受験したオンライン試験で「何らかのカンニング」を実行したと回答しました。カンニングを行わなかったのは54.5%(322名)に留まります。特に生成AIを利用した不正行為が従来の「替え玉受験」を上回っており、生成AIの普及により不正行為がより手軽になった可能性が示されています。
詳細分析:経年ごとの「何らかのカンニングをした」学生の比率 N=591
2025年卒業予定者の「何らかのカンニングをした」比率は40%まで抑えられましたが、2026年卒業予定者では50%近くまで再び上昇しています。
質問2:オンライン試験でカンニングを行った企業から内定を得たことがありますか? N=269
調査によると、カンニングを実行した269名のうち、62.5%にあたる168名がカンニングを行った企業から内定を得ています。オンライン就職活動者全体の591名で見ると、28.4%がカンニングで内定を獲得しており、企業が不正を見抜けていない現状が浮き彫りになりました。
詳細分析:経年ごとのカンニングを行った企業から内定を得た比率 N=269
2024年卒のカンニング実行者については8割以上が内定を獲得しており、2024年卒全体179名のうち43%がカンニングで内定を獲得していました。
2026年卒業予定者について調査時点での内定獲得人数であるため、これから内定出しが本格化することで「カンニングを行った企業から内定を得た」人数は増加すると予想されます。
【総評】
今回の調査結果は、オンライン試験における不正行為の蔓延が、企業の採用プロセスや社会全体の信頼に深刻な影響を与えていることを明らかにしています。
不正行為が見過ごされることは、公平で透明な採用活動を損ない、企業が本来採用すべき優秀な人材を見逃すリスクを高めます。さらに、不正を行った応募者が社員として入社することで、企業内にコンプライアンスの問題が持ち込まれ、企業のガバナンスやブランド価値に長期的なダメージを与えるリスクが高まります。
【会社概要】
社名 :株式会社サーティファイ
事業概要 :ビジネス能力・技能に関する認定試験の開発・主催、
実施主催試験に対応した対策問題集の開発・販売、
試験システムの開発・提供
設立 :2001年6月
所在地 :東京都中央区日本橋茅場町2-11-8 茅場町駅前ビル
代表者 :代表取締役 瀧澤 茂
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