【開催報告】第140回HGPIセミナー「COPDの疾病負担軽減を目指した早期発見の重要性:臨床現場と政策をつなぐ呼吸器医療の展望」
日本医療政策機構(HGPI)では、医療政策のオピニオンリーダーやイノベーターを招き、さまざまな医療政策のテーマに関するセミナーを開催しています。
第140回HGPIセミナーでは、奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授の室繁郎氏をお迎えし、慢性閉塞性肺疾患(COPD: Chronic Obstructive Pulmonary Disease)をテーマにご講演いただきました。COPDの疾病負担に関する知見と、早期発見を阻む障壁、そして2032年に向けた実装可能な早期発見モデルと地域連携のあり方についてお話しいただきました。

ポイント
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COPDは喫煙や大気汚染により発症・進行する有病率の高い疾患であり、フレイルや心血管疾患リスクの上昇とも関連するなど、肺への負担のみならず重大な社会的・医学的負担をもたらす疾患である。
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肺には機能的な余裕があり、呼吸が乱れないよう無意識に疲れない行動をとるため、COPDの症状は自覚しづらく、早期発見を妨げる大きな要因となっている。そのため、診断時にはすでにフレイルが進行している場合が多い。
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日本呼吸器学会の「木洩れ陽2032」プロジェクトでは、スクリーニング質問票(COPD-PS)の活用や既存CT画像を活用した解析、ならびに多領域連携による潜在患者の同定など、2032年までのCOPDによる死亡率減少に向けた現実的な早期発見戦略を推進している。
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日本におけるCOPD対策を全国的に推進するためには、健康診断項目の見直しや多職種連携モデルへの財政的支援を含む政策的基盤の強化が不可欠である。さらに、呼吸器疾患が循環器疾患や代謝性疾患と並ぶ主要な政策課題として位置づけられることを期待する。
【開催概要】
■日時:2026年1月27日(火)18:00-19:15
■形式:オンライン(Zoomウェビナー)
■言語:日本語
■参加費:無料
■主催:日本医療政策機構(HGPI)
【登壇者プロフィール】
室 繁郎(奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)
1989年京都大学医学部卒業後、田附興風会北野病院勤務を経て、1998年京都大学大学院博士課程修了(医学博士)。マギル大学ミーキンス・クリスティー研究所研究員、京都大学講師・准教授を経て、2018年より現職。日本呼吸器学会常務理事・保険委員会委員長を務めるほか、同学会の「COPD診断と治療のためのガイドライン」第5~7版では責任編集委員・副委員長を歴任し、「喘息とCOPDのオーバーラップ診断と治療の手引き」第2版(2024年発行)では委員長。同学会のCOPD死亡率の低減を目指すプロジェクト「木洩れ陽2032」の活動にも積極的に関わっている。第42回ベルツ賞1等賞(2005年)、日本呼吸器学会熊谷賞(2014年)受賞。
■日本医療政策機構とは: https://hgpi.org/
日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、2004年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクです。市民主体の医療政策を実現すべく、独立したシンクタンクとして、幅広いステークホルダーを結集し、社会に政策の選択肢を提供してきました。特定の政党、団体の立場にとらわれず、独立性を堅持し、フェアで健やかな社会を実現するために、将来を見据えた幅広い観点から、新しいアイデアや価値観を提供しています。設立以来、女性の健康、がん対策、認知症、薬剤耐性、再生医療、グローバルヘルスなど、当時は十分に議論されていなかったテーマをいち早く政策課題として提示し、法制度や国家戦略の形成、国際的な政策議論に反映されるなど、具体的な政策の前進に寄与してきました。こうした継続的な取り組みは、国内外の政策関係者や国際機関からも一定の評価を受けており、日本発の医療政策シンクタンクとして国際的な対話の場に参加し続けています。
日本国内はもとより、世界に向けても有効な医療政策の選択肢を提示し、地球規模の健康・医療課題を解決すべく、これからも皆様とともに活動を続けていきます。

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